「業務で使いたい文書がすぐに見つからない」「文書管理を徹底したいけど、どんなシステムを導入したらいいか分からない」という方も多いのではないでしょうか。
今回は、企業内の文書を安全に管理し、文書へのアクセスをスムーズにできる文書管理システムを8個、機能・価格・特徴まで詳しく解説していきます。
文書管理システム導入のメリットや、選ぶポイントも解説しているので、文書管理システムの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
なお、重要度を客観化するために既存の文書管理システムを紹介したサイト10個を調査し、出現頻度をスコアリングしました。出現頻度の高い順に掲載しているので、この記事を読めば効率よく文書管理システムを探せます。
文書管理システムとは
文書管理システムとは、文書や記録情報を電子化し、管理するツールです。管理は保存、活用、廃棄の一連のフローを指します。
紙で文書を管理すると、膨大なスペースを使うだけでなく、特定の文書を探したい時にも時間がかかります。電子化により、欲しい資料をすぐに探し出せるので、大幅に作業効率を高められます。
文書管理システムの主な機能
- 文書や記録情報を電子化し、管理する
- 保存した文書を検索する
- 期限がすぎた文書を自動廃棄する
- 承認・申請などのワークフロー機能
文書管理システムを導入するメリットとデメリット
まずは文書管理システムを使うメリットを解説します。
文書管理システム導入の4つのメリット
メリット1: 複数人で共同作業ができる
文書管理システムは文書の編集ができ、複数人でも共同で作業できます。
紙の文書の場合、一つの書類を複数人で編集するのは難しいですが、電子化されたものであれば
複数人で編集ができ、作業効率がアップします。
メリット2:使いたい文書がすぐに見つかる
電子化して管理していれば
タイトルや中身の文章を打ち込んで検索するだけで、簡単に文書を見つけ出せます。
紙の場合、大量の文書の中から目的のものを探し出すのは大変です。整理整頓されていたとしても時間がかかってしまうでしょう。
メリット3:リスク管理を徹底できる
大切な書類の管理は、紛失などをいかに防ぐかが重要です。電子化して管理すれば、
万が一削除してしまっても復元できる場合が多いです。また、編集記録などが残るため、不正利用や改ざんを防げます。
火災などの発生時にもクラウド上にデータが残っているので、全ての記録が一度に失われることもありません。
メリット4:ワークフローを簡略化できる
副次的なメリットとして、ワークフローを簡略化できる点も挙げられます。紙の文書だと、各文書について承認者は誰なのか、次に誰が確認しなければいけないのかなど、ワークフローの管理が煩雑になります。
対して文書管理システムは、承認者・確認ステータスなどが全てシステム上で管理され、ワークフローを簡略化できます。
文書管理システムを導入するデメリット
デメリット1:紙資料をスキャンする工数がかかる
既に紙で存在する資料を電子化する場合は、当然ですがスキャンする必要があります。工数を最小限に抑えたい場合は、スキャン作業を代行するシステム管理会社を選べば問題ありません。
デメリット2:システムの操作を覚える必要がある
新しく文書管理システムを導入する場合、操作方法を覚える必要があります。
もし全社的にツールに不慣れな方が多い場合は、シンプルなUIのシステムを選ぶようにしましょう。また、使い方をマニュアルにまとめることで、誰でも安心して利用できるようになります。
文書管理システムを選ぶ際の4つのポイント
文書管理システムを選ぶ際は、以下のポイントに気を付けましょう。
ポイント1:自社に必要な機能はあるか?
文書管理システムを導入しようとする目的をよく考えた上で、必要な機能を装備したシステムを選びましょう。主な機能としては、文書管理・文書検索・バージョン管理・ワークフローなどがあげられます。
文書管理
紙文書を電子化したもの・ワード・エクセル・パワーポイント・PDFなどの電子文書をまとめて登録・管理する機能です。
文書検索
登録された電子文書を検索する機能です。文書の登録時にインデックスを作成すると、瞬時に検索結果を得られます。
検索には「完全一致検索」と「あいまい検索」を実行するキーワード検索機能、最終更新日時や最終更新者などを指定できる細かい検索機能を持ったものがあります。
バージョン管理
バージョン管理とは、電子文書の変更履歴を管理する機能です。最終更新のファイルにアクセスできる一方、問題が発生した場合には履歴から文書を過去のバージョンに復元するのも可能です。
ワークフロー機能
ワークフロー機能とは、文書の確認・承認をシステム上でできる機能です。クラウド型システムの場合は、外出先でも文書を承認できるので、業務を効率化できます。
ポイント2:セキュリティはしっかりしているか?
文書管理システムを導入するにあたって、セキュリティ対策は重要です。電子化による文書管理には、外部への流出だけではなく内部の人間の不正アクセスもリスクとしては存在します。
システムによっては役職ごとにアクセス権限を設定できるものもあります。導入する際にはセキュリティに関する性能をよく理解し、信頼できるツールを選びましょう。
ポイント3:マルチデバイスに対応しているか?
外出先での情報入力や管理ができるように、スマートフォンやタブレットなどで閲覧・編集ができるシステムかを確認しておきましょう。使いやすいUIであるかも確認しておくのをおすすめします。
ポイント4: オンプレミス型か?クラウド型か?
