近頃動画を活用したマーケティング事例をよく目にし、自社でもやってみたいと思っている方も多いのではないでしょうか。
この記事ではそんな方のために、動画マーケティングの定義・成功事例・メリット・活用目的を解説します。
動画マーケティングは、どのようなマーケティングで何のために使う手法なのか、詳しく解説するので、この記事を読めば動画マーケティングの全体像を把握できます。
動画マーケティングとは?
動画マーケティングとは、企業や商品のマーケティングに動画を用いる手法です。 YouTube などに公開された動画もあれば、自社サイトに掲載されている動画もあります。従来のWebサイトでは「テキスト+画像」の組み合わせが中心でしたが、最近は「画像」に代わり「動画」を使うことが多くなってきました。 マーケティングを成功させる上で動画がますます重要となってくることが予想されます。 マーケティングに動画を取り入れることで、より高い広告効果を実現させましょう。動画マーケティングの成功事例
動画マーケティングについてのイメージをより鮮明に持っていただくために、2017年に成功した動画マーケティングの事例を3つご紹介します。【事例1】 ONE OK ROCK×と庵野秀明のコラボで再生回数が580万回を突破
ONE OK ROCK×庵野秀明 「Go, Vantage Point.」 60秒 Honda CM 自動車会社である本田技研工業は、ONE OK ROCKと庵野秀明が出演する動画を配信し、話題を集めました。動画作成の経緯は?
Honda CIVICを知らない若者に知ってもらう目的で制作されたブランドCMです。日本でのCIVICの人気は同じくHondaのフィットにおされて低迷していたため、復活が発表された際のメディアの反応は芳しくなかったようです。 そこでHondaは、NEW CIVIC販売に先立ち、普段クルマと関わりが少なく、なかなか接点を持てていない人へメッセージを届けることで、Hondaというブランドを理解してもらいたい、好きになってもらいたいという思いで本動画の制作を始めました。結果
YouTubeにおける再生回数は580万回を突破。Honda史上過去最高の数字となりました。 この結果、普段Hondaとなかなか接点を持つことができなかった人に対してもコンテンツを届けることができ、NEW CIVICの異例の売れ行きに繋がりました。 NEW CIVICの購買層は独身男性と子離れした夫婦に二極化しており、3割が20~30歳代です。子離れした夫婦は若かったころを思い出しての購入かもしれませんし、独身男性には「ONE OK ROCK×庵野秀明」のコラボ効果があったと思われます。 (Honda シビック 2017年7月-11月の視聴回数)【事例2】 実際のゲームシーンと映画予告のようなシーンが織り交ざり、再生回数が350万回を突破(任天堂 2017年7月-11月の視聴回数)
【公式】 もはやここはキミの知っているアローラではない。『ポケモン ウルトラサン・ウルトラムーン』PV 任天堂は、ポケットモンスター新作ゲーム「ウルトラサン・ウルトラムーン」のプロモーション動画を配信し、話題を集めました。動画作成の経緯は?
ポケモンシリーズの集大成とも言われる、大人気「ポケモン」シリーズの最新作「ウルトラサン・ウルトラムーン」の プロモーションビデオです。実際のゲームシーンと映画予告のようなシーンが織り交ざり、思わずワクワクしてしまうWebCMとなっています。ゲーム発売の1か月前にオンエアされました。結果
YouTubeにおける再生回数が350万回を突破。この結果、「ポケモン」シリーズの最新作「ポケモン ウルトラサン・ウルトラムーン」が2017年日本国内ゲーム売上1位となりました。 11月17日発売で2017年度、年間1位というのは快挙と言えるでしょう。【事例3】「はじめてのチュ〜診断」Youtubeで再生回数220万回を突破(ジャパンネット銀行 2017年7月-11月の視聴回数)
はじめてのチュ〜診断 ジャパンネット銀行は、誕生月別診断による動画「はじめてのチュ〜占い」を配信し、話題になりました。動画作成の経緯は?
