ここ最近のIT・Web業界において少しずつ浸透してきた「Growth Hack(グロースハック)」。
FacebookやTwitter、Dropboxなど驚異的な成長を遂げたサービスは、このグロースハックを取り入れたことが成功要因の一つだとも言われています。
しかしグロースハックと言われてもイメージが沸かない人がほとんどではないでしょうか?
そこで今回は、グロースハックとはそもそも何のために必要なのか? 具体的になにをすれば良いのかを、実際の成功事例と合わせて紹介したいと思います。
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※本記事は株式会社WACUL提供によるスポンサード・コンテンツです。
※本記事は2014年7月7日に公開された記事をLISKUL編集部にて再編集したものです。
Growth Hack(グロースハック)とは何か?
グロースハックはまだ日本でも米国でも明確な定義がないようですが、簡単に言ってしまえば「効果改善を継続的に行い、サービスを成長させるための手法」です。
例えばTwitterでは5~10人フォローしたユーザーは定着率が高いということがデータから分かったので、初回登録時に5人フォローさせるような導線を置きました。その結果、MAU(ある月に1回以上活動のあった利用者の数)が4倍になったそうです。
このようにサービスを改善させるために様々な施策を試し、成果の出た施策を次々とサービスに取り入れて成長させることをグロースハックと呼びます。
参照:Growth Hacking Basics
そして実際にサービスを成長させるために様々な施策を取り入れ、サービス戦略の課題をクリエイティブに解決させる人々をGrowth Hacker(グロースハッカー)と呼びます。
米国ではこのグロースハッカーがスタートアップ企業だけでなく、数多くの企業から求められるような人材となっており、それだけ社会全体においてグロースハックへの需要が高まっていることが分かります。
なぜ今グロースハックが注目を浴びているのか?
注目される大きな要因としてIT・Web業界の特性が挙げられます。
Web サービスやスマートフォンアプリなどのように開発期間が短く参入障壁が低い市場は、競合も非常に多くいます。また、より良いものがあれば、すぐに別のものに乗り換えられてしまうようなライフサイクルの短い市場です。
そのような厳しい環境下では、リリースしたサービスのユーザー行動やデータを見て、コストをかけずに短い期間で仮設の構築と検証を行い、サービスを改善させていくことが非常に重要とされています。
だからこそ、今の時代においてグロースハックという手法が注目されているのです。
成功しているグロースハックの事例
では、具体的にどのようなグロースハックが実際に世の中で行われているのでしょうか?
ここでは、グロースハックの代表的な事例を簡単に紹介します。どのサービスにも共通して言えるのは、小手先の施策を打つのではなく、しっかりとサービスの課題を仮説立てて検証と改善を繰り返していることです。
旅行会社-記事の続きを読むために会員登録を必要にすることで、CV数が3倍に-
旅行ノウハウの記事を見に訪れたユーザは、複数の記事を見てくれているものの、そのまま会員登録せずに離脱していました。しかし、「会員登録フォーム」まで訪れたユーザは、非常に高い確率で会員になっていました。仮説
・会員登録には繋がっていないものの、記事自体には魅力がある。 ・何かしらの動機をつけて、「会員登録フォーム」まで誘導できれば、大幅なCV増を見込めるのでは? ・会員登録へ誘導するリンクは、記事ページ下部の「バナー」リンクのみなので、視認しづらい。 ・「バナー」という見た目が広告と勘違いされる ・記事の内容とも一切関係ない「会員登録」という文言のバナーでした施策
記事の一部を非表示にし、そのすぐ下に「続きを読むには会員登録してください」という会員登録誘導リンクを配置結果
・改善の結果、CV数が3倍になった 引用・参考:【事例】コンテンツマーケティングのCV数を3倍にした記事下の改善とは?|アクセス解析ツール「人工知能AIアナリスト」ブログ法人向けのインターネット・プロバイダを提供するサイトで、商品点数を減らして、CV数が2倍に