文書管理システムは、オンプレミス型とクラウド型の2つに分けられます。自社に合った導入形態を選びましょう。
オンプレミス型
自社のサーバー上で管理する形態です。サーバの購入費など多額の初期費用がかかり、サーバ管理やメンテナンスなども必要となります。自社サーバーなので、セキュリティ的には安心できます。
クラウド型
インターネット上のサーバーを共有利用する形態です。初期費用・メンテナンスなどは不要で、利用コストも安くなりますが、外部サーバーを利用するので、セキュリティ面では多少のリスクがあります。
文書管理システム8個を比較
システム名 |
特徴 |
価格 |
導入実績 |
Contents EXpert |
帳票データの電子化・文書作成支援など、電子文書の一元管理ができる |
要問合せ |
JECC、野村総合研究所など |
REXファイルファインダー |
サムネイルを見ながら探せる高速全文検索システム |
要問合せ |
非公開 |
NotePM |
WEBで文書を作成し、気軽に情報共有できる |
1,000円/月~
※30日間無料トライアルあり
|
非公開 |
Fleekdrive |
リアルタイムにチャットでコミュニケーションしながら共同編集できる |
500円/月/ユーザ~ |
Benesse、イオンマーケティングなど世界190ヶ国 |
ASTRUX SaaS |
オプションによる機能拡張できる一元文書管理ツール |
25,000/月
※初期費用あり
|
株式会社ニデック、フジテック株式会社など全国800社以上 |
Documal SaaS |
社外取引先などとの文書のやりとり、承認・配信ができる |
20,000円/月~
※初期費用、無料トライアルあり
|
メタウォーター株式会社、株式会社西京銀行など |
On Base |
特定の部署かつ最低限の機能だけでスモールスタートできる |
要問合せ |
非公開 |
楽々Document Plus |
外出先でも場所を選ばずに使える |
要問合せ |
ダイニチ工業株式会社、福井ケーブルテレビ株式会社など |
1.帳票データの電子化・文書作成支援など、電子文書の一元管理ができる「Contents EXpert」
Contents EXpert
ツール概要
Contents EXpertは、電子帳票や文書管理などコンテンツ管理基盤を統合したデジタルドキュメント管理ソリューションです。帳票データの電子化・文書作成支援など、電子文書の一元管理ができます。
タイプ
クラウド型
特徴
- ワークフローによる統制管理機能あり
- 簡単分類・検索で、文書を後から探しやすい
- 帳票データの電子化・電子文書の一元化・文書作成支援など、文書登録から廃棄までの一連のプロセスを網羅
価格
お問い合わせください。
導入実績
JECC、野村総合研究所など
こんな人にオススメ
電子文書を一元管理ができるツールを探している方
2. サムネイルを見ながら探せる高速全文検索システム「REXファイルファインダー」
REXファイルファインダー
ツール概要
REX-File・Finderは、検索結果を「イメージ」で見ながらファイルを探せる高速全文検索システムです。全文検索とサムネイル表示でファイルサーバで管理している文書の検索性を飛躍的に向上します。ダウンロードせずに文書の中身を閲覧できるため、ファイルを開く手間を省けます。
タイプ
クラウド型
特徴
- 全ページのサムネイルを高速プレビューで閲覧できる
- 検索キーワードの分布を解析して有効結果を上位に表示
- 原本にアクセスすることなく、全ページ閲覧可能
- ディレクトリ毎のアクセス権限設定が可能
価格
お問合せ下さい
導入実績
非公開
こんな人にオススメ
素早く文書検索をしたい方
3.手ごろな価格で文書作成から管理まで一元化できる「NotePM」
NotePM
ツール概要
NotePMは、様々なドキュメントをWebで効率的に管理する、ドキュメント専用の情報共有サービスです。ミーティング議事録・設計書・社内マニュアル・ノウハウ集などの作成から管理まで一元化できます。
タイプ
クラウド型
特徴
- Web上で文書を作成し、気軽に情報共有できる
- フォルダで階層化でき、ファイルの整理がしやすい
- ファイルを全文検索できる
価格
- 3ユーザー / 5GB →月額1,000円
- 8ユーザー / 10GB →月額3,600円
- 15ユーザー / 15GB →月額5,700円
- 25ユーザー / 25GB →月額9,500円
- 50ユーザー / 50GB →月額17,500円
- 100ユーザー / 100GB →月額30,000円
※30日間無料トライアルあり
導入実績
データなし
こんな人にオススメ
安価に文書管理できるツールを探している方
4. リアルタイムにチャットでコミュニケーションしながら共同編集できる「Fleekdrive」
Fleekdrive
ツール概要
1つのファイルを複数人で共同編集できるシステムです。チャット機能でコミュニケーションを取りながら作業できます。
タイプ
クラウド型
特徴
- リアルタイムに複数人で共同作業できる
- ファイルを渡さないで閲覧だけを許可できる
- グループごとに管理者を設定できる
- Businessプランにはワークフロー機能あり
価格
- Teamプラン:1ユーザーあたり500円、APIコール50,000回/月まで無償
- Businessプラン:1ユーザーあたり1,500円、APIコール150,000回/月まで無償
導入実績
