検索エンジンからアクセス数を集めるために、SEO対策は誰もが取り組む手法。上位に表示されれば、インパクトが大きく、Webマーケティングにおいても効果は絶大です。
しかし、競合やアルゴリズムの変化によって、いきなりアクセス数が減少してしまったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
留学サポート事業を展開している株式会社トリプルファーストも、以前は自然検索からの流入がメインでしたが、アルゴリズムの変化でアクセス数が減少。新たな戦略として、リスティング広告を活用することで、アクセス数の減少をスピード解決しました。
今回は株式会社トリプルファーストの創業者であり、代表取締役社長の中川友康さんに、リスティング広告の活用法について伺いました。
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自身の経験をきっかけに始めた留学支援サービス
留学ドットコム 株式会社トリプルファーストでは、留学・ワーキングホリデー希望者へ向けて事前相談や渡航の手続きのほか、現地での生活や帰国後の就職まで一貫したサポートをしています。 起業のきっかけは自身の留学経験から。中川さんは、大学卒業と同時にオーストラリアに留学したといいます。 もとから留学を考えていたわけではなかった中川さん。大学卒業間近まで進路を悩んだ結果、「後ろ向きに就職を決めるのではなく、自分で進路を切り開きたい」という思いから留学に行くことを決意したそう。 出発までとにかく時間がなかったため、ほとんど何の準備もないままでの留学だったといます。苦労したことも多かったそうですが、その結果として留学支援サービスの必要性を感じて起業に至りました。中川さん:起業時は現地の大学院に在学中だったため、オンラインを通じてオーストラリアに留学を希望する日本のお客様とやりとりをしていました。しかし、拠点がオーストラリアでは、お客様が現地に着くまでインターネット上のコミュニケーションが基本です。不安になる場面も多いだろうと感じました。 そこで、face to faceでの支援をするために、日本に帰国し、国内でのサービス展開にシフトしました。ここで「株式会社トリプルファースト」を立ち上げました。サービスの対象国をオーストラリアから全世界へと広げ、説明会なども積極的に開催していく中、「やはり、対面から与える安心感や信頼性を実感した」という中川さん。さらに、留学経験を活かして帰国後の就職サポートをスタートさせました。
中川さん:留学は「行っただけでおしまい」になってしまいやすく、その後のキャリアプランになかなか直結しにくいのが現状です。そのため、帰国後の就職に不安を抱えている方も少なくありません。そこで、留学の相談から帰国後の就職まで一貫したサポートをし、キャリアに繋がる留学を提案したいと思ったんです。 また、取り扱い国が幅広いことで、複合的な提案ができるのも自社の強みだと感じています。このようなサービスが実現できたのも、日本に拠点を置いたからこそだと思います。
検索アルゴリズムのアップデートで見えたWebマーケティングの課題
とはいえ、実際にお客様と顔を合わせるまでに、Webを活用した集客は必要不可欠。留学先でITを学んでいたこともあり、当初は自然検索流入に絞ったWebマーケティングを社内でしていました。 しかし、Googleのアルゴリズムのアップデートに伴い、今まで流入を見込めていたキーワードでは上位に表示されなくなってしまったと言います。 次第に検索結果やホームページの露出が不安定になるように。そこで自然検索以外のWebマーケティングにも力を入れることになりました。 ただ、自社で始めてみたものの、効果的な手法がわからなからない上、最適な設定をするためにかかる工数が多く、なかなか事業と並行してできるようなものではないと感じました。 留学サービスと同じように、対面でのコミュニケーションは大切なこと。そこで、コミュニケーションの多さが一番の決め手となってソウルドアウトとの取引を開始しました。中川さん:担当者の方は特に留学に対する知識がなかったそうですが、独自で学ばれて、国や世代による客層などもチェックした上で、毎回改善案を提案してくれています。 ユーザーデータや留学業界の動向などを反映し、常に成果を良くするため提案があり、息の長いマーケティング戦略として、まさに求めていたものでした。
自社に合わせた戦略を共に考えてくれるパートナーの重要性
トリプルファーストでは、留学先の各国の特徴に合わせて、リスティング広告の広告文やリンク先の変更、ターゲットの詳細設定といった戦略を立てています。中川さん:リスティング広告の配信自体は、社内でもできるものです。しかし、自社に合った効果的なやり方をきちんと見極めないと効果を得にくいもの。そのため、自社に合わせた戦略を共に考えてくれるパートナーがいるのは、助かっています。留学するまでにある程度の時間を要するだけに、即効性を期待できる業界ではありませんが、広告による効果を実感する場面はあるとのこと。
中川さん:実は、景気が良くなると留学希望者が少なくなる傾向にあるんです。景気が上向きの現在は業界的に見ても検索数自体が減少し、資料請求などの問い合わせに繋がる率も下がります。 しかし、それでも問い合わせの数がさほど減っていないのは、リスティング広告の成果だと感じています。年齢層や職種など、毎回のミーティングを通して細かなターゲット設定などについても話し合ってきました。そういったことが、功を奏しているのではないかと思います。また、資料請求1件あたりの獲得単価は、以前に比べて半額近くまで抑えられています。 費用面やビザの関係などで留学できる場所は人によってさまざま。そのため、国ごとに適切なターゲットを設定し、有効な情報に絞って伝えられるリスティング広告はマッチしていると感じているそうです。 しかし自然検索の流入に頼っていた以前は、リスティング広告などのWeb広告は最適な方法が分からないこともあって、費用対効果が悪いと感じていたそうです。 現在は自社のビジネスに合った配信方法が分かり、自社に合った手法と感じるようになりました。 今後は、留学を希望する人々に最適な情報を届けられるよう、リスティング広告に限らず、SNSやコンテンツマーケティングなど他の戦略も視野に入れていく予定だといいます。
中川さん:金銭的な投資で短期間の施策をしても、一時的な効果しか見込めません。リスティング広告と並行しながら、今後はユーザーのためになる情報を発信して、アプローチしていきたいですね。