デジタル行動観察、という言葉をご存知でしょうか。アクセス解析のように大量のデータを一度に見るのではなく、あくまでも「デジタルでの行動観察」として、オンライン上でユーザー1人ひとりの個別行動を観察し、気づきを得ていくマーケティング手法がデジタル行動観察です。
とはいえ、なんだか難しそう…結局うまく分析をするほど使いこなせないのでは?とお思いの方はいらっしゃらないでしょうか?
そこで、今回はLISKUL編集部とソウルドアウトの営業担当で、実際にLISKULをご覧になってから、ソウルドアウトにお問い合わせをいただいた方を、デジタル行動観察ツール「
Usergram(ユーザグラム)」を使って行動観察してみました。
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※本記事は株式会社ビービット提供によるスポンサード・コンテンツです。
デジタル行動観察で大切なのは、「考えながらユーザーを見てみること」
今回の目的は、ユーザー視点からの問い合わせまでに起こっている課題を発見し、改善施策を立案すること。まず、駒谷さんにデジタル行動観察を行う手順を教えてもらいました。
【ユーザグラムを使って施策案を立てるまでの手順】
①観察したいユーザーを抽出する
②観察するユーザーの属性情報があれば確認し、ユーザー像や取りうる行動を具体的にイメージする
③実際のユーザ行動を、一人ひとり、時系列に沿って観察する
④イメージしたとおりの行動や想定とは違う行動に着目し、ユーザーの置かれている状況や行動の理由を考える
⑤把握した実際のユーザー行動と、CV達成のために理想的な行動とのギャップを考え、それを解決するための具体的な施策を作る
駒谷徹(こまや・とおる)株式会社ビービット ソフトウェアサービス CRM担当。一橋大学卒業後、2012年に株式会社ビービット入社。2014年5月より広告効果測定ツール「ウェブアンテナ」の活用推進、チーム運営に携わる。2017年よりデジタル行動観察ツール「ユーザグラム」の活用推進にも従事。
今回使用する「デジタル行動観察ツールUsergram(ユーザグラム)」とは?
Usergram(ユーザグラム)は、株式会社ビービットが提供するデジタル行動観察が容易にできるようになるツールです。Webサイトの一人ひとりの顧客行動を可視化することで、Webマーケティングの施策の精度を高められます。
参考:
アクセス解析では顧客は見えない?デジタル行動観察ツール「Usergram」がWebマーケティングを変える
より効果的なデジタル行動観察をするための2つのポイント
ポイント1:必ず「そのユーザー行動にはどういう意味があるのか?」を考えながら、実際の行動を見る
駒谷さん曰く、デジタル行動観察では、「ユーザーの行動にどういう意味があると思うのか?を考える時間を取ることが大切」だそう。
特に、ユーザグラムを使えば、
・いつ
・どんな人が
・どのページを
・どのくらいの長さ
見ているのか?が一目で分かるのでこういった分析に慣れていない人でも、簡単に行動観察ができます。
ただ漫然とその方の行動を見るのではなく、「なぜこの行動をしたのだろう?」「どういうインサイトなのだろう?」というのを、1つ1つ考え仮説を立てながら行動を見ることで、より深い顧客理解につながっていきます。
ポイント2:1度ではなく、定期的にデジタル行動観察をしてみるべき
またさらに1度分析をするだけではなく、また定期的にこのようなデジタル行動観察を続けることで、より深い顧客理解が深まっていくそうです。
例えば週に1回30分だけでも、この時間に充ててもいいのではないでしょうか?徐々にやり方も身についていくので、効率的かついろいろな発見が容易にしやすくなるそうです。
実録!ユーザグラムでLISKULの読者をデジタル行動観察してみよう!
ここから先の理解を深めるにあたって、まずLISKULからソウルドアウトへお問い合わせいただく方のよくある流れをご紹介いたします。
前提:LISKULを見たユーザーが、ソウルドアウトへ問い合わせる流れとは
LISKULからソウルドアウトへお問い合わせをいただくには、大きく2つのパターンがあります。
①LISKUL記事→資料ダウンロード(ダウンロードページにも問い合わせへのリンクあり)→問い合わせ
②LISKUL記事→直接、問い合わせフォームへ問い合わせ
ステップ1:まずはデジタル行動観察をしたい条件の顧客を抽出する
LISKULからいただくお問い合わせの中には、Webマーケティングのご相談だけではなく、LISKULへの広告記事出稿の希望や、他にも人材会社の営業などさまざまな内容が混ざっています。
そこでまず数ある問い合わせの中から、今回分析を行う「リスティング広告を出稿したい!」というの問い合わせのユーザーだけを抽出します。
絞り込む方法としては、下記のような方法があります。
方法1:「リスティング広告」 などのキーワードが問い合わせ内容に入っているユーザーに絞りこむ
方法2:行動を絞りこむ、でサイト内の特定のページ(例:ソウルドアウトの問い合わせページなど)を指定
他にも、さまざまな条件でユーザーを絞り込むことが可能です。
ステップ2:実際にデジタル行動観察をするユーザーを選び、その人についての仮説を立てる
ステップ1で絞り込んだリスティング広告についてのお問い合わせをいただいているユーザーの情報を何人か見て、おおまかな傾向をつかんでいきます。すると、LSIKULに何度も訪問してからお問い合わせをいただくユーザーが何名かいることに気が付きました。
そこで、今回はそのように「何度もLISKULを閲覧しているユーザー」を1人選び、デジタル行動観察をすることにしました。
このように、実際に深く行動観察をするユーザーを選ぶ方法は、
・注目しているプロダクトに問い合わせている
・何人かがまとまって特徴的な行動をしている
・最近、改善を行った部分に対して予想通り/予想外の反応をしている
など、さまざま。状況に応じて選び方も変わります。大切なのは、目的をもってユーザーを選ぶことだそう。
ステップ3:行動観察・・・の前に、「まずはどういう人なのか?」をわかっている状況だけで予測を立てる
今回、私たちが選んだのは下記のようなユーザーです。
LISKULを何度も繰り返しみてから、資料ダウンロードをし、問い合わせをしてきたAさん
業種:高所得者向けの不動産を取り扱う大阪の企業
・社長が自ら問い合わせ
・何か月も前からLISKULを定期的に閲覧している
(※個人情報保護のために、情報は少しぼかしたものを使用しております。ご了承ください。)
実際にAさんがどういうデジタル行動をしているのか?を見る前に、私たち自身がAさんをどういう人だと予想しているのか?をディスカッションしました。
出たのは、下記のような意見でした。
Aさんに対して、LISKULチームがした予想
・経営者で社長自らマーケティングの情報を得ているので、社員は少ないのでは?
