インターネット上にあるコンテンツには著作権がない、写真には著作権がない、など、一部でまことしやかに語られる著作権についての諸説紛々。これらの真相はどうなのでしょうか?実はこれらは、著作権に関するよくある間違いのひとつです。
本記事ではビジネスシーンで写真を使う際に注意すべきポイントを中心に、写真ライセンスビジネスの老舗エージェンシーが培ったノウハウを基に、トラブルにならないために事前に確認すべきことや避けるべきことを解説します。
ケーススタディを交えながら初心者でも著作権の基礎がわかるように説明します。「いまさら聞けない」と思っていた基本を改めて確認できるだけでなく、日常の業務に潜むリスクとトラブル回避のポイントをご紹介します。
本記事の注意ポイントを押さえておくだけで、写真使用にまつわるリスクをグッと減らすことができるので、ぜひ最後まで目を通してください。
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※本記事は株式会社アマナ提供によるスポンサード・コンテンツです。
インターネット上にある写真にも著作権はある
Webサイトに写真を使いたいとき、Google画像検索などを使って写真を探してみることも多いと思います。しかし見つけた画像をそのまま使えるわけではありません。 インターネット上にあるコンテンツや写真には著作権がない、と思っている人がいますが、これは間違いです。インターネット上に表示されていたとしても著作権はなくなりませんし、写真にも著作権があります。まずは著作権の基本を解説!
著作権とは著作物を排他的に利用する権利のこと
そもそも著作権とは「思想または感情を創作的に表現したもの(著作物)を排他的に利用する権利」です。知的財産権の一つである「著作権」には、財産権としての側面のほか、人格権の一つであり、著作者の名誉、意思を守るための「著作者人格権」があります。 著作者人格権では、創作したものを公表するかどうかを決定する公表権、氏名表示の有無を決定する氏名表示権、勝手に改変されないための同一性保持権があります。 一方の著作権には複製したり、上演したり、インターネットに掲載したり、二次的著作物を創作する権利など、さまざまな形で著作物を利用する権利があります。著作物とは思想または感情を創作的に表現したもの
著作物には、小説や詩なとの言語の著作物、音楽の著作物、舞踊・無言劇の著作物、美術の著作物、建築の著作物、地図・図形の著作物、映画の著作物、写真の著作物、コンピューターなどのプログラムの著作権があります(著作権法第10条)。 これらはすべて“表現された”ものであり、有形無形を問わず表現(アウトプット)がなくては著作物とは言えません。アイデアは著作物ではない
逆に著作物として認められないものは、表現される前のアイデアや、単なる事実の伝達、ありふれた短い表現などです。 例えば、ある小説の設定が似ているからといって、文章や具体的な表現が同じでなければ著作権侵害にはあたりません。ただし、「パクリ」疑惑や炎上は時には大きなダメージを伴いますので、可能な範囲で避けた方がよいでしょう。写真も著作物
著作権法第10条8項に定められている通り、写真も著作物として認められています。 場合によっては著作物であるための条件として創作性が問われるケースもありますが、創作性の有無を判断することは非常に難しいので、基本的には写真はすべて著作物と考えた方が無難です。インターネットに写真をアップすることは公衆送信にあたる
上記の著作物、例えば写真や文章がインターネット上にあるからといって、著作権がなくなるということはありません。むしろ、インターネット上にある画像を勝手にコピーした場合には複製権、さらにそれを自分のサイトに掲載した場合には公衆送信権の侵害となりますので、注意しましょう。危険!著作権侵害のリスクとは
では、上記の著作権を侵害した場合、どのようなリスクがあるのでしょうか? 実は、著作権侵害は刑事罰の対象にもなる重大な違法行為です。もちろん、権利者に対しては民事的責任を負いますし、何よりも一度損なわれた信用を回復するのは容易なことではありません。著作権侵害で負うべき民事的・刑事的責任
損害賠償、差し止めなどの民事的責任
もしあなたが著作権侵害をしてしまった場合、最悪の場合は権利者から訴えられる可能性も。損害賠償請求や、使用の差し止めはもちろん、世の中に出回ってしまった場合、莫大な費用をかけて回収しなければならなくなる可能性もあります。法人が負う刑事的責任は3億円以下の罰金
さらに、著作権侵害は被害者が告訴すれば刑事罰の対象にもなり、10年以下の懲役と1,000万円以下の罰金のいずれか、またはその両方が科せられる可能性があります(著作権法119条1項)。 また侵害したのが法人の場合はさらに厳しく、3億円以下の罰金が科せられることも(著作権法124条)。インターネットで手軽に画像がコピーできるようになり、著作権トラブルは急増
インターネット上で簡単に画像を検索、コピーできるようになったことで、安易な気持ちでそれを使ってしまい、トラブルになることも。 写真の無断使用に対して、写真家や写真素材エージェンシーが法的措置をとることも少なくありません。もしも他者の著作物を使ってしまい権利者からの警告を受けた場合、速やかに対応しましょう。訴訟にまで発展したケースもありますので、誠意をもって対応することが肝要です。ビジネスシーンで安全に写真を使う方法
