コンテンツマーケティングやインバウンドマーケティングとともに注目が集まる「オウンドメディア」。
様々の企業で取り組みが活発化していますが、そもそもオウンドメディアってなんなのか?どうなると成功なのか?実際にどの程度のPVやUUが出るものなのか?など、多くの企業担当者より質問を受けます。
そこで、オウンドメディアの定義を改めて確認するとともに、実際の日本におけるオウンドメディアの11個の成功事例とその訪問者数や流入経路を分析してまとめました。
また、成功事例から紐解く訪問者獲得の成功パターンも4つ紹介しているので、自社で取り組む際の参考になること間違いなしです。
※本記事は株式会社イノーバ提供によるスポンサード・コンテンツです
これで完璧!「オウンドメディア」を正しく理解!
まずはオウンドメディアの定義を改めて確認しましょう。マーケティング観点からのオウンドメディアの定義をざっくりまとめると「自社メディア・ECサイト・パンフレットなどの情報発信をコントロールできる媒体かつ、掲載する情報はユーザー視点で構成しているもの」となります。
他にも、テレビやネットの広告を中心とした「ペイドメディア」。FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアのように、ファン化を促進する場(自社媒体除く)である「アーンドメディア」と合わせた「トリプルメディア」の1つとして理解されています。
広告(ペイドメディア)やFacebook(アーンドメディア)などから、オウンドメディア(自社サイト)へ流入が生まれるなど、オウンドメディアは主に集客ポイントとして捉えることも多いので、その性格からPV・UU・訪問数(セッション)が成功指標のひとつとしてあげられます。
オウンドメディアの成功の指標は訪問者数!
成功事例ベスト11!
そこで、11のオウンドメディアをSimilarWebで調査しました。その調査から判明した各オウンドメディアの訪問数(予測値)とオウンドメディアの集客における4つの成功パターンを紹介いたします。
※SimilarWebで得られる数字は正確なものとは限りません。あくまでも推測値であることを予めご了承ください
成功するオウンドメディア事例における
4つのパターン
調査の結果、オウンドメディアには集客における4つの成功パターンが見えてきました。
「どのタイプが自社には合っているだろうか?」と意識しながら確認していただくことで、自社での展開の方向性も見えてきます。
それでは、さっそく4つのタイプを確認していきましょう。
1. 地道な「検索型」
まずは検索に強いオウンドメディアの成功事例を見ていきます。
LIGブログ(LIG)
株式会社LIG
Web制作会社であるLIGは、IT業界では非常に知名度の高いオウンドメディアを運営されています。いわゆるバズコンテンツの他に、ウェブ制作やマーケティングに関する秀逸なノウハウ記事なども数多く掲載しています。
2014年7月には、月間で
・300万PV
・130万セッション
を突破するなど、1企業のオウンドメディアとしてはもっとも成功しているメディアのひとつと言えます。
LIGブログは、ソーシャルでバズるおもしろいコンテンツが有名ですが、ノウハウ記事などは検索にも非常に強いのが特徴です。SimilarWebで調べてみたところ、2014年7月のトラフィックのうち52%は検索経由で訪れていると予想されます。
(引用:LIGブログの7月度アクセス解析と広告収入の結果 | 株式会社LIG)
また、LIG社はソーシャルメディアで爆発的に拡散するコンテンツ作成が得意な企業です。特にFacebookがソーシャルメディアにおける主な集客ポイントとなっていることが公表されています。2位にTwitterではなくGunosyがランクインするなど、キュレーションメディアでの集客力も高いことが分かります。
ニキペディア(ガシー・レンカー・ジャパン)
ニキペディア
ニキビケア用品として有名なProactiveを販売する、ガシー・レンカー・ジャパン社の運営するニキビの情報サイト「ニキペディア」。2014年2月頃から運営されていますが、「ニキビケア」のようなキーワードでも1位になるなど検索に強く、月間およそ2.5万の訪問数となっています。
検索からの流入が66.64%を占めるなど、SEO対策がしっかりとされたオウンドメディアだと推測されます。特にニキビのような悩みを抱えたユーザーの多い分野では、お悩みに紐づくSEOキーワードを分析したオウンドメディア対策が有効です。
上記はニキペディアへ流入していると思われるキーワードリストです。
1位のサイト名以外は全てニキビの悩みに関するキーワードが並んでいます。
スキンケア大学(リッチメディア)
スキンケア大学
リッチメディア社の運営するスキンケア大学は、300万を超える訪問者が毎月訪れる人気の美容サイト。編集部のおすすめする美容コラムの他に、美のスペシャリストによる連載コーナーなど、「質も量も継続的にユーザーに満足してもらえるサイト」になっています。