・Web広告・集客に課題を持っていそう
・広告に本当に効果あるかな?と疑っている。効果があるなら出そうという気持ちでは?
・とはいえ、これだけ見ているということはまだWeb広告はやっていないか、一度やって失敗しているかも。
ステップ4:実際にその人の行動を見て気づいたことを洗い出し、ユーザーが行動しやすくなるような改善案を考える
それでは、実際に行動観察をし、改善案を考えていきます。今回は編集部で4つの改善案を考えてみました。
ユーザーの行動が細かく表示されたページ
ユーザーの行動は、一覧の中に表示されたユーザーを表すクマをクリックすることで見られます。そこでは
具体的にコンバージョンに至るまでに、「いつ」「どのページを」「どのくらいの時間」見ていたのか?が分かります。
ただ漠然とながめるのではなくて、その中でも特徴的な行動を洗い出していきます。
気になる行動1:ダウンロードページを見ても、資料をなかなかダウンロードしない
予算の少ない中小・ベンチャー企業が リスティング広告で 成果を出すための全手順(全60ページ)
<そう行動した理由(仮説)>
・営業電話がかかってくると思って警戒し、慎重になっている
・資料ダウンロードであればハードル低いと思っていたが、案外躊躇する方もいる
<理想の状態>
・営業電話がかかってくるという恐怖心を持たずに資料をダウンロードする
<改善案>
・フォームから電話番号記入欄を削除
リスティング広告代理店、成果を出せる代理店を選ぶ11個のポイント http://liskul.com/listing-ads-agency-11point-193
<そう行動した理由(仮説)>
・広告運用の選択肢として代理店があることは認識し、検討している
<理想の状態>
・代理店に運用をお願いするとどんな課題が解消されるのか、何が実現されるのかが分かる
<具体的な施策の案>
・自社で提供できる内容に沿って、運用方法や知識・ノウハウの違いを追加
リスティング広告とは|今更聞けないリスティング広告の基礎 http://liskul.com/what-is-listing-95
<そう行動した理由(仮説)>
・LISKULとは認識していないが、このページを入口として利用している
<理想の状態>
・次に読むべき記事が分かる
<具体的な施策の案>
・ノウハウを含む記事やCVRの高い記事などへのリンク先を増やす
<そう行動した理由(仮説)>
・トップに資料ダウンロードの誘導が、どんとあり、思ったのと違うと感じてしまう
<理想の状態>
・リスティングに関する情報がすぐに閲覧できるようになる
<具体的な施策の案>
・資料ダウンロードページへの導線の置き方を変える
そのほか、デジタル行動観察を実施してみて分かった発見
・よく見られている記事の中に情報が古いままのものがある→情報を更新
・関連性の高い記事同士のリンクがうまく貼られていない→リンクを設置
・アポ後に自社運用を調べるケースがある
・問い合わせをして話を聞いた後でも、自分で(運用)やるようなサイト見たりする場合もある。
デジタル行動観察でわかった気づきまとめ
まとめ:デジタル行動観察は、複数のメンバーで統一したユーザーイメージを持つのにも役立ちそう!
デジタル行動観察で、実際に話に上がった内容を、記事として起こしてみました。デジタル行動観察がどういうものなのか?の追体験はできたでしょうか。
私自身がデジタル行動観察をしてみて感じたのは「意外と顧客のことは分かっていない」ということです。今回、初めてデジタル行動観察をしましたが、
30分ほどの観察の中で、いくつもの発見と具体的な施策案を出すことができました。
また、実際の顧客の行動というデータをもとにメディア担当者と営業担当者が一緒にディスカッションをすることで、顧客像をより立体的に共有することができそうです。デジタル行動観察は、ユーザー像を中心おくことで、メディア担当者と営業担当者など複数の担当者の橋渡しをする役割も担っていけるのではないか?と感じました。
デジタル行動観察ツール「Usergram(ユーザグラム)」とは
ウェブサイトの一人ひとりの顧客行動を可視化し、Webマーケティングの施策の精度を高める、デジタル行動観察ツールです。
デジタル行動観察ツール Usergram(ユーザグラム)
※本記事は株式会社ビービット提供によるスポンサード・コンテンツです。