著作権を侵害しない、というのはビジネスシーンに限ったことではありませんが、特にビジネスシーンでは会社の信用にかかわることなので、細心の注意を払うべきです。そこで、ここからは安全に写真を商用使用する方法を紹介したいと思います。安心なのは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスや写真素材サイトの活用
最良の方法は、もちろん自分の写真を使うこと
一番安全な方法は、新規で撮影するか、自分で撮った写真を使うことです。ただ、すべての写真を自分で用意するのはそう簡単ではありません。それに、写っている被写体の権利確認など、自前の写真といっても解決しなければならない問題が多く、プロの力を借りなくては安心して使えません。クリエイティブ・コモンズ・ライセンスという方法がある
インターネットなどで画像を検索すれば使いたい写真が見つかった場合、サイトの管理者などにコンタクトを取り、許諾を得て使用するという手もありますが、画像を掲載している人が写真の著作権者であるとは限らないので、きちんと許諾を得ることは容易ではありません。 そこで活用したいのが、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスです。クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは、著作者がどのような条件であれば自分の著作物を自由に使ってよいかを示したもので、その条件を守れば許諾なしに著作物を利用できます。ただし、検索できるツールなどが限られていますので、欲しいイメージを見つけるのは苦労するかもしれません。 クリエイティブ・コモンズ・ライセンスについて詳しく知る写真素材(ストックフォト)サイトを活用しよう
簡単に写真を探すなら、写真素材サイトの活用が最適です。無料の素材サイトはもちろん、1点数百円から購入できる低価格帯のサイトもたくさんあります。これらの写真素材サイトであれば、比較的容易に写真が検索できますので、時短にもなります。写真素材(ストックフォト)サイトを活用するために知っておくべきこと
写真素材サイトでは、ユーザーが広告、出版、Webなどさまざまな用途に使うためのレディメイドの写真素材(サイトによってはイラスト、動画も取り扱う)が検索、ダウンロードできるようになっています。 サイトによって、無料サイト、有料サイトがあり、用途によって使いわけることも可能です。このような便利な写真素材サイトですが、上手に活用するために押さえておくべきポイントがあります。無料素材サイト、有料素材サイト、それぞれの特長と注意点
無料素材(フリー素材)は著作権フリーではない
無料素材サイトの魅力は、なんといっても無料で素材を使えるということです。俗にフリー素材と呼ばれることもありますが、気を付けなければならないのは、無料(フリー)だからと言って著作権フリーなわけではない、ということです。サイトごとに定められた規約を守って使わなければ、トラブルに発展することもあるので注意しましょう。 また、サイトや素材提供者によっては、商用利用を禁止している場合や、トリミング等の改変が禁止されている場合もあります。利用規約をしっかり読んだうえで利用するようにしましょう。予算が許せば、安心なのは有料素材
有料素材の場合、あらかじめ素材として利用されることを前提としているため、常識の範囲内で利用する限りでは、トラブルになることは多くないでしょう。例えば、人物写真の場合、ほとんどの有料素材サイトではモデルと肖像権使用同意書を交わした写真を取り扱っているため、被写体とトラブルになることは殆どありませんが、無料素材の場合はそこまで確認されていないことも。 写真に予算を割くことが難しい場合でも、最近は1点数百円から購入可能なサイトがありますので、数百円で安心を買うと思って活用してみるのもいいでしょう。安く大量の写真を使いたい場合にはサブスクリプションサービスを利用すれば、1点あたり数十円程度に抑えられるので、とても便利です。もちろん、広告のメインビジュアルに使えるようなハイクオリティな素材を扱うサイトもありますので、用途や予算に応じて探してみましょう。ほとんどのサイトで禁止されていること
公序良俗に反する使用、ポルノや出会い系サービスでの使用、暴力団関連での使用、その他違法行為に該当する案件での使用は、有料・無料を問わず殆どのサイトで禁止されています。 また、写真素材をそのまま転売することや、写真素材の全部または一部を商標やその他のサービスマークとして登録することも禁止されている場合が多いでしょう。 写真素材を使用する際は、常識の範囲内で適切に使う、ということを心がけましょう。まとめ
- 著作権とは「思想または感情を創作的に表現したもの(著作物)を排他的に利用する権利」のことで、写真や文章がインターネット上にあるからといって、著作権がなくなることはない。
- 著作権を侵害した場合、損害賠償などの民事的な責任はもちろん、権利者に告訴された場合には刑事罰の対象にもなる。
- ビジネスシーンで安全に写真を使う方法は、自前のものを使うか、権利者に許諾を得るか、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスを活用するか、写真素材を使うかのいずれかだが、最も安全で手軽なのは写真素材。
- 写真素材を使う場合、無料素材の場合も著作権フリーではないので、しっかり規約を確認して利用する。
- ビジネスシーンで頼れる有料素材は価格帯もさまざま。広告のメインビジュアルなら、高価格でもクオリティの高いサービスを、オウンドメディアなどで大量に使用する場合はサブスクリプションがおすすめ。