デジタルマーケティングとは「デジタルを活用して売れる仕組みを作ること」です。デジタル技術やデジタルデータをマーケティングに活用することで、ユーザーの行動データを可視化し、より最適なマーケティング施策を実現させるのが、デジタルマーケティングの特徴です。
「デジタルマーケティング」という言葉自体を知らなくても、多くの人がすでにデジタルマーケティングを実践しています。あなたも、その1人かもしれません。
この記事では、今さら聞けないデジタルマーケティングについて、基本から実践方法まで網羅的に解説します。デジタルマーケティングの概要をキャッチアップして業務に活かしたい人におすすめです。
▼ 本記事のポイント
・デジタルマーケティングの基本がわかる
・デジタルマーケティングの5つの手法を解説
・デジタルマーケティングの注意点まで理解できる
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この解説を最後までお読みいただければ、あなたは「デジタルマーケティング」はもちろん、デジタルマーケティングを取り巻く注目キーワードや、デジタルマーケティングの実践法まで把握できます。明日からの実務に役立つこと、間違いなしです。
それでは、さっそく「デジタルマーケティング」を解説します。
デジタルマーケティングとは何か
デジタルマーケティングを分解すれば「デジタル」+「マーケティング」となります。マーケティングとは、売れる仕組みを作ることです。
よって、デジタルマーケティングとは「デジタル技術やデジタルデータを活用して売れる仕組みを作ること」を指す言葉です。
具体的には、コンテンツマーケティング、SNSマーケティング、インターネット広告、マーケティングオートメーションなど、非常に多くのマーケティング手法を含んだ概念がデジタルマーケティングです。
上の図で挙げた具体例は、デジタルマーケティングのごく一部となります。極端にいえば、「アナログなマーケティング」以外はすべてデジタルマーケティングといえるのです。
「それなら、実質ほとんどマーケティングがデジタルマーケティングってこと?」という声が聞こえてきそうですが、その通りです。現代では、デジタルをまったく使わないマーケティングのほうが珍しいでしょう。
デジタルマーケティングの根本的な考え方
非常に大きな概念であるデジタルマーケティングですが、根底に共通して流れる考え方を1つ挙げるなら、
「社会におけるデジタル化の進展や各種テクノロジーの進化によって入手可能になった『ユーザーの行動データ』を重視すること」
といえます。
アナログマーケティングとデジタルマーケティングの違いは、「ユーザーの行動がデジタルデータとして可視化されているか」です。
かつてはマーケターが知識と経験をもとに想像するしかなかった『ユーザーの行動』が、デジタルマーケティングではデータとして蓄積していきます。「いつ・誰が・どこで・どんな風に・何をしたか」が、想像ではなく、データによる事実として把握できるわけです。
収集したユーザー行動のデータを分析し、データをもとに的確な施策を繰り出していくのが、デジタルマーケティングの根本的な考え方です。
デジタルマーケティングが再注目されている2つの背景
ところで、デジタルマーケティングという言葉自体は、昔からあります。しかし、「最近になって、デジタルマーケティングという言葉をよく聞くようになった」と感じていませんか。
その背景として押さえておきたいのが「OMO」と「DX」です。
「OMOもDXも最近よく見るけど、イマイチ意味がわからない」
…という方もご安心ください。簡単に解説しましょう。
OMO(オンラインとオフラインの融合)
OMO(オーエムオー)とは、Online Merges with Offlineの略語で、オンラインがオフラインを飲み込んで、すべてがデジタル化した状態を表す言葉です。
2010年代の「オンラインからオフラインへの集客(O2O)」「オンラインとオフラインのスムーズな連携(オムニチャネル)」を経て、2020年代はオフラインがオンラインに飲み込まれて消えていくOMOの時代に入っています。
出典:総務省
具体的な例を挙げれば、オフライン(店舗)で商品を購入しても、オンライン経由のキャッシュレス決済により、購買データが一元管理される世界が、OMOの世界です。
