働き方改革や人材不足で、人力によるITシステムの運用が難しくなり、現場の負担が大きくなっている状況は、多くの企業が課題としています。「ネットワーク管理システム導入を検討しているが、予算は限られ、専門家もいない」と悩んでいる人は少なくはないはずです。
導入することによって、人件費節約、夜間・休日の監視工数の削減、企業としての信頼性を高めることができます。
本記事では、ネットワーク監視ツールの選び方3つをご紹介し、シェアウェアで頻出した3選とオープンソースで頻出した4選の特徴を比較してご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
なお、重要度を客観化するためにネットワーク監視ツールを紹介したサイト10個を調査し、出現頻度をスコアリングしました。出現頻度の高い順に掲載しているので、この記事を読めば効率よく代表的なネットワーク監視ツールを探すことができます。
※出現頻度が同数の場合は、アルファベット順に掲載しています。日本語名については、ローマ字表記で判断しています。
ネットワーク監視ツール選び方3つのポイント
ポイント1.監視対象・範囲はどこまで必要か
ネットワーク監視ツールは、監視対象や範囲によって適切な製品が異なります。まず、導入する目的をはっきりとさせましょう。目的が明確でないと選定基準があいまいになり、自社に合った製品が選べず、結局使わずに無駄なコストを発生させてしまっては本末転倒です。
たとえば、ジョブ管理、運用の自動化管理、変更・構成管理などネットワークを含むシステム全体の管理が可能な統合製品や、リソースの使用状況に特化した製品などがありますので、監視範囲に注目し、選びましょう。
ポイント2.ツールの拡張性は高いか
初めてネットワーク監視ツールを導入する場合、「先々のことはわらないので基本機能から使い始めて様子をみたい」と考えている人もいると思います。その場合、拡張性のあるものを選べば事業の拡大や規模の拡大に合わせて監視の幅を変更することが可能です。
低コストで始められるものの多くはオプションプランが用意されていて、ネットワーク規模を拡張した時の対応、監視だけでなく異常を検知した際の復旧対応、サポート体制の強化などが用意されており、インターネット監視ツールを入れ替えることによるコストや慣れるまでの手間を考えると、拡張性の有無は重要となってきます。
ポイント3.専門知識がなくても運用できるか
オープンソースのネットワーク監視ツールは低コストで始められる反面、監視機器や監視項目が多いと項目ごとに設定作業が必要な場合や、サポートはWebで完結という場合もあります。
また、海外ベースのツールは操作が難しいものが多く、日本語が対応していないサービスもあるので、専門的な知識があり、時間が費やせる人向けです。もちろん、オープンソースがすべて使い勝手の悪いということはなく、日本の企業と連携したサービスもあります。
一方でシェアウェアのものならば比較的、手厚いサポートがあるので、試験運用して試してみるのも良いでしょう。
参考:
【システム運用Q&A】運用監視とは?ネットワークの運用監視導入のよくある失敗例と対策|ReSM
参考:
ネットワーク監視ツールのタイプ別比較9選(有料・無料OSS)|アスピック
参考:
人手に頼ったネットワーク運用監視はもう限界、高価なツールに頼らない解決方法とは |ビジネス+IT
シェアウェア対応のネットワーク監視ツール3社
1.PATROLCLARICE/株式会社コムスクエア
- 国内4000社以上の情シス部門に選ばれ、ITインフラのプロも採用
- エージェントレス型統合監視ソフトウエア シェアNo.1(公式ホームページ記載)
- 週一回のWebセミナーを実施
1.料金
必要な分だけ購入できる柔軟なライセンス体系。最低価格500,000円+336,000円(初年度ライセンス料+年間使用量。監視対象10~50台)
2.機能
エージェントレス方式、サーバ監視・ネットワーク監視を一本化。死活監視機能、レポート機能、カルテ機能、アクション機能は無料で使用可能。
3.サポート内容
最新バージョンより3世代までのバージョンをサポート対象とし、最新バージョンのリリース後、6カ月間経過後に4世代前のバージョンがサポート対象外となります。
4.デモ・評価版
用意あり。詳しくはお問合せください。
5.障害発生時の通知方式
メール送信、SNMPTRAP、CGIキック、コマンドキック、監視連動
- 監視対象を容易に把握できるマップ表示
- 拠点単位の大まかな監視状況を一目で確認できるダッシュボード機能
1.料金
問合せください
2.機能