スキンケア大学は75%以上が検索からの流入と考えられています。美容は全般的にお悩みや「こうなりたい!」というユーザーニーズの強い分野なので、やはりSEO対策が有効な分野です。
予想流入キーワードもニキペディアと同様、メディア名以外はお悩みキーワードとなっています。
上記の成功事例のように、お悩みに関するキーワードは、常に検索キーワードとしてのニーズがあるものから季節的にニーズが高まるものまで幅広いので、自社の商材がお悩みを解決しやすいものである場合は積極的にSEOキーワードを洗い出して取り組まれることをおすすめします。
SEOによる流入は、効果がでるまで多少時間はかかりますが、集客経路として確立すると常に流入を生んでくれる、頼もしい存在となります。
2. 爆発力のソーシャルメディア型
ソーシャルメディアは拡散(いわゆる【バズる】と呼ばれるもの)すると、瞬間的に大きなトラフィックをオウンドメディアにもたらします。
TABI LABO(number9)
2014年2月にスタートしたTABI LABO。おもしろいコンテンツはもちろんですが、余計なサイドバーやバナー広告などがなく、まさに「読ませるメディア」になっています。
開設後約6ヶ月ですが、月間PVは3000万を超えると言われているTABILABO。その原動力となっているのがソーシャルメディアでの爆発的な拡散力です。
72%以上の流入をソーシャルメディア上で獲得しています。ソーシャルメディアの中でも主力はFacebookとなっており、その割合は約90%となっています。
サイボウズ式(サイボウズ)
サイボウズ式
サイボウズ社が運営するサイボウズ式は、インタビューやイベントレポートなどのコンテンツバリエーションに富んだオウンドメディアです。ITとワークスタイルをメインテーマにしており、特にワークスタイルに関する記事に関しては、他のメディアにも取り上げられています。
月間でおよそ9万の訪問数があり、BtoB企業が所有するオウンドメディアの中では稀有な存在となっています。執筆陣もサイボウズの中の人から東京大学名誉教授まで幅広いラインナップです。
サイボウズ式における過去3ヶ月のトラフィックのおよそ40%は、ソーシャルメディアからの流入であるとSimilarWebでは判断されています。もちろん実際の数値は分からない部分もありますが、インタビュー記事やワークスタイルに関する学びに富んだ記事は、共感(=シェア)を生みやすいのではないかと推測されます。
THE BRIDGE(株式会社THE BRIDGE)
THE BRIDGEは、日本とアジアのテクノロジー・スタートアップにフォーカスした情報を日本と世界に向けて配信する日本発のブログメディアです。
引用:公式サイト
THE BRIDGEは2011年12月にスタートした、日本を含めたアジアのスタートアップ情報が豊富なメディアです。インタビュー記事はもちろんのこと、最新の資金調達情報のニュースなども豊富です。アジアのテクノロジー情報を日本語で読めるという差別化ポイントも読者を引きつける要素となっています。
他の集客経路からも流入が確保できていますが、集客の中心はソーシャルメディアです。ニュースなどの速報性の高いものが発信されているので、ソーシャルメディア上で拡散しやすくなっていると考えられます。また、スタートアップという業界の特性上、読者はITリテラシーが高く、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアを使うユーザーが多いことも影響しているのではないでしょうか。
業界や業種によって、ソーシャルメディア上での爆発的な拡散は、狙って引き起こすのは難しいのも確かです。しかしながら、上手に作り出せるコンテンツ制作力がある場合は積極的に利用することで、強力な集客エンジンとなります。
3. ブランド力を活かした「ブランド型」
Coca-Cola Journey(日本コカ・コーラ)
Coca-Cola Journey
Content2020を標榜するなど、全世界的にコンテンツ・オウンドメディア重視を打ち出すコカ・コーラ。日本のサイトも2013年6月25日からウェブマガジンスタイルで運営されています。訪問数は月間で130万を超えるなど、ブランド力を活かした集客力の強いオウンドメディアの代表格です。
そんなコカ・コーラは、やはりブランド力を活かしてサイトへの集客を行っています。
検索よりもダイレクト流入や他サイトからの訪問が多くなっています。その他サイトからの流入も下記のように、自社で展開するブランドからであることが分かります。
また、検索からの流入キーワードを見ても、ブランド名中心となっています。悩みに応える「検索型」のオウンドメディアとは異なり、「コカ・コーラのサイトに行きたい」というユーザーのニーズとブランドが確立されています。
Beauty & Co.(資生堂)
Beauty & Co.
