「物理サーバーがリースアップ・保守切れを迎え、オンプレミスのVMware vSphere環境をクラウドへ移行することを検討している。ただ、やったことも無いので、どんな手順で進めればよいのか、どんな課題があるかよくわからない…」
最近、このような声を多く聞くようになりました。
そこで、本記事では、クラウド移行のトレンドから、導入に向けた課題や社内の立ち回り方、VMware vSphere環境のシステムをそのままクラウドに移行するポイントまで、クラウド界隈のご意見番がズバリ本音でお答えいたします。
VMware vSphere環境からのクラウド移行にまつわる疑問や課題について、スッキリ解決できますので、ぜひご覧ください。
また「クラウド移行がなぜ必要なのか」「どうすれば移行できるのか」について、わかりやすく解説した「
クラウド移行ビギナーズガイド」もあわせてご用意いたしました。無料でダウンロードできますので、参考にしてみてください。
VMware vSphere® ユーザーのためのクラウド移行ビギナーズガイド(無料)
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※本記事は富士通クラウドテクノロジーズ株式会社提供によるスポンサード・コンテンツです。
0.話し手のご紹介
(右)五月女雄一氏:富士通クラウドテクノロジーズ株式会社クラウドサービス事業本部プリンシパルエンジニア
(中央)宮原徹氏:日本仮想化技術株式会社代表取締役社長 兼 CEO
(左)吉荒祐一氏:ヴイエムウェア VMware Cloud Partner Program スタッフクラウドソリューションアーキテクト
1.クラウドは本格的な普及期へ
-まず近年のクラウド移行の状況についてお聞かせいただけますか?
富士通クラウドテクノロジーズ 五月女氏:
最近では、基幹系システムのクラウド移行についての案件が増えています。体感としては7割から8割が基幹系システムの相談です。
ちなみに、クラウドが本格的にサービスとして登場した当初は、ゲームベンダーなどのアーリーアダプターからの引き合いが多かったですね
ここ数年は、クラウドorプライベートで比較するのではなく、プライベート、オンプレミスを適宜使いつつ、ハイブリッドクラウドを成立させる流れに傾いていると感じます。
VMwear吉荒氏:
クライアントの要望が、より具体的になったというのは私も感じています。すでにクラウドサービスは広く普及しており、本格的にクラウド環境へ移行していないクライアントでも、気が付かないうちにクラウドサービスを使っています。
例えば、オフィス系のソフトウェアをクラウドサービスで一元化している企業が増えましたよね。このような状況の中で、クラウド移行は止められない流れだと考えています。
日本仮想化技術 宮原氏:
私もお二方と同じような印象を持っています。以前は「クラウド化するかどうか」を迷っていたクライアントが多かったものの、最近は具体的なプロセスや課題をもちかけられることが増えました。
2.クラウドへの反発をどう説得するか?
-クラウド化が当然の流れであり、複数のメリットがあるなかでも、まだクラウド移行に対する反発があるという声も聞こえてきます。こういった反発をおさえるには、どのような説得が効果的でしょうか?
日本仮想化技術 宮原氏:
一般的には「きっかけ」を上手く利用すべきだと考えています。何の問題もなく稼働しているシステムに、突然クラウドを押し付けても、現場の反発は大きくなるだけです。無理にクラウド移行を推し進めるのではなく、システムのライフサイクルや新たなビジネス展開など、さまざまな区切りに従えば、反発は小さいのではないでしょうか。
また、貴重なIT人材がより生産性の高い仕事に注力するために、社内のITインフラにかかえる人的コストを軽減したいといった説得も有効でしょう。
攻めのIT投資へ比重を傾けるための手段としてクラウド移行を推奨すれば、理解を得られやすいと思います。
さらに、コストやセキュリティ単体で説得するよりもBCP(事業継続性計画)やDR(災害復旧)まで含めた広い視点で比較してみせる方法もおすすめですね。
開発手法についても、クラウド移行でより効率的な手法に変えられる可能性があります。「文化」や「風潮」を変えるきっかけとしてクラウド移行を推奨するというイメージです。
富士通クラウドテクノロジーズ 五月女氏:
そうですね、基幹システムのように企業活動の中核を担うシステムでは、かならず何らかの「区切り」があります。それをクラウド移行のきっかけにできれば、反発は最小限に抑えられると思います。
