Webでのマーケティングの必要性は感じつつも、なかなか挑戦できないという方は多いのではないでしょうか?投資する費用やかかる時間や人材を考えると、その一歩を踏み出すのは勇気がいるものです。
そこで今回はWebでのマーケティングに取り組み始めて3ヶ月で、Webからの問い合わせ数を6倍と大きく伸ばすことに成功した株式会社BNGパートナーズの代表取締役社長の藤田健太郎さんとWebマーケティングのサポートをしている藤城さつきさんに、Webマーケティングへの挑戦の裏側を伺ってきました。
LISKUL編集部:株式会社BNGパートナーズ様は、一体どういう事業をされているのでしょうか?
藤田さん:BNGパートナーズのBNGとは、「馬鹿が日本を元気にする」の頭文字です。私たちBNGパートナーズのミッションは、「一人に一つの志を持ってもらうこと」。志というのは「人生を懸けてでも成し遂げたいこと」だと定義しています。
私たちはビジネスの市場を「志を知らない人」「志を知っているけど、持つ楽しさを知らない人」、そして「志を持っている人」の3つに分けております。そして志を持っている人をベンチャー企業の経営者と定義しております。ベンチャーの経営者はまさに、「やる気が溢れでてしまって起業してしまった馬鹿な人」という感じですね。
そういった経営者の志実現を支えることで、一緒に働くメンバーやサービスを受け取った消費者、メディアでその社長の生き方や考え方を知った方などに志を持つきっかけになれば、と考えています。
そんな志を持つ人を支えるために、
同じ志をもつ仲間の採用を支援するヘッドハンティング事業、そして資金調達や認知度向上のためのマーケティング支援、M&A支援などの経営戦略を支援する事業も行っています。
BNGパートナーズ様では、名刺の真ん中にそれぞれの志を書いているそう。藤田さんの名刺に書かれている志は、入社した当時から変わらないそうです。
LISKUL編集部:その中でも、今回はヘッドハンティング事業に絞ってWebマーケティングに取り組まれたと伺いました。具体的にはどのような課題を感じて、Webマーケティングに力を入れるという決断にいたったのですか?
藤田さん:感じていた課題はいくつかありますが、まずは「
従来の候補者集客構造に限界を感じていたこと」です。具体的には、自社のホームページやイベントによる集客と、提携先のデータベースを活用した候補者集客になります。
これまではヘッドハンティング業界の中でもニッチャーだったので、良いサービスを展開することで市場シェアを獲得してきました。しかし、ここ1~2年で、ベンチャー企業のヘッドハンティングではトップシェアを誇るにまで成長し、顕在化している候補者獲得だけでは事業拡大が望めません。その課題を解決するため、マーケティングに取り組んだのがきっかけになります。
行動していく中で一番の気づきは、「
市場シェアに合わせてマーケティング戦略を変えなければならない」ということです。
詳細は非公開ですが、年間の転職者数は約300万人のうち、弊社のターゲットであるベンチャー企業の経営幹部(年収1000万円以上)の比率はとてもわずかなのです。
先ほども申しあげましたが、「ベンチャー企業の経営幹部(年収1000万円以上)」というニッチな市場においてBNGパートナーズの市場シェアはリーディングカンパニーと呼べる比率にまで達しており、顕在している市場を開拓していくだけでは成長余地が見込めない状況に陥りつつあるということです。
実際、ベンチャー界隈では高い知名度を誇っているものの、これからベンチャーに飛び込もうと考えている潜在候補者にとってはまだまだ認知度が低い。
そこで、私たちの感じているベンチャーの良さや、志、人生をかけて働く価値観を対面だけではなく、多くの人に見てもらえる形で伝えるためにはどうしたらいいのか?を考えて、Webマーケティングへ取り組むことを決めました。
その後、初めは専門家であるCMO(最高マーケティング責任者)を自社で採用をしようと考えていました。結果としては、なかなか戦略と実行、そしてベンチャーへの理解などの能力を兼ね備えた方にお会いすることができませんでした。最終的には、以前に仕事でご縁があったWebマーケティングのプロの方にお声をし、Webマーケティングの代理店も交えたチームをつくり、本格的にこの取り組みをスタートさせました。
サイトリニューアルとネット広告で、問い合わせ数は6倍になり、質も向上
LISKUL編集部:実際にWebマーケティングに取り組んでみて、結果はいかがでしたか?
