Webマーケティング業界では、アルファベットの略語が日常的に飛び交っています。新入社員はそんな光景に「本当についていけるのか」と不安を感じてしまうのではないでしょうか。
もし、新入社員がこの「アルファベット略語」を最短で理解し、社内の会話や上司の指示をスムーズに理解できるようになれば、安心して業務に取り組むことができ、戦力として活躍できるまでの期間を短縮できます。
そこで、今回は、Webマーケティング業界の新入社員が最初に押さえるべき20の略語を、重要度順に整理して解説しました。重要度の重み付けを客観的にするため、すでに存在するWebマーケティング用語を解説する10サイトの出現頻度を全て調べてスコアリングしています。出現頻度の順に解説しているので、この記事の用語を上からチェックしていけば最小の労力で重要な用語を理解できます。
[topbluelink]※本記事は2014年4月2日に公開された記事をLISKUL編集部にて再編集したものです。重要度順!Webマーケティング業界の新入社員が最初に押さえるべき20の略語
1.CPA = Cost Per Action 何らかの成果一件あたりの支払額
<出現頻度10/10>
【解説】
広告を経由して訪れた人が、予め定められたAction(会員登録や資料請求、商品の購入等)を取った場合に、その人数あたりの費用を指します。
そのActionの中でも、Cost Per Acquisitionは商品購入や有料会員登録といった新規顧客獲得(Acquisition)に結びついた時の人数あたりの費用を指します。
【例】
月間50万円のコストをかけてバナー広告を掲載し、そのバナー広告から80件の商品購入を獲得できた場合⇒CPAは、[50万円]÷[80件]=6250円となります。
2.CV = Conversion 変換、転換、交換
出現頻度<9/10>
【解説】
商用目的Webサイト上での最終的な成果を意味します。特にネット広告分野においては、会員登録や資料請求、商品購入など「単なる訪問者から会員や(見込)顧客への転換」という意味合いで使われる言葉です。
参考:成果アップの第一歩!コンバージョンの意味を正しく理解し定義する
3.CPC = Cost Per Click クリック一回あたりの料金、クリック単価
出現頻度<9/10>
【解説】
Webページやメールに掲載したテキスト広告やバナー広告などがクリックされ、顧客サイトに訪問者が訪れた場合に、そのクリック1回あたりの費用を指します。
このような課金形態の広告をクリック保証型広告(PPC広告)といいます(※後述)。
【例】
サイトに30万円のバナー広告を1ヶ月間出稿して、55000クリックを獲得した場合
⇒CPCは、[30万円]÷[55000クリック]=5.45円となります。
4.CTR = Click Through Rate クリックされた割合、クリック率
出現頻度<9/10>
【解説】
広告がクリックされた割合を示します。この値が高いほどユーザーは広告に反応しており、「効果の高い」広告であると言えます。「クリック数÷インプレッション数(※後述)」で表します。
【例】
メール広告を30万人に配信して、7000クリックを獲得した場合
⇒CTRは、[7000クリック]÷[30万配信]×100=2.33%となります。
5.CVR = Conversion Rate コンバージョン(成果)率
出現頻度<8/10>
【解説】
PV(アクセス数)、またはUU(閲覧者数)のうち、何割がコンバージョンに至るか、の割合を示す指標です。平たく言うと、「サイトに来た人が実際に購入(会員登録)に至る割合」のことです。
一定期間のコンバージョン件数を、同じ期間内のPV、またはUUで割って算出します。
【例】
広告から300アクセス(クリック)うち10件のコンバージョンがあった場合
⇒CVRは、[10CV]÷[300アクセス]×100=3.3%となります。
6.imp = impression 広告露出(掲載)回数、インプレッション数
出現頻度<9/10>
【解説】
Webサイトに広告が掲載された回数を表します。サイトに訪問者が訪れ、広告が1回表示されることを1インプレッションと言います。
7.PV = Page View アクセス数
出現頻度<9/10>
【解説】
あるWebサイトが閲覧された回数を表します。UU(※後述)と混同されがちですが、PVは同じ人がサイト内の複数ページを閲覧すると、その分回数が増えるため、通常UUよりもPVの方が多くなります。
8.UU = Unique User 閲覧者数
出現頻度<9/10>
【解説】
Webサイトを訪れた「人」の数を表します。PVの項目でも説明したように、同じWebサイトを同じ人が何度も訪問した場合でも、UUは1とカウントされます。