VMware吉荒氏:
また別の対策として、クラウド移行がセキュリティ向上の鍵になることを理解してもらうという方法もあります。クラウドサービスに対し、セキュリティ面の不安を唱えるユーザーは少なくありません。しかし、実はオンプレミスでもクラウドでもセキュリティ対策としてやるべきことは同一なのです。
クラウドを利用したほうが「ユーザーの責任範囲における対策のみ」になり、自社単体ですべてを賄うオンプレミスよりも、セキュリティコストは下がります。この差を理解してもらうことが重要ではないでしょうか。
参考:
VMware vSphere® ユーザーのためのクラウド移行ビギナーズガイド
3.スピード感と具体性のある提案が重要
-次に実際に導入を推進するSlerの視点から伺います。SIerはユーザー企業に対し、クラウド移行をどう促すべきでしょうか。
日本仮想化技術 宮原氏:
システムの刷新期に合わせて、具体的かつ魅力的な提案が出来るかが肝要だと思います。加えて、スピード感も重要ですね。プロトタイプでも良いので、とにかく動くものを見せていくことが大切です。
ユーザー企業側も、最近はより具体的な目的をもってクラウド移行を検討しています。
「とにかく何か提案して」という待ちのスタイルの企業は減ってきていますね。従来のウォーターフォール的な段階を踏んだ提案よりも、アジャイル的な要素が好まれているといえるでしょう。意思決定が早くなっているので、それについていくスピード感が重要なのではないでしょうか。
富士通クラウドテクノロジーズ 五月女氏:
確かにスピード感は大事ですよね。また、最近では、ユーザー企業の事業部門がクラウド移行に積極的だと感じています。そこを攻めるべきはないでしょうか。提案はできるだけは早めにすべきですね。他のクラウドサービスを使うSIerに先を越されてしまう可能性がありますから。
4.困難と言われ続けた基幹システムのクラウド移行について
-次に基幹システムのクラウド移行についてお伺いします。これまで基幹システムはクラウド移行には不向きであると言われることもありました。基幹システムのクラウド移行について現状を教えてください。
富士通クラウドテクノロジーズ 五月女氏:
すでに大手銀行の基幹システムがクラウド移行を完了している状況であり、適・不適を論じる段階ではないと思います。クラウド移行によって、拠点の分離やDBの最適化など、可用性は向上しています。また、オンプレミスへの投資に比べてコストが小さいことも見逃せませんね。初期投資はかかりますが、そもそもランニングコストがオンプレミス環境よりも小さいため、投資の回収が容易という状況です。
日本仮想化技術 宮原氏:
私も同じ意見です。少し言い方を変えると、「システムとビジネスのずれ」のほうが深刻な問題だと考えています。クラウドへの適・不適ではなく、既存の基幹システムが現状のビジネスに最適化されていないことが問題ですね。
技術的な進歩によりオンプレミス・クラウドのハイブリッド環境を選択しやすくなっています。そのため、システムの種類によってクラウド・オンプレミスを区別する必要性が薄らいでいるわけです。また、開発者や設計者が既にリリース(現場を離れている)済みという状況では、システムがブラックボックス化し、メンテナンスやカスタマイズが難しくなります。さらに、システムで使われている言語の仕様的な限界をどう克服するか、といった問題も出てくるでしょう。
富士通クラウドテクノロジーズ 五月女氏:
こういった「システムとビジネスのズレ」を克服するには、無理に既存の基幹システムをクラウド化しないことも大切だと思います。既存の基幹システムは、単にデータの保管庫として維持し続ける。さらにそのデータを使って新しいクラウド環境を作る、という選択肢もありますから。
例えばAPIで連携しながら少しずつ移行するなど、ビッグバン的な移行よりも現実味を重視した手法を選択すべきではないでしょうか。
基幹システムは部分ごとに開発・リリース・刷新時期が異なるという性質を持っています。この性質に合わせ、部分的にクラウド移行を進めていくという方法もあるわけです。お金やモノが直接絡まない部分からクラウド化していき、オンプレミス環境とシームレスに連携しつつ、最終的なクラウド移行へと進むべきではないでしょうか。
5.「VMware環境をそのままクラウド移行」できるニフクラ
-このようにクラウド移行にはさまざまな課題があるなかで、「オンプレミスのVMware vSphere環境をそのままクラウド移行する」という方法があると聞きました。この方法のメリットを教えていただけますか?
