近年、街中に中国人観光客が増えてきています。テレビなどのメディアでも、「爆買い」という言葉をよく耳にするようになってきました。
しかし、中国人による爆買いが実際にどれほど売り上げに影響しているのか、知らない人もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、中国人観光客の影響はどれほどなのかをデータで細かく紹介しています。ぜひ、今後の販売戦略に役立ててみてください。
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※本記事はインタセクト・コミュニケーションズ株式会社提供によるスポンサード・コンテンツです。
インバウンドとは
インバウンドとは、日本を訪れる「旅行」を指します。中国インバウンドとは中国人の訪日旅行をいいます。
また、マーケティングシーンでインバウンドといえば、インバウンドマーケティングのことを指します。
インバウンドマーケティングとは、主に訪日外国人を対象に情報を送り、見つけてもらうことで、販売促進を図ることです。
訪日中国人旅行者は年々増加しています。2020年には東京オリンピックが開催予定で、さらなる訪日旅客者数を見込めるでしょう。日本とアクセスの良い近隣国で、経済成長著しい中国人旅行客には、より大きな消費への期待が見込めます。
以下、具体的な事例を挙げて解説します。
マツモトキヨシが訪日中国人から人気を獲得した事例
中国インバウンドで成功した企業の例として、ドラッグストアのマツモトキヨシの事例が挙げられます。いかにして中国人観光客から人気を得たのか、詳しく見ていきましょう。
何を実施したか
マツモトキヨシは、主にWeb上のコンテンツを充実させるとともに、店内対応に力を入れました。それぞれ詳しく説明します。
1)Web上のコンテンツ
Web上コンテンツには中国語ホームページの作成と、SNSでの情報発信の2つを実施しています。ホームページは中国語簡体字と中国語繫体字の2つの言語で制作しています。
主におすすめ商品の紹介やキャンペーン内容を公開しています。また、WeiboとWeChatという2つのSNSで店内キャンペーンやおすすめ情報、クーポン情報などを掲載し、積極的に発信しています。
このように複数の媒体で情報を提供することで、拡散力が高まり、より知名度が上がります。
2)店内の対応
店内では、中国人観光客にいつでも対応できるよう、中国語対応スタッフが常駐しています。
また、中国ではキャッシュレスが普通になっているため、カードやWeChatを通しての支払いにも対応しています。
さらに、店内では無料でWi-Fiが使え、中国にいる家族や友人と電話して相談しながら買い物をすることもできます。
どのような成果が得られたか
以上のような工夫を実施したところ、2018年3月期の第二四半期で売上高は2766億9600万円となり、前年の同時期に比べると3.8%売り上げが伸びました。
また、営業利益は157億3400万円(前年同期比16.9%増)、経営利益は170億1800万円(15.7%増)でした。
参考:
マツキヨnews|インバウンド需要効果で2766億円3.8%増・経常利益15%増 | 流通スーパーニュース
空港のお土産店で、銀聯カードに対応して売上アップした事例
株式会社ビーウィングは、米子鬼太郎空港でお土産物の販売店を営んでいます。訪日観光客向けの屋外マーケットに出店し、免税品を販売するため、スマートフォン決済サービス「Anywhere®」を導入しました。
中国でもっとも使用されている銀聯(ぎんれん)カードでの決済がスムーズに行われることで、お客様を待たせることもなくなり、売上アップにつながりました。
何を実施したか
Visa, Mastercard, JCB などの主要なクレジットカードだけでなく、銀聯カードにも対応している「Anywhere®」を導入しました。「Anywhere®」は持ち運びも便利なため、屋外マーケットにおいても活用でき、エラーの少ないスマートフォン決済サービスです。「Anywhere®」の導入により、中国からの観光客がスムーズに決済できる環境を構築しました。
どのような成果が得られたか
エラーの少ない「Anywhere®」の活用で、スムーズな決済が可能となり、レジの回転率が5倍になりました。屋外マーケットの持ち時間は1時間だったので、どうやって回転率を上げるかが最重要課題でした。
銀聯カードが使えることで、中国人観光客にも喜んでもらえ、結果的に売上が増えることとなりました。
参考:
ビーウィング様 | 導入事例 | 法人のお客さま | NTTドコモ
訪日中国人は大幅に伸びている
以下のグラフが示すように、訪日中国人の数は年々増加しており、2015年にピークを迎えたものの、その後も多くの中国人が日本を訪れています。(タテ軸の単位:万人))
中国人が日本を訪れる理由としては主に以下の3つがあります。
1)日本と中国は物理的な距離が近い
2)2015年に中国人観光客用のビザ発給の条件が緩和され、日本を訪れやすくなった
3)2011年以降、円が下落したため中国人にとって日本での買い物、観光、宿泊が割安に感じられるようになった
今後も多くの中国人が日本を訪れると予想されます。訪日外国人に対するサービスや対応を積極的に取り入れる必要があると考えられます。
参考:
データでわかる訪日中国人 | 訪日ラボ
訪日中国人の消費額のピークは2015年
以下のグラフ(訪日中国人一人当たりの消費額)でわかるように、訪日中国人の消費額は2015年にピークを迎え、その後は減少傾向にあります。
2014年後半から円安の状況が続き、日本で買い物しやすくなったのが増加の原因と考えられます。
一方で、2016年から円高の状況が続いているため、訪日中国人一人当たりの消費額全体が減少したと考えられます。
参考:
中国人訪日客 爆買いに変化…消費減少続く|毎日新聞
