会社の成長にとって「組織マネジメントが重要」とよく聞くが、具体的にどうすればよいかわからないという担当の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、組織マネジメントとは何かから始まり、メリット・基本の「7S」・必要なスキルまで詳しく解説しています。さらに、組織マネジメントについて効率よく学ぶ方法も紹介します。
マネジメントを高め、会社を成長させるために、ぜひこの記事をお役立て下さい。
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組織マネジメントとは?
組織マネジメントとは、部長などの管理者が組織の活動を円滑におこなえるように、会社の資源・資産・リスクなどの管理することです。組織マネジメントのあり方はさまざまで、自分がどのような立場にいるかでその内容やレベルは変わっていきます。 しかし、どのような立場でも、組織を管理する上で必要なことがあります。 それは、組織経営に必要な以下の4つの資源について理解し、どのように活用すれば組織が効率よく動いていくかを考えることです。- ヒト(スタッフなど)
- モノ(生産など)
- お金
- 情報
組織マネジメントの推進によるメリット
組織マネジメントは、集団における個人のパフォーマンスをあげるために重要です。 また、集団として協力し、個人の能力を超えたパフォーマンスを出すためにも必要なものです。 ここで、組織マネジメントの推進によって、どのようなメリットがあるかを説明します。マネジメント力の向上
いいプレーヤーが、そのまま、いいマネージャーになれるわけではありません。マネジメントには、マネジメント力を養う必要があります。 研修やセミナーなどのプログラムを取り入れるのも有効です。マネジメント力とマネージャーの責任感を強化することは、組織にとって非常に意義があります。管理職の負担の軽減
管理者が自分の仕事をしながら、組織や部下の管理をすることは、かなりの労力と時間を要します。しかし、上手くマネジメントできると、スタッフのモチベーションがあがり、自主的にパフォーマンスのいい仕事ができるようになります。結果として、管理者の負担を軽減できるのです。組織の多様化対策
最近では、正社員・業務委託・派遣など、働く形態が多様化しています。加えて、グローバル化もすすみ、スタッフの国籍もさまざまです。 これらの多様化による個人の価値観や働くスタイルなどを理解し、それぞれに適した業務を割り振る必要があります。 また、業務サポートや教育などもそれぞれに合ったものを選ぶとよいでしょう。こうした多様化に対応するためにも、組織マネジメントは有効な手段となります。Fringe81株式会社の組織マネジメント事例
Fringe81株式会社の組織マネジメント事例を紹介します。Fringe81株式会社は、2013年にマネジメントバイアウトによって独立し、広告事業を中心に10個のサービスを展開しています。 もともとは30名ほどのエンジニア集団に近い組織でした。事業が多角化するにつれ、営業系の従業員も増え、現在はおよそ130名が所属する組織となっています。営業が入ったことでエンジニア組織のモチベーションが低下
広告代理店の事業を立ち上げることとなり、営業系のメンバーが入り、「受注した」という声が目立ちやすくなりました。当時の営業は成果給であったため、成果が見えやすい状態でした。しかし、エンジニアの成果を数字を使って測ることは難しく、モチベーションの低下につながってしまいました。埋もれている「賞賛すべき行動」と「評価」の可視化
会社に貢献していることが分かりにくい従業員を称賛できるように、「発見大賞」という他薦MVP制度を作りました。これは目立ちにくいけれど「良い仕事」であることを発見する制度です。従業員に月に1度選び出してもらい、全従業員の前で表彰します。 さらに、「評価」の可視化のために、ピアボーナス(成果給)のシステムを導入しました。従業員同士が互いにポイントを送り会えるシンプルなシステムで、ポイントが貯まるとAmazonギフト券との交換ができます。「良いマネジメント」の可視化で、組織も成長
成果を数字では測れなかったエンジニア系の従業員は、賞賛されるだけでなく、給与面での評価も得られるようになりました。営業だけが目立つこともなくなっています。この結果、3年間のエンジニアの離職はなくなり、東証マザーズへの上場も果たせました。 参考:Unipos代表、ピアボーナスを語る|Fringe81株式会社フロムスクラッチの組織マネジメント事例
