顧客管理は、既存顧客との関係性を維持するために重要です。顧客管理をしっかりすると、顧客の購買履歴から問い合わせ履歴、担当者、マーケティング施作の反応、予算など日々の営業活動が分かり、顧客との関係性を維持するのに役立ちます。
しかしいざ顧客管理をしようと思っても、何を使って顧客管理をするのがいいのか、どんな風にやるのがいいのか分からないという方もいるのではないでしょうか。
今回は顧客管理をしていくために、Excelなどのオフィス製品による方法とクラウドサービスによる顧客管理システム(CRM)を使う方法をそれぞれメリット・デメリットも合わせて解説していきます。
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※本記事は2017年3月31日に公開された記事をLISKUL編集部にて再編集したものです。
顧客管理は顧客との関係性を維持するためにおこなう
顧客管理とは、単に顧客の情報を記録しておくだけではなく、さらに商品やサービスを購入してもらうために、顧客との関係性を維持することを指します。
顧客との関係性を維持して売り上げを上げるのが目的のため、ただなんとなく顧客の情報を記入するのとは違います。
記入しておく項目は大きく分けて以下の3つです。
・顧客の属性:連絡先、会社名、役職など
・商品やサービスの購入履歴:購入商品、値段、回数
・収益性:累計の売り上げ、利益、平均の購入単価
BtoBの場合は担当者と何回目のアポイントメントかという回数を記入したり、BtoCの場合は実店舗への来店回数などを記入したりする場合もあります。
項目が多すぎると管理が煩雑になりますが、後で見返したときに営業やマーケティングの役に立つ情報を蓄積できているか、というのが大切なポイントです。
参考:
顧客管理には、顧客情報が重要|顧客管理の知識
顧客管理の方法は、Exxelなどのオフィス製品による方法と、顧客管理システムを活用した方法の2つがあります。
どちらにもメリット・デメリットがあるので、次の章から具体的な方法を見ていきましょう。
Excelによる顧客管理
Excelによる顧客管理のメリット・デメリット
メリット
・ほとんどの企業で事務作業にExcelなどのオフィス製品を使用しており、新たに初期投資をする必要がない
・慣れ親しんだ製品を使用するために社員に対する教育コストも少なくて済む。
デメリット
・一つのファイルを複数人で同時に更新することは基本的にできない
誰かが編集している場合は、「編集中のためロックされています。」となり、閲覧しかできない状態になります。
共有ブック機能を使用することで同時に編集できますが、競合した変更箇所はどちか一方の変更箇所のみ反映できます。その場合、もう一方の変更箇所はもう一度入力するしかありません。
このように共有ブック機能があるとはいえ、複数人で同時にファイル編集を行って、すべての編集内容を反映することはエクセルでは難しいのが現状です。
・簡単に削除したり、古いファイルで間違って上書きできてしまうという点
これは顧客管理に限った話ではありませんが、数ヶ月かけて築いたデータもまっさらな状態に戻ってしまうようなこともちょっとした操作ミスで起こります。
・メールやUSBメモリなどで簡単に持ち出せるのも、情報漏洩につながるので危険
Excelによる顧客管理の進め方
1.管理したい顧客情報の項目の洗い出す
現場担当者へ顧客管理の項目についてヒアリングし、意見を反映していきましょう。
また、誰が顧客管理情報を閲覧、編集するのかも洗い出しておきましょう。基本的に閲覧、編集できる担当者の人数は必要最小限にとどめるべきです。
2.バックアップのルールを決める
単純なルールとしては編集前にはバックアップをフォルダへ保存してから、編集を開始するというルールです。ルールを決めて関係者に周知するだけなので導入が簡単です。
3.洗い出した管理項目を元にExcelで顧客管理表を作成する
Exccelで顧客管理をするためのテンプレートをダウンロードできるサイトもあるので、参考にしてみましょう。
・
顧客管理のエクセルテンプレート、方法|無料ダウンロードは書式の王様
・
エクセルカードHARI
・
顧客管理表|Microsoft 楽しもう Office
4.ファイルサーバの設定