ジャパンネット銀行は、今や老舗のネット企業といった存在であり、そのリブランディングのために、2015年よりYouTubeでの動画を活用した企業PR活動を開始していました。 今回の『はじめてのチュ~診断』では、誰もが不安でドキドキするファーストキスを誕生月ごとにタイプ診断するといった内容の動画となっており、若者の「はじめてのネット銀行にジャパンネット銀行」というメッセージを重ねています。若者にとって親しみを感じにくい銀行というものに興味を持ってもらうための企画となっています。結果
動画の配信後、20歳~34歳及び10代の若い男女の間に拡散されました。Twitter上では占いに関するコメントとともに多くのリツイートが生まれました。配信終了後、 YouTubeで「はじめてのちゅ〜診断」を検索して視聴する人も急増しており、オフラインでのシェアも実現しています。 参考:Think with Google 日本動画マーケティングを活用する4つの目的
動画をマーケティングで活用する目的は、主に以下の4つです。1) 見つけてもらい、認知度を上げる
動画マーケティングでは、まずは商品やサービスなどを見つけてもらうことが大切です。興味をもってもらうためには、動画自体がターゲット層の目を引くパワーを持っている必要があります。 ブランディング動画は商品自体の紹介ではなく、一見して広告には見えないストーリーでブランドへの好感度をアップさせる働きを持っています。2) 価値を詳しく知ってもらう
商品やサービスに関する動画に興味を持ってもらえたら、次はもっと詳しく知ってもらう必要があります。動画マーケティングでは、見てもらった後、その商品やサービスが記憶に残るように、さらに一歩踏み込んだ情報を提供する必要があります。 商品の魅力やメリットを端的に伝えられる動画を通して理解促進をはかりましょう。3) 購入するかどうかを判断してもらう
「使う前に知りたい」「買う前に確認したい」など、ネットで購入するユーザーにとっては、事前に色々な情報を集めることは当たり前になっています。購入判断を後押しするコンテンツとしては、「お客さまの声」や店長自らが商品を紹介する動画などが効果的です。口コミの影響力が大きい今の時代には、他のユーザーのリアルな声がさまざまな不安要素を払拭し、背中を押してくれるのです。4) ファンになってもらう
何度もリピートしていただくためには、ユーザーとゆるい信頼関係を結んでおくことが大切です。「いつまでもお店のファンになっていただく」ためにも動画マーケティングは有効です。動画マーケティングのメリット
動画マーケティングのメリットとしては、主に以下の4つが挙げられます。1) 充分な情報量を伝えられる
1分間の動画が伝える情報量は、180万語、3,600のWebページ分に匹敵するともいわれています。その情報量は単純にテキスト、写真だけの場合の5,000倍とも言われています。 短時間で多くの情報を伝えることができますので、動画のあるWebサイトはそうでないWebサイトと比べ圧倒的にユーザーの記憶に残りやすく、人の心を動かすこともできます。2) 商品への理解度が高まる
動画を利用することでそのプロダクトへの理解が74%高まる、また、動画を視聴した後の方が商品購入率が64%高まる、といった結果が出ています。お店や病院のWebサイトでは店長・院長の挨拶など、人を紹介するコンテンツがありますが、ここに動画を配置するとテキストと写真のみの場合と比べ、印象が大きく変わります。 文字だけでは伝わりづらい、商品のイメージやコンセプトも、動画を使えば簡単に伝えることができます。 参考:動画マーケティングとは | 動画制作のメリット・デメリット・最新事例、動画広告市場規模を解説|ボクシルマガジン3)検索するユーザーの求めている情報と一致すれば、SEO評価も上がる
情報を検索するユーザーの求めている情報と一致した動画をサイトに設置すると、ユーザーにとって役立つ情報を効率よく分かりやすく伝えられている場合に、検索結果で上位表示されやすくなる傾向があります。 Googleは上位表示のルールとして、コンテンツの質を重視していますので、この点を評価してくれているのです。 参考:動画のSEO効果は高いことは立証済み!?|ferret4)コンバージョン率がアップする
静止画より動画のあるページの方がコンバージョン率がアップする、という調査結果があります。動画は視覚と聴覚の両方から情報が入りますので、購買意欲を促進させるのに非常に役立ちます。 参考:コンバージョン率64%上昇 動画マーケティングの7つの真実動画マーケティングを実施する際のポイント
動画マーケティングを実施する際にいくつか気を付けるべきポイントを解説します。ポイント1:目的を明確にする
「動画コンテンツは何のためにある」のかをはっきりさせておきましょう。動画マーケティングの目的は、認知から始まり、理解を深め、購入してもらうなど様々な状況が考えられます。 制作すべき動画コンテンツは、その目的によって異なります。目的が不明瞭なまま制作を始めてしまった場合、広告効果が出ることなく失敗に終わってしまう場合もあります。ポイント2:動画マーケティングの種類を理解し、目的にあったものを選ぶ
YouTubeなどの動画配信サイト、Facebookなどのソーシャルメディア、企業のWebサイト、バナー広告など、動画マーケティングには色々種類があります。目的に合った種類を選択しましょう。- 動画配信サイト:動画再生前に流れる広告オプションを提供しています。
- ソーシャルメディア:ブランディング効果があります。
- 企業のWebサイト:SEO対策によって閲覧ユーザーを増やすことができます。
- バナー広告:低コストで様々なWebページに広告を配信できます。