株式会社フロムスクラッチの組織マネジメント事例を紹介します。株式会社フロムスクラッチは、次世代型マーケティングプラットフォームと呼ばれるソリューション「B→Dash」を開発・提供しています。短期間に急成長するスタートアップ、成長に伴う組織の問題
30名までは縁故採用が多く、この人数まではマネジメントも可能で、大きな問題は発生していませんでした。 しかし、30人を超える頃からは、リクルーティングによる採用が中心となり、今までの歴史を知らないメンバーが増えます。人数が増えることで、社内全体でのコミュニケーションが上手く取れなくなり、会社の意図とは異なる愚痴や不満などが増えたことが課題でした。組織の価値観に沿った人材の採用・育成
上記の課題解決のために、「組織の価値観に沿っているか?」を最優先事項として、採用・育成のプロセスに反映しました。 かつては、採用をする際に、スキルの有無を重視していました。その方針を大幅に変更して、「組織の価値観を共有できる人材」を見つけるため、10回以上の面接・1日インターンなども行い、双方がとことん納得した上で、採用を確定しています。 また、組織をより強化するために、ミドルマネジメント層に対して、「ビジョン研修」「マネジメント研修」をおこない、全社にビジョンが浸透するように取り組みました。組織が安定して拡大
早期に対策をおこなうことで、組織の急成長にともなう不平不満の声や、離職率の増加もなく、安定して組織の規模を拡大できました。 「B→Dash」をリリースした2014年11月当時は20人ほどの組織でしたが、2017年2月には正社員80人、開発拠点のメンバーも加えると140名になるまで成長しています。 参考:スタートアップの「50人の壁」。乗り越えるための採用・マネージャー育成のポイントとは? | SELECK [セレック]組織のフレームワーク「7S」で課題を洗い出す
組織マネジメントの手法として、組織を構成している要素(経営資源)を以下の7つにわけて考える方法があります。 この7つの要素は、まとめて「組織の7S」とよばれています。 1. 戦略:Strategy 2. 組織:Structure 3. システム:System 4. スキル:Skill 5. 人材:Staff 6. 価値観:Shared Value 7. スタイル:Style 組織の7Sモデルとは 参考:組織マネジメントとは ~組織の7Sを知る~|All About 経営資源を7つに分けると各資源や資源間が及ぼす影響が理解しやすくなり、企業がかかえる課題の洗い出しや解決に役立ちます。 組織マネジメントでは、この7つの要素が組織の中でうまく機能するようにデザインし、経営目標の達成を目指します。中でも、組織の「価値観(Shared Value)」は、意思決定における中心的な要素で、組織の存在意義でもあるため重要です。 さらに、組織のフレームワーク「7S」はハード面とソフト面にわけることができます。 では、「7S」をハード面とソフト面に分けて、くわしく説明します。ハードの3S
「戦略・組織・システム」は、他の要素である「人材・スキル・スタイル」に大きく影響する重要な要素です。それゆえハード面として位置づけられており、「ハードの3S」とよばれています。 ハードの3S は、管理者の意思による変更・構築が、以下の順番で、比較的容易に実行できます。 例えば、企業競争に勝つための戦略を変える場合、それに適した組織を再編成し、システムを再構築することになります。 ハード面の変更は、管理者の意思があれば、そこまで時間や労力がかかるわけではありません。戦略(Strategy)
組織の戦略(Strategy)とは、競争に勝つために組織の方向性や課題の解決方法を考えることです。 戦略によって、人材・スキル・スタイルをどのように活用するかが変わってくるため、とても重要な要素です。組織(Structure)
組織とは、集団が高いパフォーマンスを出せるように構成された形態のことです。組織は、人を動かすのにとても重要な要素です。 具体的には、マネジメント体制や事業部の統制などがあげられます。上司と部下の関係はモチベーションや目標達成に大きく影響するため、どのような組織を構成するかは重大な意味を持ちます。システム(System)