顧客管理表の保存場所と、誰がアクセスできるのか権限を付与します。
それからテスト運用を開始し、実際の担当者に使用してもらい一月程度使用してから担当者にヒアリングし顧客管理表を改善していきます。その後本運用を開始していきます。
顧客管理システムで管理をおこなう場合
顧客管理システムのメリット・デメリット
メリット
・顧客管理専用のシステムであるため、導入までのコストの低さや期間が早い
クラウドの場合は、セキュリティ対策などを自社で実施する必要がないので維持、管理が低コストで行えます。
ただし、個別に業務に合わせてカスタマイズする場合は、ある程度導入に時間はかかる場合があります。
・顧客管理に特化しているので必要最低限どの業種の企業でも必要な機能は備えている
・インターネットを使える環境があれば、どこでもシステムを使用できる。
これは社外での営業活動をする上で利便性が向上します。
参考:
CRMとは?今更聞けない基本とSFA・MAとの違いまとめ
デメリット
・提供しているクラウドサービスの会社ごとに仕様が異なるため、使い方を習得するまでに時間がかかる
・サービスを利用していて、情報漏洩やハッキングの被害があった場合、状況を把握することやコントロールすることが難しい
顧客管理システムを導入するべき企業
多くの顧客を管理し、社内で共有して営業やマーケティング施策に活用していきたいという場合は、顧客管理システムの導入を検討してみましょう。
また、以下のような場合も顧客管理システムの活用が向いています。
・顧客情報を複数人で同時に更新する必要がある
・営業担当者が外出先から閲覧する
・誰がいつ更新したか履歴を残したい
いまはまだ顧客管理をうまくできていないけれども、これから顧客管理をしっかりして社内で共有したいという企業も、一度導入の検討をしてみましょう。
クラウドによる顧客管理の進め方
1.管理したい内容を検討
顧客管理について、どのような項目を管理したいのかを現場の担当者(営業部)からヒアリングします。
2.クラウドサービスの選定
検討した内容と比較し、どういったクラウドサービスなら業務に耐えうるシステムか選定する必要があります。クラウドサービスでも多少のカスタマイズはできるが、基本的に機能は変更できないと考えてサービスを選定しましょう。
クラウドサービスには以下のようなものがあります。
・
Zoho CRM – クラウド型顧客管理・案件管理システム/SFA
・
顧客管理ソフトが無料「フリーウェイ顧客管理」
・
顧客管理システムCustoma!|1社で月額9,980円のクラウド型CRM・SFA
・
無料で自由自在、あらゆる業界の顧客管理に Fullfree
・
SkyDesk(スカイデスク)|富士ゼロックスのオンライン・ビジネス
・
Dynamics 365 - Microsoft
3.コストの確認
初期導入費用、月額費用から年間運用コストを出して比較しましょう。さらにサポート体制も確認しておくべきです。
クラウドサービスの初期費用は0円のところがほとんどです。
つづいて月額料金はプランにより変わってきますが、3,000円〜6,500円くらいになります。また、中には無料体験期間があるクラウドサービスもあります。さらに機能制限のある無料プランを提供しているクラウドサービスもあります。
4.最後に申し込みするプランの検討
業務で扱うデータ量は年間でどれだけ必要になってくるのか、また何人が同時に編集する必要があるのかなど、こちらも営業担当者などへ確認しながらプランを決めていきましょう。
まとめ
顧客管理を導入することは既存顧客との関係を維持する上で非常に強力な武器となっています。
各事業に合わせた最適な顧客管理方法を検討し、導入していきましょう。
顧客管理と請求書をまとめて管理するツールも
本記事では、顧客管理の専門ツールを紹介してきましたが、スタートアップや中小企業では、顧客管理専門のツールだとオーバースペックになってしまうケースも。
とはいえ、Excel管理は卒業したい、という企業には、顧客管理と請求書をまとめて管理するクラウドシステムが選択肢になります。
例えば、以下記事で紹介している「board」は、請求書の管理と業務管理を一元管理できます。参考にしてみてください。
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