資生堂とインフォバーン社が共同で運営する美容情報に関するオウンドメディア「Beauty & Co.」。2014年4月にリニューアルされ、1日に5本以上記事を更新する日もあるなど、積極的に情報発信しています。
月間で約13万の訪問数を集めるなど、リニューアル後、数字は顕著に上がっています。
他サイトなどからの流入やダイレクト流入中心で、検索キーワードも「ナツメヤシ、美容/ビューティー」を除いてサイト名ばかりです。確実にBeauty & Co. を読みに来るユーザーを獲得できており、こちらもブランド力を発揮できているオウンドメディアのひとつです。
4. 多くの集客経路を持つバランス型
FASHION HEADLINE(株式会社ファッションヘッドライン)
FASHION HEADLINE
三越伊勢丹の運営するFASHION HEADLINEは、ファッショントレンドを中心としたオウンドメディア。ブランドの最新情報や美容コラムなど、ユーザー視点で今知りたい情報がまとめられ、月間のPVは300万を越えています。
参考:三越伊勢丹のオウンドメディア「FASHION HEADLINE」が目指す成果目的とは? | somewrite (サムライト)
SimilarWebで確認したところ、 主な集客経路は検索エンジンですが、その他のダイレクト・リファラー・ソーシャルからもある程度の流入が発生しています。自然検索を基本としつつも固定の読者を増やしていることがわかります。
TechCrunch Japan(AOLオンライン・ジャパン)
最新のインターネット情報やテクノロジー・スタートアップ情報を提供しているTechCrunch Japan。アメリカを中心とした海外の情報にも強く、スタートアップ業界では特に人気のある、2006年から運営されているメディアです。
月間の訪問数は86万程度と考えられていますが、その集客経路は非常に理想的です。
突出した集客経路に頼ることなく、検索・ソーシャル・ダイレクト・リファラーで万遍なく集客できています。確実に固定ファンを増やしつつも、検索やソーシャルで新しい読者も開拓できていると推測できます。
エンジニアtype(株式会社キャリアデザインセンター)
@typeをはじめとする複数の転職サイトを運営するキャリアデザインセンター社が運営するエンジニアtype。エンジニアや技術を活かしたWebサービスを展開する企業の経営者のインタビューなどを数多く掲載しています。
企業が運営するオウンドメディアですが、インタビューなどはここでしか読めないものも多く、記事の質が高いのが特徴です。訪問者も月間37万人程度を集めるなど、人材系メディアとしてのポジションを確立しています。
SimilarWebで流入元を確認してみると、非常にバランスがとれています。おもしろいインタビュー記事などはソーシャルメディアとの相性も良く、Facebookを中心に読者を獲得しています。
また、検索のキーワードを見てみるとリピーターが多いと思われるブランド名検索(エンジニアtype、エンジニアタイプ)の他に、インタビューを実施した人物名でも検索されていることが伺えます。人物名をSEOキーワードとして注目することは多くありませんが、このようにインタビューを中心としたサイトは、人物名での流入も多くなる傾向があります。SEOを意識してオウンドメディアを運営する際には、業界の著名人等のインタビュー記事を活用することも検討してみてはいかがでしょうか。
バランス型を目指して初めから運営するのは難しいかもしれません。検索やソーシャル等の得意な経路を確立した後に他の集客経路を開拓するなど、他のタイプで成功した後にバランス型を目指した戦略へ移るのが良い手ではないでしょうか。
オウンドメディアの大きな指標のひとつは
訪問数やPV
オウンドメディア運営におけるKPIは様々ですが、
・オウンドメディアは集客機能を担う
・ユーザー視点で情報を発信する
という2点からもオウンドメディアを運営する際のKPIとして「訪問数」「PV」は大きな指標のひとつに成り得るのではないでしょうか。そこからの次の施策やゴールとして、次のKPIを設定することもあるかと思いますが、立ち上げの際には訪問数を増やすことを主眼とした運営も良い手ではないでしょうか。
自社のメディアのパターンを見抜き、
訪問者を集めよう!
実際にオウンドメディア運営に挑戦する前には、まずは上記4パターンのどれに当てはまるかを考えてみましょう。
お悩みの強い分野であればSEO、コンテンツ制作力に自信のある場合はソーシャル型、既存のブランド力を活かせる場合はブランド型など、自社に合ったオウンドメディア運営を行うことで訪問者の獲得効率がグッと上がります。
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