他国と比較しても、訪日中国人の消費額は突出している
以下のグラフ(タテ軸は一人当たりの支出額、単位:円)でもわかるように、訪日中国人の消費額は他国に比べても突出しています。
その内訳は買い物代です。他国の買い物の代は3万円〜4万円であるのに対し、中国人は一人あたりおよそ16万円を買い物にあてており、減少傾向といってもまだまだ訪日中国人の買い物にあてる金額は突出していることがわかります。
参考:
訪日中国人観光客の特徴 | 訪日ラボ
訪日中国人の消費傾向・目的とは
訪日中国人が最も購入しているものは化粧品・香水です。続いて医薬品・健康グッズ・トイレタリー、菓子類の順に多く購入しています。また、購入場所はコンビニエンスストア、ドラッグストア、空港の免税店が多いです。
一人当たりの購入金額は、化粧品・香水が4.7万円、医薬品・健康グッズ・トイレタリーが3.9万円、菓子類が1.3万円となっています。
参考:
データでわかる訪日中国人 | 訪日ラボ
訪日中国人向けの販路を拡大する手法
中国現地のSNSを運用する
Weibo、WeChatは中国のSNSの中で最も有名です。Weiboの利用者は高学歴・高収入の中国人が多いです。企業公式アカウントに商品の説明や写真などを投稿することで、多くの富裕中国人の目に留まります。
WeChatは、日本のLINEに似たSNSです。中国人はWeChatを通して決済することが多いので、企業公式アカウントにクーポンや来日時のお得情報を載せておくと便利です。訪日予定の中国人だけでなく、中国在住者にまで知名度が上がります。
中国の観光向け媒体を利用する
中国人は、CTRIP、Qunerなどの旅行攻略サイトを利用して旅行の計画を立てます。具体的には、これらのサイトに掲載されている過去の旅行記事や写真などの口コミ参照し、自分たちの訪日プランを立てます。
これらのサイトに商品情報、店舗の所在地、などを掲載することで多くの訪日予定者に有益な情報を届けることができます。訪日予定者に対して知名度が上がります。
オンライン決済を導入する
中国では、WeChatPay、Alipayのようなオンライン決済も広く使われています。これらのオンライン決済を導入することで中国人観光客は人民元での支払いが可能、かつ簡単に決済できます。
中国人観光客の支払いがより円滑になり、支払い関係のトラブルを防げます。
QRコードを導入する
店舗の商品情報の隣に、中国語サイトに飛ぶQRコードを掲載します。店内の値札や商品情報をすべて中国語に翻訳しなくても、携帯電話一つで中国語での情報が得られます。
中国向けの広告を運用する
広告運用企業に自社のインターネット広告を依頼します。GoogleやFacebook、中国現地のバイドゥなどサービスを通して広告をインターネットに流します。
インターネット広告を通して情報発信することで、情報がより多くの中国人の目に留まります。
訪日中国人向けのフリーペーパー・ガイドブックに企業情報を掲載してもらう
オフラインの情報発信方法として、フリーペーパー・ガイドブックがあります。訪日中国人向けに発行されているフリーペーパーに自社の商品や店舗情報を載せてもらうことで集客アップにつとめます。オフラインでも情報を発信することでより多くの中国人観光客に知ってもらうことができます。
中国向けインフルエンサーに情報を発信してもらう
これはインフルエンサーマーケティングと呼ばれ、SNSなどで影響を与える人物に商品情報を発信してもらうことで宣伝効果を狙うものです。
中国のインフルエンサーに商品を宣伝してもらい、商品の知名度を上げます。インフルエンサーによる商品を実際に使ってみての感想を伝えることができます。
中国語が話せる人材を採用する
日本の店舗、レストランで中国語が話せる人を採用します。中国人観光客が訪れたときにスムーズに対応できます。中国人観光客が訪れたときにスムーズに対応ができ、トラブルを防ぎます。
訪日中国人のトラブル・リスク
中国人が日本を訪れることによって起こり得るトラブルやリスクを3つご紹介します。
無断キャンセルのトラブルがある
爆買いなどで訪日中国人の恩恵を受ける企業がある一方で、無断キャンセルのトラブルで困っている企業があるのも事実です。
ツアー代金を値下げしてほしいなど色々な要望をしたのにも関わらず、連絡を入れずにキャンセルされてしまうこともあります。
中国人夫婦がコンビニ店員に暴行
中国人カップルが、妻がお金を払う前にアイスクリームを食べてしまい、それが原因で騒動となり、腹を立てた夫が店員に暴力をふるった、というトラブルが起きました。
中国人観光客が成田空港で警官ともみ合いに
上海行きの飛行機が上海での降雪のため欠航となった時、搭乗予定だった中国人の一部が不満を訴えトラブルになりました。中国人観光客は駆けつけた警官と衝突し、その際国歌を合唱したといわれています。
まとめ
日本を訪れる中国人観光客はピークの2015年を過ぎても大変多いです。彼らの主目的は未だ買い物で、一人当たりの買い物額は16万円前後と大きな売上になっています。
しかし、中国人観光客から恩恵を受ける日本企業がある一方で、トラブルで困っている企業が多数あるのも事実です。中国インバウンドを行う際は、対策をしっかりとしたうえで、リスクがあることも理解しておきましょう。
参考にしたサイト
マツキヨnews|インバウンド需要効果で2766億円3.8%増・経常利益15%増 | 流通スーパーニュース
ビーウィング様 | 導入事例 | 法人のお客さま | NTTドコモ
データでわかる訪日中国人 | 訪日ラボ
訪日中国人観光客の特徴 | 訪日ラボ
中国人訪日客 爆買いに変化…消費減少続く|毎日新聞
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※本記事はインタセクト・コミュニケーションズ株式会社提供によるスポンサード・コンテンツです。