富士通クラウドテクノロジーズ 五月女氏:
VMware vSphereで仮想化されたオンプレミス環境をそのままクラウドヘ移行できれば、保守運用作業自体が大幅に軽減できるでしょう。
元々VMware vSphereで仮想化された環境は、サーバーやネットワーク機器などの物理リソースを効率的に利用できるうえ、サーバーの集約が余剰設備の削減や管理の容易化につながるというメリットがありました。しかし、それでもオンプレミス環境である限りは、サーバー自体の管理が必要です。また、ハードウェアの保守期限によるリプレースや、OSのサポート期限の問題、担当者の退社によるスキル・ノウハウの消失などが問題になりがちです。この点を解決できるのが、クラウド移行だと考えています。
参考:VMware vSphere® ユーザーのためのクラウド移行のポイント
VMware吉荒氏:
たしかに、「VMware vSphereのオンプレミス環境をスムーズにクラウド移行できる」という点は大きなメリットですよね。
近年は、どのクラウドベンダーもエンタープライズ用途を前提として、信頼性や冗長性の担保に注力しています。クラウドはツールとしての認知度が向上し、移行に対する抵抗感は確実に薄らいできたといえます。特にアプリケーション毎の移行の需要が高いですね。
また、世界的に普及しており実績豊富なVMwareのテクノロジーが、クライアントの安心感につながっているとも感じています。特にニフクラは、VMwareのOVFファイルがそのまま動くという特長がありますから。
さらに、ネットワークの仮想化技術の進歩で、クラウド移行後のVMware vSphere環境とオンプレミスのVMware vSphere環境の連携がスムーズになったこともメリットだと考えています。
富士通クラウドテクノロジーズ 五月女氏:
金銭的・人的コストがかからないこともメリットだと思います。「ひとり情シス」という言葉が流行しましたが、IT人材の確保はどの企業でも非常に難しい課題です。よほど規模の大きい企業でなければ、高度なセキュリティ対策を施しつつハードウェアやOS、アプリを一式そろえるのは困難ではないでしょうか。
日本仮想化技術 宮原氏:
そういう意味では、人や予算が少ない企業ほど、クラウド移行を検討すべきです。VMware vSphereベースのクラウド利用で、少ない人数でもごく簡単に環境構築やメンテナンスができます。さらにVMware vSphereで仮想化されたオンプレ環境をそのままクラウドへ移行・利用すれば、限られたリソース(スキル)で保守、運用が可能になるわけです。
富士通クラウドテクノロジーズ 五月女氏:
例えば、新規ビジネスを展開する事業部門では、成功するかわからないビジネスの初期投資をできるだけ抑えたい、というのが本音でしょう。そこにVMware製品とクラウドの需要があります。VMware製品がしっかり動くクラウド環境を使うことで、既存ビジネス部分はオンプレミス、攻めのITの部分(新規ビジネスや具体的に収益をあげるビジネス)はクラウド+VMware製品という切りわけができるわけです。さらにこの2つをシームレスに連携し、社内全体の作業効率化につなげるというのが理想かもしれませんね。
6.クラウドありきの状況で見直される「基本」
-最後に、VMware vSphereベースの環境をクラウドへ移行にするのに適したクラウドサービスの選び方について教えてください。
日本仮想化技術 宮原氏:
自社サービスのみで囲い込もうとするアプローチはおすすめしません。
単一のベンダーに依存しすぎると、ビジネスの変化についていけなくなる可能性があるからです。例えば、プライベートクラウドをうたいつつも、データセンターやハードウェア、アプリケーションまでを限定されてしまうと、クラウドを選択する意味が薄れてしまいます。
富士通クラウドテクノロジーズ 五月女氏:
確かにそうですね。クラウドの強みは可用性の高さと柔軟性です。あえてマルチベンダーにすることでリスクヘッジや柔軟性、可用性の高さを維持するという視点が重要だと思います。そういう意味では、ユーザー側もクラウドベンダー各社のサービスを良く知っておくべきかもしれませんね。
VMware吉荒氏:
確かに、マルチベンダーを意識することは大切ですね。特定のベンダーが提供するサービスに依存せず、身の丈にあったサービスプロバイダーを選ぶべきでしょう。既存のシステムのどの部分を移行し、どういうプロセスで移行するのかを共に考え、実行できるパートナーを見極めるべきだと思います。
クラウドサービスの利用が当然の時代になっていく中で、ベンダー選びは重要な課題です。システムの付加価値をどう向上させるか、オンプレミス並みのセキュリティをどう実現するかといった事柄に注意すべきですね。
日本仮想化技術 宮原氏:
ベンダー選びでミスをしないためには、理想とするシステム全体から必要なサービスを考える「俯瞰的な視点」を持つことが重要だと思います。クラウドorオンプレミスという単純比較からの脱却をおすすめします。
富士通クラウドテクノロジーズ 五月女氏:
ニフクラではVMwareとパートナー契約を締結しており、世界的に評価されているVMwareの高い技術力を応用したサービスが提供できます。また、クラウド移行という分野で8年間の実績があり、オンプレミス環境の設計を最大限に考慮したクラウド移行が強みです。無料の相談を設けているため、クラウドベンダー選びで悩んでいるようなら、まずは気軽に相談してみてください。
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※本記事は富士通クラウドテクノロジーズ株式会社提供によるスポンサード・コンテンツです。