システムとは、組織が円滑に機能するように作った仕組みや制度です。 具体的には以下のようなものがあげられます。- 目標管理制度
- 人事評価・報酬(給与)制度
- 情報・業務管理システム
- 会計システム
ソフトの4S
スキル・人材・価値観・スタイルは「ソフトの4S」と呼ばれています。 この「ソフトの4S」は、ハード3Sとちがって、簡単に変更・構築することができません。ハード3Sの変更が行われても、スキルの定着、人材の育成には労力と時間がかかります。 特に、スタイル・社風・価値観を変え、それを定着させることに関しては、相当な時間と労力がかかるでしょう。 では、「ソフトの4S」のそれぞれの要素について説明します。スキル(Skill)
組織のスキルとは、スタッフの能力だけでなく、商品の販売力・営業力・開発力・マーケティング力などがあげられます。 これらは、組織の目標を達成するために不可欠であるため、ソフトの4Sとして位置づけられています。 また、販売・営業・マーケティングなど、それぞれの分野に特化した人材で分業することが組織の強みでもあります。それぞれの分野の人材が相互に協力することによって、組織ならではの力を発揮できるでしょう。人材(Staff)
人材は、経営資源「スタッフ・固定資産・お金・情報」の4つの中の1つで、組織にとって欠かせない資源です。ここでいう人材とは、組織の価値観を共有している人材を指します。 ここでの課題として、以下の2点があげられます。- 組織の中の個人の価値観を理解すること。
- 国籍・性別・人種に関係なく組織の掲げている価値観を共有・共感できる人材を確保・育成すること。
価値観(Shared Value)
価値観とは、なぜこの組織が存在するのかという企業理念などをさします。それゆえ、価値観の変更が一番難しく、変更後に定着するまでにかなりの労力と時間がかかります。 価値観は、7Sの中でも中心になる要素であり、組織経営における意思決定をおこなう際の判断軸になります。 また、組織の価値観がどんなものであるかによって、優秀な人材を確保できるかどうかも変わってきます。個人や組織のパフォーマンスの向上や目標達成にも大きく影響します。スタイル(Style)
スタイルとは、会社の雰囲気・社風・職場環境・経営スタイル・仕事のスタイルなどをさします。 組織のスタイルは、人材のモチベーションや目標達成にとても大きな影響を及ぼします。例えば、働きやすい環境であれば個人のパフォーマンスがあがります。それが集団につながって、組織全体のパフォーマンスも高まります。 他の組織との差別化や、システムと人材を適切に活用するためにも、スタイルはとても重要な要素です。あわせて課題洗い出し時に確認するポイント
管理対象となるものは、7S 以外にもあります。その他の管理対象となる資源について説明します。時間の管理
管理者自体の時間管理と組織の時間管理をおこなうことが必要になりますが、組織マネジやメントで一番難しいのが、この時間の管理だといえるでしょう。モノの管理
モノの管理で重要なのは、生産効率をあげることです。そのため、生産に必要な用具や手順に標準という概念を設定しています。この設定により、「成功報酬」「不成功減収」などの仕組みを導入して、生産効率の向上につとめています。情報の管理
テレビ・ラジオ・新聞などの情報に加え、近年ではインターネットの情報の管理が必要になっています。個人情報の漏洩などの問題も多いため、適切な管理が難しくなっていますが、非常に重要な管理対象でもあります。商品と顧客の管理
組織の商品とは、サービスのような無形の商品も含めています。どのような商品をどのような顧客に提供するのかを管理することも重要です。組織マネジメントに必要となるスキル
組織マネジメントに必要となる代表的なスキルを以下にあげます。目標設定/管理力
組織の目標を理解・把握し、それを達成するための計画や施策を立案したり、それに最適な人員を配置したりする能力が必要です。 目標設定は、簡単すぎると達成感が薄れ、難しすぎるとやる気が失われてしまいます。緊張感とやる気を保てるギリギリのラインに設定するとよいでしょう。計画力と推進力
組織で定めた目標を達成するためには、時間・プロセス・工数・労働力を把握し、具体的なスケジュールを作成する必要があります。 そして、その計画を推進していくためには、オンタイムで現状を把握し、問題解決やスケジュール調整をしていく能力が必要です。人材マネジメント力