9.LP = Landing Page ランディングページ
出現頻度<7/10>
【解説】 ネット広告や検索エンジンでの検索結果からのリンク先となるWebページを表します。ユーザーにとっては、広告をクリックすると最初に表示されるページのことを言います。 参考:ランディングページとは│10分で理解できるLPの基本10.SEO = Search Engine Optimization 検索エンジン最適化
出現頻度<7/10>
【解説】
検索エンジン(Google やYahoo!)検索結果ページの上位に自らのWebサイトが表示されるように工夫すること、またはそのための技術やサービスを意味します。
【例】
ターゲットにするキーワードの適切な選択、ページ内でのキーワードの適切な使用等。
ただし、サーチエンジンのランク付けアルゴリズム(計算方法)は年々変化するため、実際は『SEOに王道無し』と言われることもあります。
11.LPO = Landing Page Optimization ランディングページ最適化
出現頻度<6/10>
【解説】
Webサイトにおいて、LP(ランディングページ)を工夫し、CVR(コンバージョン率)を高めることを意味します。
【例】
LPのリンクメニューや検索機能を充実させることで、目的の情報へすぐにたどり着けるようにする。訪問の時刻や時期に合わせてLPに表示されるメッセージを変化させる。等
12.ROAS = Return On Advertising Spend 広告の費用対効果
出現頻度<6/10>
【解説】
広告掲載料1円あたりの売上額を示します。この数値が高いほど、費用対効果が高くて効率的に広告が運用できている、と言えます。売上高÷コスト×100%で算出します。
【例】
10万円の広告費用を投資し、100万円の売り上げがあった場合
⇒ROASは、[100万円]÷[10万円]×100=1000%となります。
13.SEM = Search Engine Marketing 検索エンジンマーケティング
出現頻度<6/10>
【解説】
検索エンジンから自社Webサイトへの訪問者を増やすマーケティング手法を指します。一般的には、SEO(検索エンジン最適化)とリスティング広告(検索結果の画面で一番上に出てくる広告のこと)の2つが主な手法とされています。
14.CPM = Cost Per Mille インプレッション単価
出現頻度<5/10>
【解説】
Webサイトへの広告掲載回数1000回(=1000インプレッション)あたりの料金を指します。この料金単位で課金される制度をCPM制とよび、売上やサイト訪問者数増加よりも、ブランド認知度向上を目的とする場合に適した課金制度となります。
15.KPI = Key Performance Indicator 重要業績評価指標
出現頻度<5/10>
【解説】
目標達成プロセスの実施状況を計測するために、実行の度合い(パフォーマンス)を定量的に示す指標です。「何を持って進捗とするのか」を定義するために設定される尺度で、現況を指し示す様々な指標の中から、進捗を表現するのに最も適していると思われるものが選択されます。
【例】
サイト目的が[資料請求数の確保]、目標値が[月間40件の新規顧客の資料請求数をサイトから得る]だった場合
⇒KPIは、[検索エンジン経由のアクセスのセッション数(訪問回数)]と設定できます。
16.PPC広告 = Pay Per Click クリック課金型インターネット広告
出現頻度<5/10>
【解説】
CPCの項目でも述べましたが、掲載にはコストがかからず、広告が実際にクリックされた回数分だけ費用が発生するという課金形態の広告を表します。狭義には、直接リスティング広告を指す場合もあります。広告に興味を示したユーザー分だけ費用が発生するため、よりクリック率の高い広告が選別され、媒体および広告主の両方に利点のある広告宣伝モデルとなっています。
17.ROI = Return On Investment 投資対効果/投資収益率
出現頻度<5/10>
【解説】
投資した資本がどれだけの利益を生んでいるかを測る指標です。
「純利益÷投資額」で算出します。
18.ASP = Affiliate Service Provider アフィリエイト事業者/ Application Service Provider アプリケーション事業者
出現頻度<3/10>
【解説】
PC・モバイル問わず、アフィリエイトAffiliate広告(=成果報酬型広告)を仲介するサービスの総称です。
また、様々なアプリケーションApplicationをネット経由で提供するサービスの総称として使われる場合もあります。
