サーチターゲティングは、Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)で「過去に特定のキーワードを検索した人」に対して、広告を出す手法です。そのため、サーチターゲティングを使う上で最も重要なのはキーワードの選び方です。
そこで今回は、「サーチターゲティングという方法を聞いた事はあるけど、実際はどうなの?」とお考えのWeb担当者様向けに、の活用ポイントをプロとしての運用の経験を基にまとめました。
※本記事は2014年5月21日に公開された記事を再編集したものです。
1. サーチターゲティングとは、「過去に検索したキーワードを使って、ターゲティングができるYahoo!ディスプレイアドネットワークの配信方法」
「サーチターゲティング」とは、ユーザーが検索したキーワードを利用し、ターゲティングを行い、Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)の枠に広告出稿する手法です。
実際に、過去に該当のキーワードで検索をした人に広告を出すことができるので、検索連動型広告でのターゲットと同じ
“ニーズが顕在化した層”へアプローチができます。
▼サーチターゲティングの仕組み
例えば、Aさんが、Yahoo! JAPANで「インターネット広告」と検索を行いました。広告主Bさんは、サーチターゲティングでキーワード「インターネット広告」と登録をしておきます。
「インターネット広告」と検索をしてから30日間、Aさんには、広告主Bさんの広告が表示されます。
サーチターゲティングの配信ルール:部分的に一致したキーワードでも広告を出せる
2016年3月にサーチターゲティングのルール変更がありました。
この変更によって、サーチターゲティングでは「広告主が設定したキーワードと全く同じキーワードで検索した人以外にも広告が表示される」ようになりました。
▼サーチターゲティングの広告配信ルール
◎広告が表示される場合
①広告主が設定したキーワードと全く同じキーワードで、ユーザーが検索をした場合
例)広告主の設定「インターネット広告 種類」
→ユーザーの検索「インターネット広告 種類」
②広告主が設定したキーワードの順番違いで、ユーザーが検索をした場合
例)広告主の設定「インターネット広告 種類」
→ユーザーの検索「種類 インターネット広告」
③広告主が設定したキーワード+違うキーワードで、ユーザーが検索をした場合
例)広告主の設定「インターネット広告 種類」
→ユーザーの検索「インターネット広告 種類 市場」
※この場合どういうキーワードをユーザーが使用した時まで広告が配信されるのかは、キーワードによって異なります。
×広告が表示されない場合
・広告主が設定したキーワードの一部だけで、ユーザーが検索した場合
例)広告主の設定「インターネット広告 種類」
→ユーザーの検索「インターネット広告」
2. サーチターゲティングで使うキーワードの3つの選び方(競合名、BIGキーワード、関連キーワード)
サーチターゲティングは、以前に検索されたキーワードをもとに広告を出す手法です。そのため、キーワード選びが何よりも大切です。
ここでは、サーチターゲティングを設定する時にプロが行うキーワードの選び方を3パターンご紹介いたします。
選び方①:競合名キーワード(同業他社に興味がある人へ広告を配信する)
競合のサービスを検索する人は、自社と競合のサービスを比較していることがあり、購買意欲が高い可能性があります。そのため競合名は、まず最初にサーチターゲティングではおすすめしているキーワードです。
もちろん競合も、同様に自社のサービス名をサーチターゲティングに登録している可能性があります。そのためサーチターゲティングで競合名を設定をする場合は、自社のキーワードも必ず登録しておいてください。
ただし競合名によっては、効率が悪い可能性もあります。そのため
①最初にできるだけ多くのキーワードを選んで広告を入稿する
②広告の成果を見て、後から効果の悪いキーワードを削っていく
というのがおすすめの流れです。
ちなみに教育業界の事例サーチターゲティングで一般キーワードを使った場合と競合他社名を使った場合では、獲得率に約3倍もの違いが出ました。
キーワード例)
人材業界=リクルート
婚活関連=オーネット など
選び方②:BIGキーワード(検索ボリュームが大きい単体のキーワード)
BIGキーワードとは、「検索ボリュームが大きい、業界やビジネスの中での重要なキーワード」です。1語であることも多く、よく検索されるキーワードであるため、関心が高い層を広くターゲティングできます。