OMOの先進国は中国ですが、すでにキャッシュレス化が進み、顧客IDによる顧客管理が行われています。この流れは、確実に日本国内にも浸透してきています。近い将来、オンライン・オフラインの区別をする概念自体が消えていくでしょう。
まとめると、今まではデジタルマーケティングの主体は「オンライン(インターネット上)」でした。しかし、これからはオフラインのリアル店舗やサービスも、デジタルマーケティングの実践場へと変化していきます。この流れを汲んで、「デジタルマーケティング」がビジネス誌などの話題に上がることが多くなっているのです。
DX(デジタルトランスフォーメーション)
DX(ディーエックス)とは、デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略語です(DXのXはTransの略記)。
デジタルトランスフォーメーションとは、「企業がデジタル技術を活用することによって起こす変革」を指す言葉です。例えば、デジタル技術によって新たな商品・サービスを生み出したり、業務の在り方を刷新したりすることが挙げられます。
2019年まで、DXは話題となってはいましたが、現在ほど注目されていませんでした。一部の大企業が取り組んでいるのみという状況だったのです。
しかし、2020年に状況が一変。コロナ禍において、リモートワークが一気に進み、顧客対応はオンライン化。図らずもDXが世界中で強力に推進されることとなりました。
国(経済産業省)は政策としてDX推進の方針を打ち出しており、DXの流れは加速する一方です。
出典:経済産業省
マーケティング分野でもDXが進んでおり、デジタルマーケティングに取り組む企業が急増しています。この世の中の変化に対応できずDXに乗り遅れてしまった企業は、今後のOMO社会における競争力が低下し、市場で生き残るのが難しくなるでしょう。
まとめると、「デジタルマーケティング」という言葉をよく聞くようになった背景にはOMOとDXのトレンドがあること、そしてデジタルマーケティングに取り組むことは、自社の競争力を高めるために重要であることを、押さえておきましょう。
デジタルマーケティングとWebマーケティングの違い
ここでよくある質問にお答えしましょう。「デジタルマーケティングとWebマーケティングの違いは?」というものです。
Webマーケティングは、デジタルマーケティングの一種といえます。Webマーケティングは、デジタルマーケティングのうち、オンラインのWeb上で実施されるマーケティングを指す言葉です。
デジタルマーケティングは必ずしもWeb上に限らない点が、Webマーケティングと異なります。
補足情報として、近年ではWebに限定したWebマーケティングより「デジタルマーケティング」を好んで使うビジネスパーソンが増えています。先に解説したOMO(オフラインとオンラインの融合)の流れを汲んでのことです。
もしあなたが、Webマーケティングとデジタルマーケティングのどちらの言葉を使うべきか迷うことがあったら、「デジタルマーケティング」を選んでおけば間違いないでしょう。
デジタルマーケティングの代表的な5つの手法
「デジタルマーケティングをもう少し具体的にイメージしたい」という方のために、デジタルマーケティングの具体的な種類・手法をご紹介します。
注意点として、デジタルマーケティングはとても大きな概念です。守備範囲が広すぎるため「デジタルマーケティングとは、具体的にはこれのことです」と指し示せるようなものではありません。
ただ、“会社のデジタルマーケティング担当になったとき、よく扱うことになる分野”というのは存在します。そんな5つのデジタルマーケティングを見ていきましょう。
(1)コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、広告や宣伝とは異なる「ユーザーにとって有益なコンテンツ」の提供を通して、ユーザーとの関係性を築くマーケティング手法です。
コンテンツ提供のプラットフォームとなるのは、主にオウンドメディア(自社運営サイト)となります。自社サイトに、ユーザーの役に立つコンテンツを掲載し、コンテンツによって集客するのがコンテンツマーケティングの基本的な考え方です。
コンテンツマーケティングで、特にデジタルが活用されるポイントは、検索ニーズの調査・アクセス解析・SEO対策です。
