ネットショップを始めたいが、何から始めればいいのかわからないという方は少なくないでしょう。
この記事では、ネットショップを開業するまでの大まかなステップ、必要な資金、開業時の注意事項をご紹介します。
この記事を読むことで、ネットショップの開業までの流れがわかり、自分のサイトに適した方法でスムーズにネットショップを開業できます。ぜひご一読ください。
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ネットショップで販売する流れは
まずは、ネットショップ開業の手順を知るために、前提となる「ネットショップでの販売の流れ」について知っておきましょう。一般的に、顧客に商品が届くまでのステップは以下のとおりです。1)商品の仕入れ
ショップで売れる見込みのある商品を仕入れるステップです。ショップ開設当初は、在庫を抱えないために、多く仕入れすぎないように注意が必要です。2)商品ページ作成
仕入れた商品が顧客にとって魅力的にみえるように、画像や文章を使って紹介ページを作成します。3)商品購入
顧客がサイトを訪問して、商品を購入するステップです。サイトに顧客が訪れるように集客して、購入に至るように魅力的な商品を並べる必要があります。4)支払い
顧客が商品購入を決めて支払いをするステップです。クレジットカード決済や銀行振込など、顧客に合った決済方法に対応していることが望ましいです。5)配送
商品を顧客に届けるステップです。注文された商品を梱包して、配送業者に委託します。できるだけ短い期間で顧客に届けることが望ましいです。ネットショップの開業方法
1)開業方法を決める
ネットショップを開業する方法を決めましょう。 開業方法は、「レンタルショッピングカート」「モール出店」「パッケージソフト」「専用システム構築」の4つに大別できます。 それぞれの特徴については後述しているので、自分にあった開業方法をみつけましょう。2)決済方法を決める
次に決済方法を決めましょう。 ネットショッピングにおいて、どんな決済方法であるかは、消費者が商品購入を決める上で重要です。クレジットカードが便利と思う人がいれば、コンビニ払い・着払いの方が安全でいいと思う人もいます。導入する際、運用コストのかかるものもあるので、予算を考えた上で、消費者に喜ばれる決済方法の導入をしましょう。 主な決済方法は以下のとおりです。- クレジットカード
- 代金引換
- コンビニ払い
- 後払い(払込票式)
- 銀行振込
3)Webサイトを作成する
ネットショップのコンセプト・ターゲットを反映させたサイトを作成しましょう。 開業方法によってWebサイトの制作方法は異なりますが、ほとんどのサービスでは、デザインテンプレートがあります。個人の方や、小規模で始めたい方は、テンプレートに沿ってサイトを制作するのをおすすめします。よりサイトの仕様やデザインにこだわる場合は、社内チームで内製するか、制作会社に依頼するのがよいでしょう。4)開業に必要な届け出を出す
ネットショップも事業の一つなので、開業するにあたり各種届け出が必要です。以下に開業に必要な届け出について紹介します。開業届
開業届を税務署に提出する必要があります。正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」で、事業の開始から一ヶ月以内の提出が法律で定められています。実際、開業届を出さなくても罰則はありません。ただし、年間の所得が20万円を超過する場合や、「青色申告特別控除」を受けたい場合は確定申告をする際に開業届が必要になります。 参考:個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁許可が必要な商品
商品の種類によってさまざまな届出が必要になります。自社であつかう商品が許可の必要な商品かを確認しておきましょう。 例:- 食品の販売:所轄の保健所に「食品衛生法に基づく営業許可」の申請が必要
- 中古品の買い取り・販売:所轄に警察署や生活安全課に「古物商許可」の申請が必要
ネットショップの開業方法を比較
ネットショップを開業する方法は大きく分けて以下の4つです。- 「レンタルショッピングカート」:ショッピングカート・受注管理システムを導入する
- 「モール出店」:多数の企業や商店のネットショップを集めたサービスに開業する
- 「パッケージソフト」:ネットショップ構築に必要な機能を搭載したソフトで作成する
- 「専用システム構築」:自社でシステムを立ち上げて、ゼロからネットショップを構築する
レンタルショッピングカート(ASP)活用
特徴
レンタルショッピングカートとは、ショッピングカート・受注管理システムを提供するアプリケーション・サービス・プロバイダー(ASP)型のサービスです。ショッピングカートのみを提供するサービスもあれば、サーバーから受注管理まですべてがパッケージ化されたサービスもあります。メリット
- 初期投資が少ない
- いまあるサイトにカートを追加するだけで開業できる
- セキュリティ・アップデートなどの管理不要
デメリット
- 集客のための対策(SEO)は自分でする必要あり
- カスタマイズができない
- テンプレートの選択肢が少ない
サービス例
- カラーミーショップ
- MakeShop
- 助ネコ ECショップ
- ショップサーブ
- BASE
- FutureShop2
どんな人にオススメなのか
いまのサイトにカート機能を追加してネットショップにしたい方モール出店
特徴
モールとは、楽天・Amazonのように、多数の企業や商店が運営するネットショップを集めたインターネット上の百貨店のようなものです。ASPと同様に、ネットショップ開業から運営に必要な機能が提供されています。メリット
- 知名度が高く、集客しやすい
- 専門知識がなくても短期間で開業できる
デメリット
- 出店数が多いため、目立ちにくい
- 初期費用がかかる場合がある
- 販売価格などに規定や制限がかかる場合がある
- 売上に応じて手数料が発生する
サービス例
- Amazon
- 楽天市場
- Yahoo!ショッピング
- ポンパレモール
- Wowma!
