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ビッグデータ活用事例10選│売上向上・コスト削減事例まとめ

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photo by mugley

近年、「ビッグデータ」というワードがビジネス界で飛び交っていましたが、結局それがどのように活用され、どのような成果を上げているのかという具体的な事例を目にすることは少なかったように思えます。
そこで、ネット上に存在する売上向上やコスト削減につながるビッグデータの活用事例を集めてみました。

ビッグデータに詳しい方は利用方法のいちアイディアとして、ビッグデータの内容を知らない方はどんなものなのかを理解するために、ご一読いただければと思います。

1. ダイドードリンコ:アイトラッキング分析と
購買データの組み合わせで売上が前年比1.2%増

ユーザーは左上ではなく、下段を見ていた

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ダイドードリンコはZの法則に従い、主力シリーズ「ブレンドシリーズ」を左上に配置していました。
しかし、自動販売機にアイトラッキングを取り付けて調査したところ、自動販売機に限っては下段に視線が集まることが分かりました。
そして、下段に主力製品を配置したところ、売り上げが前年比1.2%増となりました。

このように常識と考えられている事柄も、ビッグデータを分析することで覆る可能性があります。

出典:ビッグデータマガジン|これまでの常識をくつがえすビッグデータ分析シリーズ ~第一回:常識にとらわれない発見で売り上げ増加~

2. TRUE&CO:自分の体ににあったブラをオンライン購入できるシステムを開発

TRUE&CO(https://trueandco.com/)は、過去の顧客の注文と返品データを分析することで、メーカーによるサイズのばらつきなどを数値化し、オンラインで、自分の体にフィットするブラジャーを購入できるシステムを開発しました。
ユーザーは初回アクセス時に日頃着用しているブラジャーのブランド名とサイズ、好みのフィット感、服のサイズなどの情報を入力することで、以降は、その人にフィットする商品のみが表示されます。

このように、精度の高いパーソナライズを実現するためにもビッグデータは活用されています。

出典:ビッグデータ活用で売上を伸ばすオンライン小売業の成功事例

3. スシロー:皿にICタグをとりつけ、レーンに流れる寿司の鮮度や売上状況を管理し売上向上

スシローはすべての寿司皿にICタグをとりつけ、レーンに流れる寿司の鮮度や売上状況を管理しています。
どの店で、いつどんな寿司がレーンに流されいつ食べられたのか、どのテーブルでいつどんな商品が注文されたのかなどのデータを毎年10億件以上蓄積することで、需要を予測し、レーンに流すネタや量をコントロールしています。

スシローのケースのように需要を予測することは、ビッグデータの代表的な使い方のひとつと言えます。需要を予測するということは、機会の獲得や無駄コストの削減につながるため、直接的に利益に跳ね返ります。

出典:アシスト|ビッグデータの高速分析で、隠れていた課題や問題点を可視化回転寿司業界のNo.1を支える迅速な経営判断と店舗オペレーションを実現

4. GEO:王道的なビッグデータのクラスタリングでテコ入れ

GEOは会員向けアプリをリニューアルすることでビッグデータを取得し、他社のネット通販やVOD(ビデオ・オン・デマンド)などの攻勢に立ち向かっています。
具体的なデータの利用方法としては、会員を「趣味別」及び「売上貢献別」にクラスタリングすることで、趣味に応じたクーポンの発行やメールを送付し売上の向上を測ったり、新作DVDの仕入れを最適化しています。

このケースでは、個人の趣味と、同じ趣味を持つ人の傾向を蓄積することで、各々に最適なレコメンドを提供するCRMの一部としてビッグデータが活用されています。

出典:IDEAim|BusinessMemo4|マーケティングにおけるビッグデータの位置付けを整理する(ゲオホールディングスの場合)

5. ローソンが売上31位のほろにがショコラブランを売り続ける理由

ローソンはポンタの導入により、ビッグデータの分析が進んでいます。
ほろにがショコラブランが「1割のヘビーユーザーが6割の売り上げを占めている」と分かりました。
その分析結果をもとに、リピート率の高いほろにがショコラブランは、今も継続的に販売されています。

このケースでは、ビッグデータを活用することで、短期的に見ると売上の低い商品を、他の商品と比較しつつ長期的に観察することで、仕入れの最適化を行っています。
扱う商品数が増えれば増えるほど、仕入れの管理は困難になるため、効率よく仕入れの最適化を行う上で、ビッグデータを活用が重要性を増してきます。