サイトに流入し離脱するユーザーの動きは、コンテンツマーケティングにて収集するリアルな行動データです。どこからどんなニーズで流入し、どのコンテンツを見て、どんな風に去っていったのか、データ分析することでより良質なコンテンツの作成につなげることができます。
コンテンツマーケティングについて詳しくは「
コンテンツマーケティング」をご覧ください。数々の記事を公開していますので、より深い知識を得ることができます。
(2)SNSマーケティング
SNSマーケティングとは、SNSを利用したマーケティング手法のことです。代表的なSNSとしては、Instagram・Twitter・Facebookが挙げられます。
SNSは今や、テレビCMや雑誌広告などをしのぐ影響力を持っています。新商品のプロモーションからブランドへの愛着を高めるためのコミュニケーションまで、さまざまな目的でSNSマーケティングが行われています。
実際に、日本におけるSNS利用者数は2020年末で7,975万人に達する見込みで、普及率は80%です。SNSマーケティングの重要性が、年々増していることがわかります。
出典:ICT総研
SNSマーケティングで重要になる行動データは「エンゲージ」です。いいね・フォロー・リツイート・シェア・クリックなどの反応によって、「ユーザーがどう感じたか」を数値でリアルに測ることができます。
コンバージョンなどのアクションに至る前の、ユーザーの感情を可視化できるという点に、デジタルマーケティングならではの利点があります。
SNSマーケティングについて詳しくは「
いまさら聞けないSNSマーケティングとは?4種のSNSそれぞれの効果」をご覧ください。SNSを4つに分けて、SNSマーケティングの基本を解説しています。
(3)D2C
D2CまたはDtoC(ディーツーシー)とは、ダイレクト・トゥ・コンシューマー(Direct to Consumer)の略語です。小売店などを挟まずに、企業が顧客に直接商品を届けるビジネスをD2Cと呼びます。
2019年頃から米国を中心にD2Cブランドが勢力を拡大し、国内でもD2Cブランドが増えています。
もともとB2B(企業を対象にしたビジネス形態)、B2C(一般消費者を対象にしたビジネス形態)という言葉がありますが、D2Cは、B2B・B2Cの既存の区分けでは表現しきれない新たなビジネス形態です。
もともと「直販(直接販売)」の形態は存在しますが、旧型の直販とD2Cはニュアンスが異なります。「デジタル」を活用して、直接顧客とつながろうとするビジネスがD2Cです。具体的には、オンラインのECサイト経由で販売を行い、集客にはSNSやSEOを活用する例が多く見られます。
国内の代表的なD2Cブランドとして挙げられるのは、メンズコスメの「
BULK HOMME(バルクオム)」です。
出典:BULK HOMME(バルクオム)
2013年の立ち上げ当初は、ブランドサイトからマーケティング、顧客への情報発信、購入まですべてをデジタルで完結させていたことで話題を呼びました。2020年にはシリーズ累計出荷数500万本を突破しています。*
D2Cでは仲介者が存在しないためコスト削減になると同時に、メーカーが顧客と直接接触できるため、デジタルの顧客データが蓄積されていきます。この顧客データを新たな商品開発に活かし、さらに顧客に喜ばれる商品・サービスを提供していくのがD2Cビジネスの強みです。
なお、ダイレクトマーケティングについて詳しくは「ダイレクトマーケティングとは?そのメリットから詳しい手法まで解説」をご覧ください。メリットや手法まで詳しく解説しています。
*出典:BULK HOMME
(4)MA・SFA・CRM
デジタルマーケティングでは、デジタル技術を利用したマーケティング活動の自動化・効率化も積極的に行われます。具体的には「MA・SFA・CRM」の3つを押さえておきましょう。
MA(マーケティングオートメーション)
MA(マーケティングオートメーション)は、顧客・見込み顧客に対するマーケティング活動を自動化するツールのことです。リード獲得から既存顧客の育成(ナーチャリング)を、デジタル化します。
具体的には、それぞれの顧客・見込み顧客の行動や興味関心に合わせて、最適なタイミングで、最適なコミュニケーションを実施するため、成果が上がりやすくなるのです。
一人ひとりの顧客のニーズに合わせてカスタマイズしてマーケティングを行うことを「One to Oneマーケティング」といいますが、MAは自動でOne to Oneマーケティングができるツールといえます。