死活監視機能、マップ機能、ダッシュボード機能、コンフィグバックアップ、MIBコンパイル、スケーラビリティ、メール集約機能、非監視機能
3.サポート内容
電話受付、メール受付あり。
4.デモ・評価版
評価期間:30日/仮想アプライアンス版(VMWare ESXi、Windows Hyper-V)のご提供となります。/デバイス数:100ノード
5.通知方法
メッセージのカスタマイズ、メール送信、スクリプト実行、スクリプト実行(複数)、監視対象情報を引数で引き渡し可能(Execute使用)/、送信元による表示方法を変える、同じ通知イベントが短期間に大量発生した際、1通のメールで通知を集約、SSL対応可能(SMTPS使用)
- ネットワーク、サーバ、データベース、それぞれ監視可能
- 8,000以上の装置テンプレートを搭載し最短10分で監視開始。乗り換えも運用も簡単
- 物理も仮想もクラウドもひとつで完結。Amazon EC2/RDS、VMware、Hyper-Vまで監視可能
1.料金
年間23.4万円から導入可能。デバイス数に応じたわかりやすい料金体系。
2.機能
エージェントレス型、ネットワークの障害切り分け迅速化に必要な機能を標準搭載、一元管理。ネットワークの全体像を簡単に仮想化。
3.サポート内容
購入後の年間保守サポート有り(通常ライセンスは一年ごとに有料で更新)。技術サポート有り。
3.サポート内容
要お問合せ
4.デモ・評価版
30日間すべての機能を無料で試用可能。インストール後30日経過すると自動的に3デバイスまで監視できる無料版に切り替わります。
5.通知方法
警告灯や通報システムと連携可能で見落とさない。
オープンソースで頻出したネットワーク監視ツール4社
- 実績22年のロングセラー商品
- 100%オープンソース
- 世界中で300,000以上のインストール実績
1.料金
完全無料・無制限で始められます。
2.機能
あらゆる対象を監視、全Zabbixコンポーネント間での強力な暗号化、小規模企業から大規模企業まで対応可能、高機能な閾値設定。
3.サポート内容
専門的知識が必要なため、商用環境で使用するには途保守サービスの契約が必要です。直接販売無し。製品取扱パートナーへお問合せ。
4.デモ・評価版
要お問合せ
5.通知方法
・メッセージの送信
・受信者ルールに基づくカスタムメッセージ
・実行時間、インベントリ情報を含めたカスタムメッセージ
- RRDToolを用いてグラフ表示することが得意
- Cacti Users提供のプラグインをインストールすることで監視サーバとしても利用可能
- ユーザーごとの権限を設定できる
1.料金
無料
2.機能
作成されたたくさんのグラフをツリー構造で管理/整理。高速ポーラー、高度なグラフテンプレート、複数のデータ取得方法、およびユーザー管理機能をそのまま使用可能
3.サポート内容
Web受付あり。コミュニティに参加するなど、問題解決は基本的に自分で調べていくことになります。
4.デモ・評価版
要お問合せ
5.通知方法
要お問合せ
- 豊富なプラグインで拡張性がある
- 大規模システムの監視に適した「Nagios XI」もあり
- コミュニティサイトに多数のアドオンツールから、やりたいことを自ら実装できる
1.料金
製品によって価格変動有り。値段表示はドルです。
2.機能
エージェントベースの監視とエージェントレスの監視の両方でサーバを監視する柔軟性があります。
3.サポート内容
フォーラムと電子メールのサポートは、初年度のすべてのNagiosソリューションのライセンスとメンテナンスの価格に含まれます。
電話サポートはパッケージ式:10コールパック| $ 2,995 USD、5コールパック| $ 1,995 USD
4.デモ・評価版
30日間無料トライアルあり。
5.通知方法
ネットワーク上のすべてのノードの可用性、稼働時間、応答時間を簡単に監視でき、さまざまな視覚的表現とレポートで結果を提供
- 大手IT企業も導入
- eラーニングシステムを使った訓練が受けられる
- 世界40か国以上の企業や組織が使用
1.料金
Enterprise版:80,000円(初年度)、コミュニティ版:無制限・無料
2.機能
オールインワン監視ソフトウエア。大規模なシステムの監視にも対応
3.サポート内容
Pandora FMSコミッタによる安心の日本語サポートあり。日本においてEnterprise版をご利用中のお客様は、株式会社アールワークスの窓口よりサポートを受けることができます。
4.デモ・評価版
Enterprise版 無料トライアルあり
5.通知方法
監視ステータスやリソースグラフなどを任意に配置して、PDF としてレポートを出力、メールにて定期的に指定の宛先に送付することも可能。