参考:アフィリエイト広告│効果のでる出稿方法と業種別ワンポイントアドバイス
19.AIDMA = Attention, Interest, Desire, Memory, Action アイドマ
出現頻度<2/10>
【解説】
米学者ローランド・ホールが提唱した、消費者の購買決定プロセスを説明するモデルの1 つです。
20.AISAS = Attention, Interest, Search, Action, Share アイサス
出現頻度<2/10>
【解説】
電通が提唱したインターネット普及後の消費者による購買行動を説明するモデルで、AIDMAからDesire(欲求)とMemory(記憶)がなくなり、代わりにSearch(検索)とShare(情報共有)が追加されています。
まとめ
この記事に書かれている略語は、Webマーケティングに携わるのであれば最低限知って置かなければならないものばかりです。
しかし、本当に大切なことは略語や用語を覚えることではなく、Webマーケティングを活用して成果を上げていくことです。
そのためにも本記事を活用して、用語は短期間で効率よく覚えてしまいましょう。
おまけ:出現頻度が低かった用語一覧
最後に、調査した10サイトに掲載されていた用語を記載しておきます。解説は割愛しますが、もしわからない用語があれば自分で調べるなど、ぜひ役立てて下さい。
AMP = Accelerated Mobile Pages モバイルページを高速に表示させるための手法 API = Application Programming Interface アプリケーション・プログラミング・インターフェース ARPU = Average Revenue Per User ユーザー1人当たりの月間売上高 CMS = Content Management System コンテンツ管理システム CRM = Customer Relationship Management 顧客関係管理 DSP = Demand Side Platform 広告主側の広告配信プラットフォーム DMP = Data Management Platform データ管理プラットフォーム eCPM = Effective Cost Per Mill 1000impまたは1000PVあたりの収益額 EFO = Entry Form Optimization エントリーフォーム最適化 MA = Marketing Automation マーケティングオートメーション RTB = Real Time Bitting リアルタイム入札 SMO = Social Media Optimization ソーシャルメディア最適化 SSP = Supply Side Platform メディア側の広告配信プラットフォーム 4P = Product, Price, Place, Promotion 製品、価格、流通、プロモーション AIDCA = Attention, Interest, Desire, Conviction, Actionアイドカ(注目、興味、欲望、確信、購入) AISCEAS = Attention, Interest, Searcch, Comparison, Examination, Action, Share アイシーズ(注目、興味、検索、比較、検討、購入、共有) ARPPU = Average Revenue per Paid User 課金ユーザー人あたりの平均売上額 ASO = App Store Optimization アプリストア最適化 CGM = Consumer Generated Media 消費者生成メディア CSS = Cascading Style Sheets カスケーディング・スタイル・シート CTA = Call To Action 行動喚起 FTP = File Transfer Protocol ファイル転送プロトコル IP = Internet Protocol インターネット・プロトコル LTV= Life Time Value 顧客生涯価値 O2O = Online to Offline オンラインからオフライン(実店舗など)へのユーザー誘導 PPC = Pay Per Call 広告に掲載された電話番号から電話がかかってくる毎に課金 Rep = Representative 広告代理店との取引を行うネット業界特有の業者 SSL = Secure Socket Layer セキュア・ソケット・レイヤー UI = User Interface ユーザーの操作環境 USP = Unique Selling Proposition 差別特性 UX = User Experience ユーザー体験