SFA(セールスフォースオートメーション)
SFA(セールスフォースオートメーション)は、営業活動を自動化するツールのことです。営業パーソン個人の能力に依存させず、システムとして一元管理することで、営業力の均質化を図ることができます。
SFAでは、売上・受注数・営業進捗などが可視化され、必要なネクストアクションが提案されます。BtoB企業で多く導入されているツールです。
CRM(カスタマーリレーションシップマネージメント)
CRM(カスタマーリレーションシップマネージメント)は、顧客関係管理を指します。顧客の情報をデータベースとして管理し分析することで、それぞれの顧客との良い関係を築くことを目指すのがCRMです。
MAやSFAのように、CRMも自動化するツール(CRMツール)を利用するのが一般的です。
MA・SFA・CRMについてさらに詳しく知りたい方には、以下の記事がおすすめです。それぞれのポイントを押さえることができます。
(5)デジタル運用型広告
最後に、デジタル運用型広告について紹介しましょう。
デジタル運用型広告とは、ネットユーザーの反応に応じて、リアルタイムにクリエイティブ・ターゲット・入札額などを変更し、パフォーマンスの最大化を図りながら運用する広告のことです。現在のネット広告の主流となっています。
具体的には、リスティング広告、YouTube動画広告、Facebook広告、Twitter広告などさまざまな種類があります。近年では、AI(人工知能)の技術が向上したことで、より緻密な運用が可能になっています。
結果として、より無駄なく費用対効果の高い広告施策が可能です。
なお、ネット広告について詳しくは「
ネット広告の種類全37種 課題別効果の出る手法一覧」をご覧ください。運用型以外の広告も含めて、37種類を解説しています。
デジタルマーケティングを行う3つの大きなメリット
ここまでデジタルマーケティングの基礎知識から手法までご紹介してきました。では、デジタルマーケティングを行うと、どんなメリットがあるのでしょうか。3つのメリットを解説しましょう。
メリット1:データ分析をもとに最適な施策が打てる
1つめのメリットは「データ分析をもとに最適な施策が打てる」ことです。
デジタルマーケティングの最大の特徴は、ユーザーの行動データを蓄積できることです。デジタルの技術を活用して得たデータを分析すれば、最適な施策を打つことができます。
例えば、インターネット広告ではおなじみの「A/Bテスト」は、デジタルマーケティングだからこそ容易にできるのです。
「広告のビジュアルは、Aパターンにするか?Bパターンにするか?」と迷ったとき、従来なら経験や勘によって判断するか、莫大なコストをかけてリサーチするかの2択でした。
簡単にユーザーの行動データを追跡できるデジタルマーケティングなら、AパターンとBパターンを比較するテスト(A/Bテスト)の実施は簡単です。わずか1時間で結果を得ることもできるでしょう。
これはほんの一例ですが、マーケティングにデジタル技術を取り入れれば取り入れるほど、より精細にユーザーの行動データを取得でき、最適な施策を選べるようになるのです。
メリット2:多様なユーザーに最適化できる
2つめのメリットは「多様なユーザーに最適化できる」ことです。
先ほど挙げた例でいえば、「Aパターンの広告とBパターンの広告」の反応は、ユーザーによって異なるかもしれません。例えば、「東京都に住んでいるユーザーならAパターン、大阪府に住んでいるユーザーならBパターンのほうが、クリック率が良かった」といったケースです。
このような場合に、ユーザーごとに最適化できるのは、デジタルマーケティングの強みです。東京都に住んでいるユーザーにはAパターンの広告を見せ、大阪府に住んでいるユーザーにはBパターンの広告を見せれば良いのです。
あるいは、顧客ごとに適した商品やサービスを提供する施策も可能です。一人ひとりの顧客のニーズに合わせてサービスを最適化するマーケティング手法を「パーソナライズ」といいます。
パーソナライズでは、ユーザーが欲しがっている情報やコンテンツを、デジタルデータから予測し、先回りして提供していきます。パーソナライズできることは、デジタルマーケティングの大きなメリットです。
メリット3:省人化できる
3つめのメリットは「省人化できる」ことです。