サイトの目的は、オフィス向けの光ファイバーや、営業マン向けのモバイル回線の申し込み数を増やすこと。BtoBのサイトで、Webから直接お申し込みができます。しかし、経営からCV数を2倍にしたい、という要望があり、改善方法に悩んでいました。仮説
・プラン詳細への誘導が弱い。サイトに訪れるユーザの大半がPCユーザで、トップページから流入。しかし、「プラン詳細」ページまでたどり着くユーザの割合が非常に少ない。 ・「プラン詳細」にたどり着くとCVRが3~5倍に跳ね上がる。 ・いかにスムーズに「プラン詳細」まで誘導できるかが、サイト改善の肝 ・プラン数が多すぎて、ユーザが迷っているのでは?施策
・Webサイトで紹介するプラン数を1つだけに絞る ・具体的なプランの選択は、申込フォーム内へ移動。(どうしても正しくプランを選べない場合は、営業担当が案内するという業務フローをつくる)結果
CVRが飛躍的に改善し、CV数が2倍に 引用・参考:【事例】商品数を減らすだけでCV2倍!|アクセス解析ツール「人工知能AIアナリスト」ブロググロースハックをする上で大事なこと
ここまでグロースハックについての説明をしてきましたが、グロースハックをする上でおさえておくべきこともいくつか知っておきましょう。
(1)単純な「ツール」ではなく「考え方」が重要
グロースハックは確かにサービスをより成長させるためには必要不可欠な手法ではあります。参考にすべきフレームワークもいくつか紹介されていますが、「これをやれば改善する!」という答えは当然ありません。
サービスによって重視すべき点も様々だからこそ、グロースハックを単純なツールとして捉えるのではなく、サービスを改善させるための考え方と捉えておく必要があります。
他社の事例を同じように真似をするのではなく、仮説を持って改善施策を行えるようにしましょう。
(2)フレームワーク「AARRRモデル」
前項目でグロースハックを「考え方」と説明したばかりですが、実際にグロースハックをする上で参考になるフレームワークなので、ぜひこちらのフレームワークも共有しておきたいと思います。
これはユーザー行動の変化を大きく5つに分けた考え方になります。
実際にどのように活用することができるかは、下記スライドで分かりやすく紹介されているのでぜひ確認してみてください。
Plucky, Plucky | SlideShare
グロースハックを始めるには?
実際に自身のサイト・サービスで「グロースハックをするために、何から始めればいいの?」と迷っている方は、まずA/Bテストをすることをおすすめします。
A/Bテストはグロースハックを実践する上で非常に重要な手法です。
A/Bテストは、Webサイトページにおける各要素(トップイメージ、キャッチコピー、アクションボタン、レイアウト)に対して、より効果的なデザイン・文言に変更した複数パターンの比較検証を行う手法です。
小さな改善施策から検証を始めることができるので、グロースハックを始めるのには非常に取っ付き易い施策になっています。
数あるA/Bテストツールの中でも、OptimizelyやVisual Web Opti-mizerなどが世界的に活用されています。
他にもplanBCDが新しいA/Bテストツールとして国内で知名度を上げつつあります。
筆者がおすすめしているOptimizelyは、登録後の使用方法までを記事にまとめているので興味のある方はそちらも確認してみてください。
【LISKUL】簡単にA/Bテストができるツール「Optimizely」完全マニュアル
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まとめ
いかがでしたでしょうか? ここまで事例を交えつつ、グロースハックをする上で押さえておくべきポイントから導入方法までひと通り紹介してきました。
繰り返しにはなりますが、グロースハックは単純な「手法」でも「ツール」でもありません。グロースハックで成功してきたサービスも仮説を持って施策を行い、ひたすら改善施策を繰り返してきた結果、成功に繋がったのです。
ぜひ、ご自身のサイト・サービスに適した改善施策を考え、実行し改善させていくようなグロースハックを試してみてください。