藤田さん:結論から言えば、「ものすごく良かった!」です。
まず今回のWebのマーケティング施策を行う前後を比べると、3ヶ月で問い合わせ数が6倍と大幅に伸びました。
さらに、Webからお問い合わせを頂く方は僕達の想いや志、という考え方をご存知の方が多い傾向がでました。これはWebでしっかりと情報を伝えたことにより、弊社の考え方と合わない方がスクリーニングされたからなのではないか?と考えています。
LISKUL編集部:短期間で素晴らしい成果ですね!具体的にはどういった施策を行われたのでしょうか?
藤田さん:行ったことは、「Webサイトのリニューアル」と「ネット広告」の2つです。
自分たちが押し出したいメッセージを考え、①魅力的な独自の求人 ②“志“というキーワード の2つのメッセージでの効果を、ヒートマップツール(※Webサイトのどこに注目がされているか?を調べるツール)を使って検証しました。
実際に行われたヒートマップの図。赤くなっているところほど、注目が集まっています。
検証の結果、Webサイトに来る人はまず「掲載されている求人の内容」に注目し、その後で「志という価値観」のページを見る、という流れが弊社の勝ちパターンであるとわかりました。そもそもヒートマップツールの存在も知らなかったので、ここまで調べられることに驚きました。
そのあとは広告で流入を増やすための、自分たちのターゲットに刺さる表現の選定を行いました。最初は年収・案件のポジション・面接の同席率などを押し出していましたが、最終的には自分たちのお客様に合った訴求を知ることができました。
実際に使われていたバナー。訴求を変えたことにより、Webからの問い合わせの質がぐっと上がったそう。
「スペシャリストの意見に反対をしないこと」と「仮説をもつこと」
LISKUL編集部:Webマーケティングの成功のために意識したことはありますか?
藤田さん:2つあります。1つ目は、「
スペシャリストの意見に反対をしないこと」です。
これまでの経験から現場感覚がある方がちゃんとしたジャッジができると考えていましたし、外部のプロフェッショナルの方の意見に余計なことを言ってうまく行かなくなる、ということはよくあります。はずせない部分や基本はきちんと伝えた上で、「スペシャリストの意見に反対をしないこと」には気をつけていました。
また外部の専門家の方々が入ることで、「私たちが言いたいこと」ではなく、常にターゲットである「応募者がどう感じるか?」という視点でアドバイスをいただけたのも非常に良かったです。
2つ目は、「
仮説をしっかりともつこと」。
Webマーケティングでは、仮説の検証が重要です。どれだけデータが取れても、それがどういう仮説に基づいたものなのか?が明確でなければ、検証ができません。今回は、外部のプロフェッショナルの方の意見もあり、仮説を持てたのがとても良かったと思います。
Webマーケティングの取り組みで生まれた、会社全体への好影響
LISKUL編集部:今後やりたいことや、Webマーケティングにこれから取り組みたい企業さんに向けてのメッセージがあれば、お願いします。
藤田さん:まず、Web上の求人票の内容を充実させて魅力的にしていきたいと思っています。あと、実は一度広告を止めてみようと考えています。それは弊社の「広告を出さない状態だとどれくらいの人が来るものなのか?」という自社の自然なWebでの存在感を測りたいから。その結果アクセス数が伸びていたとしたら、広告による認知が伸びた、などと考えることもできます。あとはWebサイト自体も、多くの方がもっと自分から使いたくなるようなものになるように構想を考えています。
実際に取り組んでみて感じたのは、Webでのコミュニケーションは、「正直」だということ。例えば、対面営業では、話が面白くなくても、聞き手が盛り上げてくれたりして「うまく行っている」と勘違いすることもあります。
しかし、Webではユーザはつまらなかったらすぐにページを離脱しますし、その行動データがとても正確に取れます。そのデータをから、実際の対面営業に活かすこともできます。それだけでも、良い投資だった、と思います。
また問い合わせ数の伸びだけではなく、社員もWebサイトやランディングページのために写真を撮られたり、自分のプロフィールを外に載せたりしたことで、少し意識が変わりました。弊社の認知度が上がれば、さらに社員の自覚も上がっていきますよね。ぜひ、そういうお得な効果もあるので、悩んでいるならばWebマーケティングには取り組んでみればいいと思います。
今回のWebマーケティングへの取り組みは、私たちがこれから目指すより高い目標への下準備、重要な第一歩となりました。
LISKUL編集部:ありがとうございました。
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いかがでしたか。初めてWebマーケティングに取り組む場合でも、成果を出すことは無理な話ではありません。
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