メンバーの適正・価値観等を把握し、適材適所を考え、それぞれに応じた業務配分が大切です。また、それぞれのメンバーに適した支援や指導も必要です。 マネージャーが自ら率先して仕事を進めていくことで、部下のやる気や自発性が上がります。また、モチベーションが低くても成果をあげられるような仕組みを考えることも重要です。コミュニケーション力
組織で必要なのは、信頼関係です。信頼関係が強い組織は、パフォーマンスが高く、大きな成果をうみだします。 信頼関係の強い組織を築くには、コミュニケーション能力が不可欠です。 集団を円滑に動かすためには、現場と経営側の間に立ち、双方の課題を見出し、解決に向けて説得できるくらいのコミュニケーション能力が必要になるでしょう。組織マネジメントの学び方
組織マネジメントを学ぶには、以下の3つの方法があります。 1. 研修 2. セミナー 3. 本 研修やセミナーは、マネジメントのポイントを分かりやすく解説してくれるので、短時間でポイントをつかむのに適しています。 また、もっと深く掘り下げて学びたい方は、組織マネジメントに関する本がたくさん出版されていますので、自分に合った本を読んで学ぶとよいでしょう。 ここで、おすすめの研修・セミナーと書籍についてご紹介します。研修・セミナーで学ぶ
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- 1日の研修で、組織マネジメントの土台をつくる。
- その他、階層別・テーマ別で様々な講師派遣型研修がある。
- 料金は62,000円で、昼食費・テキスト費が含まれている。
本で学ぶ
組織マネジメントを深く学びたい方には、書籍から学ぶ方法があります。書籍であれば、独学で深く学べます。じっくりとマネジメントについて考えていきたい方にはおすすめです。 では、Google検索結果1位の書籍とマネジメントの基礎となる古典的な書籍をご紹介します。組織マネジメントのプロフェッショナル|高橋俊介
組織マネジメントのプロフェッショナル特徴
- 高橋俊介氏の「戦略を実現するため組織のあり方とリーダーシップ」をベースに加筆・編集した著書。
- 現在注目を集めている自立組織(上からの指示・命令ではなく、現場の第一線リーダーが自ら顧客へのWHATを考え、WHAT―HOW―DO―CHECKのサイクルを回していける組織)について考えた本。
- 自立組織を構築の必要性や自立組織を構築するためにどうすればいいのか、何が必要なのということが書かれている。
マネジメント 基本と原則 エッセンシャル版| ピーター・F・ドラッカー
マネジメント 基本と原則 エッセンシャル版特徴
- ドラッカーの『マネジメント――課題、責任、実践』のエッセンスをわかりやすく、まとめた入門書。
- マネジメントを極めたい人は、必ず読んでおきたい1冊。
- テクニックではなく、企業マネジメントのあるべき姿を書いた本。
まとめ
組織マネジメントについて説明しましたが、ご理解いただけましたでしょうか? 組織マネジメントは、管理職や人事部の方には重要な課題です。マネジメントのあり方しだいで、組織の効率やパフォーマンスは大きく変わってきます。 この記事を参考にして、組織の7Sに分けて課題の洗い出しに取り組んでください。 また、管理者のマネジメント能力を育てることも大きな課題です。セミナーや研修をうまく活用して、教育にも力をいれてください。マネージャーとしての意識改革のきっかけにもなるでしょう。グーグルも採用した組織マネジメント手法の資料を無償提供中(PR)
組織マネジメントを適切に実施すると、集団における個人のパフォーマンスが向上します。しかしながら、多くの組織は個人の力を集約できず、成果が発揮できないという悩みを抱えています。 その解決策として用いられるのが、インテルで開発され、グーグルが採用し有名になった目標管理手法「OKR」です。OKRを活用することで、組織のビジョンに沿った目標と個人の目標が繋がり、組織のモチベーションが向上します。 OKRを使ってステップに応じた組織マネジメント支援を実施する株式会社タバネルがノウハウを公開しています。無料でダウンロードできるので、ぜひ入手してください。 組織と個人をつなげる目標管理OKR|組織マネジメントに役立つ資料を無料ダウンロード!※本記事は株式会社タバネル提供によるスポンサード・コンテンツです。