また年々、検索連動型広告でクリック単価は上昇しています。そのため、比較的クリック単価が安いサーチターゲティングでBIGキーワードの設定することは、近い層にアプローチをしつつ、費用を押さえることにつながります。
効果的に設定するためには、
①BIGキーワードで想定されるキーワードすべての入稿を行う
②その中から効果の悪いキーワードを止めていく
というプロセスが王道です。
ただし、多額の予算を投下することが難しい場合は、以下の③で紹介している「関連キーワード(検索連動型広告の獲得効率の良いキーワード)」から優先的に実施を行いましょう。
キーワード例)
人材業界=転職活動
ブライダル関連=結婚指輪
司法書士業界=過払い、自己破産
選び方③:関連キーワード(検索連動型広告で効果が良かったキーワードを検索した人にアプローチ)
ここでの関連キーワードとは検索連動型広告で獲得単価の効率が良かった2語の組み合わせのキーワードを定義しています。2語目には地域名などを使うこともあります。
しかし、①競合名・②BIGキーワードよりも検索ボリュームが少ないため、2語でかけあわせをした関連キーワードを実施する優先順位は下がります。ただし、関連キーワードで効率よく獲得が見込めることもあるため、優先順位は低くてもサーチターゲティングをやるならば、やるべき施策と言えます。
キーワード例)
婚活関連=お見合い 茨城 など
3. サーチターゲティングを設定する4つのステップ
下記がおおまかなサーチターゲティングの登録の流れです。
①サーチキーワードリストを作成
②サーチキーワードを入力
※ターゲットとしているユーザーが調べる可能性が高いキーワードを入力
③使用するサーチキーワードを選択
④キャンペーンと広告文(orバナー)を選んで、広告配信を開始
それでは、次に具体的な登録方法を紹介いたします。
(1)サーチキーワードリストを作成
管理画面から、YDN>アカウント管理>サーチキーワードリスト管理を選択します。
その後、「+サーチキーワードリスト作成」をクリックすると、リスト作成画面に移ります。
(2)サーチキーワードの入力
サーチキーワードリストに関しては検証を行っていくため、分かりやすいリスト名で作成することがポイントです。
サーチキーワードは、前章で説明した通り、ターゲットとしているユーザーが検索する可能性が高いキーワードを入力します。
登録したキーワードについて、登録できるキーワード一覧が出てくるので、この中から追加したいものにチェックを入れて、「サーチキーワードリスト作成」というボタンをクリックすれば完了です。
※広告管理ツール上にでてくる「リーチ数」というのは、そのキーワードで過去一年検索したユニークユーザー数です。リーチ数が少ない場合など、登録できるキーワード一覧に表示されませんので、広告掲載ができません。
その後、キャンペーンと広告文(orバナー)を選んで、広告を配信します。
4. サーチターゲティングを使う時忘れてはいけない2つの注意点
注意点1:ボリュームが小さいキーワードは使えない。
サーチターゲティングは、全てのキーワードが使用できるわけではありません。使えるキーワードは、YDNの中で決まっており、その中から広告配信を希望するキーワードを選択します。
こちらを調べるには、前章で説明したサーチキーワードの入力の画面を使用します。
もし掛けあわせキーワードで広告の配信ボリュームが少なく配信できない場合は、BIGワードでの広告配信をするなど、キーワードで調整をしてみてください。
注意点2:除外キーワード設定はできないので、拡張される範囲には注意!
サーチターゲティングで設定したキーワードは全く同じではなくても、広告が配信されます。しかし、どのような掛けあわせキーワードまで広告が表示されるかはわかりません。
さらにサーチターゲティングでは「このキーワードには広告を出さないという設定(=除外キーワード設定)」は、使用できません。
そのため、まずはBIGワードで広告を配信してみて、思ったよりも拡張し過ぎたら、掛け合わせキーワードを選んでいく、などのチューニングが必要です。
5.まとめ
今回、サーチターゲティングについて簡単に紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか。
もし、YDNをやっていて、まだサーチターゲティングを実施していないご担当者様がいらっしゃいましたら、ぜひ実施をしてみてください。
<注意事項>
※機能や仕様は予告なく変更される可能性があります。
※例示している画面はイメージです。