Benesse、イオンマーケティングなど世界190ヶ国で利用されています。
こんな人にオススメ
コミュニケーションを取りながら共同で文書を編集したい方
5. アクセス履歴管理機能で安心のセキュリティ「ASTRUX SaaS」
ASTRUX SaaS
ツール概要
ASTRUXは、様々な文書を効率よく管理できる文書管理ツールです。企業における一般文書やISO文書、記録などの運用・管理をWebベースで一元管理し、文書管理に関わる様々な業務を効率化できます。
タイプ
クラウド型
特徴
- 業務で発生する申請などのワークフロー機能あり
- ファイル名・更新日・ファイルサイズ・改訂コメント・申請情報で検索できる
- ファイルやログイン等のアクセス履歴閲覧機能で不正アクセスの防止
- PDF文書・DocuWorks文書ダウンロード・印刷できるメンバーを限定できる
- スキャン・ユーザー管理など、オプション製品が豊富
価格
DigitalNet ASTRUX SaaS ホスティングサービス(50GB):25,000/月
※初期費用あり
導入実績
株式会社ニデック、フジテック株式会社など全国800社以上
こんな人にオススメ
強固なセキュリティのシステムを探している方
6.社外取引先などとの文書のやりとり、承認・配信ができる「Documal SaaS」
Documal SaaS
ツール概要
Documal SaaSは、富士通株式会社が提供する文書管理システムです。文書作成から承認・保管・改版・廃棄までの一連の流れをDocumalひとつで実現します。
ワークフローを使って、社内だけではなく、社外取引先などとの文書のやりとり、承認・配信ができます。
タイプ
クラウド型
特徴
- ワークフロー機能あり
- 文書の有効期限(廃棄/削除日)の設定可
- 社外取引先などとの文書のやりとり、承認・配信ができる
- IPアドレス制限機能あり(有償オプション)
価格
- パブリックSaaS:20,000円/月(10アカウント)~
- プライベートSaaS:30,000円/月(10アカウント)~
※初期費用あり、1か月の無料トライアルあり
導入実績
メタウォーター株式会社、株式会社西京銀行など
こんな人にオススメ
社外の取引先と文書のやりとりする機会が多い方
7.特定の部署かつ最低限の機能だけでスモールスタートできる「On Base」
On Base
ツール概要
ハイランド社が提供する文書管理システム。業務で発生する紙文書をはじめとした大量のコンテンツを統合管理し、業務を効率化してくれます。
タイプ
オンプレミス型・クラウド型
※どちらでも、組織にとって最適な方法で展開可
特徴
- 複数部署をまたがるワークフローの設定可
- 紙文書やメールなど、あらゆる種類のドキュメントを取り込める
- 使い慣れた業務画面から、ワンクリックで関連する書類を表示
- 特定の部署かつ最低限の機能だけでスモールスタートできる
価格
お問い合わせください
導入実績
非公開
こんな人にオススメ
特定の部署で最低限の機能でスモールスタートしたい方
楽々DocumentPlus
ツール概要
楽々Document Plusは、文書や図面など企業内の情報を安全に管理・活用し、ペーパーレスを促進する文書管理システムです。楽々Document Plusを使えば、作成日や契約先、製品型番などの属性を付与して管理できます。
登録したファイルは、高性能の検索エンジンと高速ビューワにより、必要な情報をスピーディに検索・表示できます。
タイプ
クラウド型
特徴
- ワークフロー機能あり
- 電子承認記録が確認できるなど、ISO文書の管理機能あり
- タブレット端末(iPad、Android)からの文書の閲覧と承認作業をサポート
- 日本語、英語、中国語の複数言語に対応
価格
お問い合わせください
導入実績
ダイニチ工業株式会社、福井ケーブルテレビ株式会社など
こんな人にオススメ
ISO文書を管理する機会が多い方
まとめ
文書管理サービスは様々なものがあります。それぞれ会社によって置かれている状況や抱えている問題は違うと思います。文書管理ツールを導入する際には、必要な機能がどんなものなのかを明確にした上でセキュリティ・マルチデバイス機能・導入形態などを確認し選ぶようにしましょう。
- 電子文書を一元管理ができるツールを探している方は「Contents EXpert」「NotePM」
- 文書の検索を素早く行いたい方には「REXファイルファインダー」
- セキュリティが強固なツールを探している方には「ASTRUX SaaS」
- 社外の取引先と文書のやりとりする機会が多い方には「Documal SaaS」
- コミュニケーションを取りながら共同で文書を編集したい方には「Fleekdrive」
- 特定の部署で最低限の機能でスモールスタートしたい方には「On Base」
- ISO文書を管理する機会が多い方には「楽々DocumentPlus」
をおすすめします。
出現頻度が低かったサービス一覧
ActiveAssets-LINK DataClasys
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AIvi-Magic
alfresco
booMo Office View
Business WorkFlow Knowledge
Concierge
CIJ
Cincom ECM
ConTrack crossnote
参考にしたサイト(一部)
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