省人化とは、簡単にいえばアウトプットの質は落とさずに人間の労働時間を減らすことです。製造業などでよく使われる概念ですが、マーケティングでも省人化は重要です。
例えば、今まで手入力していた顧客情報、Excelを駆使して分析しなければならなかったデータなどを自動化できる顧客管理システムを導入すれば、大幅な省人化が可能です。
単純作業に費やしていた時間が削減できれば、その分、ユーザーに価値を届けるマーケティング施策の立案に時間をかけることができます。
加えて、今後リモートワークにシフトしていきたい企業にとっても、マーケティングのデジタル化は大きなメリットといえるでしょう。
これからのデジタルマーケティングの要チェックポイント
デジタルマーケティングは進化が早い分野です。これからのデジタルマーケティングで注目しておくべき新概念・技術を3つ、ご紹介します。
IoT(モノのインターネット)
1つめは「IoT(モノのインターネット)」です。IoTとは、簡単にいえば「あらゆるモノがインターネットにつながること」を指します。
いま“インターネットにつながっているモノ”として思い浮かぶのは何でしょうか。パソコン・スマホ・タブレット、そこにスマートウォッチが加わったくらいでしょう。
これがIoTとなると、洗濯機、エアコン、お風呂、防犯カメラなどの家電・住宅設備から、自動車、工場、農場、学校、病院まで、ありとあらゆるモノがインターネットに接続されていきます。
現在の私たちの概念ではまだ理解しにくいですが、最終的には、洋服や靴といった日用品まで接続されるといわれています。実際、インターネットにつながるモノ(IoTデバイス)の数は、年々増加しているのです。
出典:総務省
あらゆるモノがインターネットに接続した結果、例えば自動車の自動運転が可能になったり、病院で遠隔治療が可能になったりと、新たな価値が生み出されます。
例えば、スーパーマーケットの店内にある、あらゆるモノがインターネットに接続すれば、買い物のあり方が変わります。
出典:総務省
IoTの進展の背景には、2020年にスタートした「5G」があります。5Gは超高速・超低遅延・同時多数接続という特徴を持つモバイル通信規格です。これまでモバイル通信の接続先はスマホ(携帯)のみでしたが、5Gの登場によって、IoTの実現が現実味を帯びています。
もしあなたがデジタルマーケティング業務に関わっているのであれば、5Gの普及状況とIoT進展に注力しておくと良いでしょう。
IoTについて詳しく知りたい方は「
IoT開発の流れとは?エンジニアに必要不可欠なスキルも紹介」もあわせてご覧ください。
AI(人工知能)
2つめは「AI(人工知能)」です。AIをデジタルマーケティングに活用する動きは活発化しており、すでにあなたの会社でも導入しているかもしれません。
最も身近なAIはチャットボットです。チャットボットとは、Webサイト上や公式LINEアカウントなどでユーザーとおしゃべりするボットのことですが、近年ではAI搭載のチャットボットを導入する企業が増えています。
あるいは、リスティング広告の自動入札や、Amazonの商品レコメンド、ソフトバンクのPepperなどにもAIは使われています。AIは決して未来の技術ではありません。デジタルマーケティング施策を検討するうえでは、目的に応じてAIを選択肢のひとつして持っておきましょう。
近年では、機械学習・深層学習(ディープラーニング)といった技術が発展しており、AIでできることも増えています。
出典:総務省
AIについて詳しく知りたい方は「
AI導入で期待できることとは?業務拡大や改善に効果的なAIの導入方法」もあわせてご覧ください。
XR(VR・MR・AR)
3つめは「XR(VR・MR・AR)」です。VR・MR・ARの総称がXRで、それぞれの意味は以下のとおりです。
VR バーチャル・リアリティ Virtual Reality |
拡張現実。バーチャルの世界に、まるで現実と錯覚するような仮想空間を創り出す。 |
MR ミックスド・リアリティ Mixed Reality
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複合現実。現実空間と仮想空間を併存させる。 |
AR オーグメンテッド・リアリティ Augmented Reality