- ヤマダモール
- メルカリ
どんな人にオススメなのか
手数料がかかっても、安定して集客したい人パッケージソフト活用
特徴
パッケージソフトとは、ネットショップ構築に不可欠な基本的な機能が用意されたソフトです。自分でレンタルサーバーを借りる必要があります。ショッピングカート機能・受注管理機能など、開業から運営まで必要なシステムを備えています。家電量販店やネット通販で購入できます。メリット
- 自分でカスタマイズできる
- ネットショップ構築のための基本機能が揃っている
デメリット
- 集客のための対策(SEO)は自分でする必要あり
- ソフトのバージョンアップ時の対応に時間と費用が発生
- カスタマイズに専門知識が必要
サービス例
- ecbeing
- えびすマート
- Orange EC
- Commerce21
- EC-CUBE
- COMPANY EC
どんな人にオススメなのか
専門知識なしでも安価にネットショップを開業したい人専用システム構築
特徴
専用システム構築とは、ゼロからネットショップを構築する方法です。専門度が高いので業者に依頼すると、コストは桁違いにかかります。専門知識のある人は、Wordpressを活用すれば、無料で開業することも可能です。自由度は圧倒的に高いため、希望通りのカスタマイズをしながらネットショップを作れます。メリット
- カスタマイズ可
- 自分のイメージ通りのネットショップを作れる
デメリット
- 業者に依頼する場合は、ネットショップの構築・運営コストが高い
- Wordpressを活用する場合は、専門知識が必要
- 集客のための対策(SEO)は自分でする必要あり
サービス例
- コマース21
- ECビーイング
- ECキューブ
- EC Direct
- EC-Orange
- Zen Cart
どんな人にオススメなのか
多少コストをかけても、自由にネットショップを作りたい人ネットショップ開業に必要な資金
ネットショップの開業は、実際の店舗を開業するほどの資金はかかりませんが、開業時に必要となりうる資金について紹介します。 個人で手軽に始めたいという方でも、最低限「パソコン」「ネットショップ・サービス利用料」の資金は用意しましょう。その他の項目は、サービスを拡大する際に別途資金をかけるべきかご検討ください。機材・備品の購入費用
ネットショップを開業するのに必須な備品は以下のとおりです。パソコン
パソコンにかかる費用はスペックによっても異なりますが、大体20万円前後の商品が多いです。業務の中心になるのがパソコンです。趣味程度ならスマホやタブレットでも悪くはないですが、生産性は下がります。ネットショップの運営にさまざまなシステムやソフトを入れることも考えて、スペックに余裕のあるパソコンを選ぶと良いでしょう。カメラなど撮影機材
撮影機材もスペックによって費用は異なりますが、10万円程度見積もっておくと良いでしょう。コンパクトデジタルカメラにも高画質なものはありますが、レンズの拡張性や照明器具などを考えるとデジタル一眼レフがおすすめです。開業したばかりの時は最低限の質が保証されるような入門機を購入するのがよいでしょう。商品画像は商品の魅力を伝えるために不可欠なものなので、それなりのものを用意するとよいでしょう。梱包資材
自分で発送する場合、商品を破損しないように発送することが必須です。ダンボールや緩衝材、ラッピング用のビニールやテープなどを用意しましょう。1つあたり数円程度で購入できますので、必要な個数よりも余分に用意しておくと安心です。ネットショップ・サービス利用料
前述した開業のためのサービス(パッケージソフト・レンタルショッピングカート・モールなど)は、サイトの規模や目的によって料金が変わります。「BASE」などのレンタルショッピングカートを利用すれば、ネットショップの作成から運営まで0円で出店できるものもあります。一方で、楽天などのモールを利用すれば、年間30万円以上の予算が必要となります。サイト制作費
サイトデザインを外注したりなど、ある程度のクオリティのサイトを作るとなると、少なくとも20〜30万は見積もっておく必要があります。ただし、外注先によって料金は異なるので、他社と比較して検討しましょう。ネットショップの開業時の注意事項
いざネットショップを開業するときに気をつけるべきポイントで、どのようなものがあるのでしょう? 特に個人の方であれば、利益が出ないうちは無駄なコスト発生は防ぐべきです。特に以下の費用管理の部分をご参考にしてください。費用を管理して無駄なコストの発生を防ぐ
ネットショップは手軽に始められますが、難易度はリアルな店舗運営と変わりません。 そのため、開業当初で売上が出るか不透明なときは、仕入れを少なくするなど費用を抑えることが重要です。別に広告予算を確保していない限りは、広告も少額から出稿するのが望ましいです。 無駄な出費を抑えるためには、会計ソフトやExcelなどのツールを利用しましょう。売上とコストを管理して、事業がうまくいっているのか、何の数値が改善ポイントなのかを明確にできます。お客様の使いやすいサイトを目指す
商品を買ってもらうためには、お客様にサイトに来てもらう必要があります。 商品の詳細ページに、お客様が求める説明が含まれているか?商品の一覧ページに、お客様が求める商品が見やすく一覧化され、網羅的に紹介されているか?のように、お客様にとって使いやすいサイトを目指しましょう。 そうすることで、自然とSEOの成果が伸びて集客増が望めます。また、使いやすいサービスとして、お客様から何度もリピーされるサイトになります。 下記記事では、ECにおける集客、追客、接客のポイントに触れました。ご参考ください。 ECサイト担当者が売上アップのために押さえるべき基本ポイント13個商品の表記に気をつける
インターネットで商品を販売するときには「特定商取引法」が適用されます。通信販売の際の広告に関して、「必要的記載事項」を表示することが義務付けられています。必要的記載事項には、以下の内容が含まれます。- 商品の詳細説明
- 販売数量
- 販売価格
- 送料
- その他負担すべき費用
- 代金の支払時期
- 商品の引渡時期
- 代金の支払方法
- 返品の特約に関する事項
- 事業者の名称 / 氏名
- 事業者の住所
- 事業者の電話番号