CRMを重視するべき、というのはビジネスの現場でよく聞くと思います。しかし、本当にCRMという言葉の意味をわかっていますか?難しく聞こえますが、実は私たちの生活の中に身近に溶け込んだマーケティング手法です。
今回は、どこよりも簡単にCRMの意味とその本質的なメリット、デメリットを解説し、活用事例をまとめました。さまざまな業態での事例をまとめたので、みなさまのビジネスでもご活用ください。
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CRMとは、「顧客の情報を収集・分析して、もっとも効果的な顧客アプローチをする手法」
CRMとは「Customer Relationship Management」の略語で、
「顧客ひとりから得る収益(顧客生涯価値)の最大化を目的に、顧客の情報を収集・分析して、最も効果的な顧客アプローチをする仕組み」のことです。
そのためには、
・顧客情報の収集する
・顧客情報をセグメント購買履歴などからセグメントする
・それぞれにあったアプローチをする(広告、ダイレクトメール、クーポンなど)
ことが必要になります。
具体的には、ポイントカードなどをイメージしてください。例えば、Tポイントカードは、コンビニでも、レンタルビデオショップでも使うことができます。
そうすると、
・Tポイントカードに登録した個人情報
・だれが、どこで何を購入したか?
などの情報を収集してデータベースをつくることができます。
データを持つ会社は、その顧客情報を分析して、セグメントに分ければ、
・誕生日の人に、コンビニでクーポンを発行する
・一人ひとりの志向に添った情報提供や、
・いつもコーヒーを買う人に対して、メールアドレスに基づいたネット広告を出稿する
・過去に購入した商品に関連したダイレクトメールを送る
なども、できるようになります。
「CRM=ITツール」ではない!でも、CRMとITツールは切り離せない関係
CRMを実現するITツールを、「CRMシステム」と呼びます。CRM=ITツールだと思われている方がいます。正式には、CRMは「お客様のデータを集めて分析し、それぞれの顧客に適したアプローチをする方法」のことで、ITツールだけをさすわけではありません。
しかし、「顧客の情報を集めて、分析して、最適なアプローチをする」という今では当たり前の仕組みは、ITのシステムの発達とともにできました。そのため、CRM=ITツールというイメージが浸透しました。大量のデータを蓄積・管理できるようになった“今”だからこそ、CRMは当たり前のように大切にする必要があります。
CRMシステムを使うべきではない企業とは?
さまざまな種類があり、多くの企業が活用できるCRMシステムですが、その特性上あまり合わない企業もいます。
①活用する現場のITリテラシーや導入意欲が著しく低い場合
経営層がどれだけCRMシステムを導入したくても、結局活用をするのは現場です。
そのため、現場がITシステムへの抵抗が大きかったり、活用をしていく意識が低かったり、リテラシーが高くない場合は、どれだけコストをかけて導入をしても活用できないこともあります。現場のリテラシーや温度感、導入の際にどういうことをする必要があるのか?など、しっかりと現場と確認をしておきましょう。
②関係のある顧客の数が、管理が難しくない程度の場合
あくまでもCRMは、顧客のデータを集めて分析し、顧客ごとに合わせたアプローチをする手法です。そのため、その元となる顧客のデータがあまりにも少ない場合や、少ない状態で成り立つ形式のビジネスをしている場合は、CRMはあまり適していません。
まずおさえておくべき!CRMのメリット・デメリット
一見、万能に見えるCRM。しかし、そこにはもちろんメリットと、その裏返しのデメリットがあります。
メリット
①戦略的な営業・マーケティング活動が行える
情報を整理することで、より細かい顧客の実情に基づいたマーケティングや営業活動をすることができるようになります。個別のお客さんだけが持っている特性に見えても、実は一歩引いた観点で見ると複数のお客様がもっている特徴という場合もあります。
②効率的に顧客満足度の向上が図れる
お客様の情報を管理することで、同じ条件のお客様がどういったことに興味を持つのか?などを分析でき、よりそれぞれのお客様に対応したサービスを提供することができるようになります。顧客側からすると、一括で興味がない情報を送られるのではなく、自分の興味があるものや関連するものの情報を入手することができるため、鬱陶しさが軽減されます。
デメリット
①導入・維持にコストや手間がかかる
新しいものの導入には目に見える金銭的なコスト以外にも、工数的なコストは必ずかかります。
特に、これまで顧客情報を管理していた部署や既存のシステムの運用者からすれば、非常に大変です。
金銭的なコストだけではなく、その現場に実際にCRMを使う余裕があるかどうか?は必ず確認しましょう。
②すぐには効果が見えず、ある程度売上向上のなどの目に見える形で成果がでるには時間がかかる。
導入にも時間がかかり、施策を打つにも時間がかかります。CRMは、データを完璧に管理分析して自動で売上をあげる魔法のツールではありません。ただ導入するだけではなく、現場が使いこなすまでの時間も考慮して、価値の判断をするようにしてください。
CRMとSFAとMA(マーケティングオートメーション)の違いとは?
CRMとSFAとMAはよく比較されるシステムです。結論として、「お客様の情報を溜めて活用する」という視点でこの3つは全て同じものです。
しかしそれぞれのツールによって、目的や視点が異なります。
大雑把に言えば、
・CRMは、顧客の情報を管理するためのツール
・SFAは、営業の方が活動をしやすく、受注をしやすくするためのツール
・MAは、マーケティングにおいて顧客の情報を活かすツール
です。
ツールによっては、もちろん複数の役割を兼ねている場合もあります。それぞれのツールの根本的な思想の違いによって機能の得手・不得手も異なってきます。
具体的な機能の得手不得手は、下の図を参考にご覧ください。
▼機能としてのMA、CRM、SFAの違い
引用:MAとSFAとCRM どのシステムを導入すべき?|株式会社 サンブリッジ
CRMツール活用していくために押さえておくべき3つのポイント
なんのために、CRMを使うのか?の目的は明確に!
前述の通り、CRMは顧客を管理分析して売上につなげる、という考え方ですが、すべてができる万能なものではありません。
一言で、顧客管理と言っても、それぞれの企業が抱えている課題は千差万別です。そのため、CRMの導入を検討する場合は、どういう課題を解決するために使うのか?なんの目的で導入するのか?は、クリアにしてください。
沢山ツールはあるけれど、どれがいい?機能と価格のバランスを取ろう
CRMには、SFAとしても、MAとしても使えるようなツールはたくさんあります。しかし、多機能なものほど、もちろん価格は高価に。そこで、費用対効果のバランスを取るためにも、自社の目的達成にあった機能をもったツールであるか?その課題の解決に対する費用対効果はどうか?は必ず調べてください。
社内での根回しが重要。システム管理社員と現場の連携はできる?
特に、社内で戦略を考え実行するマーケティングチームと、社外で活動をする営業チーム、そして顧客のデータベースを管理するシステムチームの連携は重要です。実際に活用をする前に、必ず現場の社員との連携ができるか?巻き込んでいるか?は意識してください。
まとめ
いかがでしたか?難しそうに聞こえる「CRM」ですが、実はとても身近な考え方です。これを機に、ぜひ活かしていってください。
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