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拡張現実。現実の風景のうえに、バーチャルな視覚情報を重ねて表示する。 |
5Gに代表されるインターネット回線の高速化により、XRを商品・サービスやプロモーションに活用する事例が増えていくでしょう。
例えば、VRでECサイトの商品を試用できるようにする、店頭の看板をスマホから見られるARにする──など、アイデア次第でさまざまな利用法が考えられます。
デジタルマーケティングを担当される方は、アンテナを張っておくことをおすすめします。
デジタルマーケティング実践に関する注意点
最後に、デジタルマーケティング実践に関する注意点を2つ、お伝えします。
デジタル知識よりもマーケティング理解が重要
1つめの注意点は「デジタル知識よりもマーケティング理解が重要」ということです。
デジタルマーケティングの分野では、とにかく新しい用語がたくさん出てきます。英語やカタカナ語だらけです。一生懸命に覚えることは素晴らしいことですが、重要なのは「それがマーケティングの実務に使えるかどうか」です。
デジタルマーケティングを実践するうえでは、新しいデジタル知識を蓄積するよりも、マーケティングの理解が重要と心得ておきましょう。新しいデジタル技術が登場しても、マーケティングの理解さえしっかりしていれば、やることは変わりません。使う道具が変わるだけです。
マーケティングの基本に自信がない方は、ぜひ「
マーケティング基礎」の記事もあわせて読んでみてください。
デジタル技術面は専門家のサポートを得る
2つめの注意点は「デジタル技術面は専門家のサポートを得る」です。
デジタルマーケティングの担当者は、デジタル技術について専門的な深い知識を持つ必要はありません。最低限の概念だけキャッチアップできていれば、実務では十分に通用します。
ただし代わりに、デジタル技術の専門分野は、専門家のサポートを得ましょう。自分でわからないことは、その道のプロに頼るのが一番です。
具体的には、デジタルツールを提供するサポート会社やシステム会社と協働して、デジタルマーケティングを進めることが、デジタルマーケティングで成果を挙げるために重要です。
具体的なデジタルツールや支援企業は「
デジタルマーケティングのお役立ち資料」で紹介しています。あわせてご覧ください。
まとめ
デジタルマーケティングとは、デジタルを活用して売れる仕組みを作ることです。デジタルマーケティングで重要視されるのは「ユーザーの行動データ」となります。
デジタルマーケティングという言葉がよく使われるようになった背景としては、OMO(オンラインとオフラインの融合)とDX(デジタルトランスフォーメーション)を押さえておきましょう。
デジタルマーケティングの代表的な5つの手法として以下をご紹介しました。
- コンテンツマーケティング
- SNSマーケティング
- ダイレクトマーケティング
- MA・SFA・CRM
- デジタル運用型広告
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デジタルマーケティングには、以下の3つのメリットがあります。
- データ分析をもとに最適な施策が打てる
- 多様なユーザーに最適化できる
- 省人化できる
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これからのデジタルマーケティングでは、以下のキーワードに注目です。
- IoT(モノのインターネット)
- AI(人工知能)
- VR・MR・AR(仮想現実・複合現実・拡張現実
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デジタルマーケティングを実践するうえでは、次のことに注意してください。
- デジタル知識よりもマーケティング理解が重要
- デジタル技術面は専門家のサポートを得る
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デジタルマーケティングは、どんな企業にとっても欠かせないものとなっています。本記事が、あなたのデジタルマーケティングへの取り組みを深めるきっかけとなれば幸いです。
ぜひ、具体的にあなたが現在取り組んでいる業務に、今日からでも、デジタルマーケティングの考え方を取り入れてみてください。まずはユーザーの行動データに着目するところから、始めてみましょう。