出典:feedforce全力ブログ|今注目をあつめる「ビッグデータ」活用事例

6. 大阪ガス:コールセンターの依頼内容から修理に必要な部品を割り出す

大阪ガスは、過去数百万件にわたる修理履歴や機器の型番データを保有しています。また、コールセンターに寄せられる給湯器などの修理依頼の内容も同時に蓄積しています。
これらの情報を組み合わせることで、ケースごとに必要となる部品を自動的に割り出すことに成功しました。

このケースでは修理作業員が行う作業を自動化するためにビッグデータが活用されています。人件費はサービス業においてウェイトが重いため、非常に有効な活用法であると考えられます。

出典:IT Leaders|ビッグデータを価値につなげる活用事例15(その1)

7. 城崎温泉:観光客のニーズをつかみ売上増

城ヶ崎温泉は、携帯電話やスマートフォンをお財布代わりに使えるシステムを導入することで、観光客の利用履歴を蓄積し、定量的な分析を行いました。
何時頃に観光客が多いか、人の組み合わせは親子連れが多いのか、男女ペアが多いのか、また、どこの外湯が一番人気なのかなどを分析することで、より効果の高い施策を実施したり、温泉街の街づくりやサービス、広報の方法などの改善につながりました。
また、花火など観光客が立ち止まって楽しむイベントよりも、灯篭流しなど観光客が街を歩くイベントのほうがお店の売上増に貢献するという発見もされました。

このケースでは、ビッグデータを活用しユーザのニーズを見極めることで、彼らに対して行う施策の取捨選択や最適化を図っています。

出典:salesforce|ビッグデータ活用の本質とその進め方~城崎温泉の事例にみるデータ活用のポイント~

8. タクシー乗務員用アプリで機会獲得&業務効率化

株式会社開園システムは、タクシー業界向けにビッグデータを活用したアプリを提供しています。
GPSで蓄積された過去の乗車位置を、月・曜日・時間帯別に地図上に表示したり、リアルタイムの実写位置を表示したりすることで、どこで顧客が増えているのかが把握できます。
また定期的に長距離の乗車する顧客の曜日や時間を割り出すことで、長距離乗車目的の顧客を効率よく獲得することができます。
稼働中の車両の位置、状態を地図上に表示し、条件にあった車両の検索、お客様からの迎車依頼に対して、お客様に近い順の通知することで配車係のコストも削減しています。

上記のケースでは、ビッグデータをスマホやタブレット向けのアプリと組み合わせることで、GPSを活用した情報を取得しています。

出典:IT批評|ビッグデータ有効活用で売上はまだ伸びる! 論より証拠。発案者自身が乗務し、結果を出した仕組みの提供開始

9. 犯罪データを蓄積して、未然に予防

アメリカ カルフォルニア州オークランドは全米屈指の犯罪都市で、観光客や、市民が犯罪に巻き込まれないための注意を呼びかけるシステムにビッグデータを活用しています。
犯罪の種類別(殺人・強盗・から泥酔まで様々)、日にち別、時間別に、フィルタが可能で色別に確認することができ、一見してその日その時に危険な場所を特定できるため、利用者は危険を避けることが可能となります。

このように一般人が利用する公的なシステムにもビッグデータは活用されています。
Oakland Crimespotting: Map

出典:OptDataScienceLab|犯罪をゼロにできる!?場所や種類が一目でわかる犯罪MAP

10. 楽天:レコメンドだけでなくランキングの更新頻度とジャンルの細分化で売上向上

代表的なレコメンド機能を活用するだけで30%の売上向上が可能と言われていますが、楽天は更新頻度の短縮と、ジャンルの細分化を試みて大きな成果をあげました。
これはビッグデータを分析することで、ランキング頻度が高いほど売上は増加し、ジャンルが細かいほど全体の売上があがるという結果に基づいた改善施策です。

情報の更新頻度が高いほどサイトへの信頼感が増すことは利用者の誰しもが漠然と感じているかと思いますが、それを数値として確認できるのもビッグデータの恩恵といえるでしょう。

出典:流通BMS.com|楽天の執行役員がビッグデータでEコマースの売上げを急伸させた秘策を公開 ――流通システム標準普及推進協議会 2014年度通常総会――

おまけ. データを扱う上での注意点

定量だけでなく定性的なデータも見る必要がある

デ-タを活用する上で定性的なデータも非常に重要な役割を担います。数字だけを分析していても結局何が起こっているのかを正確に把握することは困難です。

定性的なデータを調べるためには行動観察が効果的です。
【LISKUL】行動観察で分かる! ユーザー行動の「なぜ」

相関関係ではなく因果関係が重要

さまざまなデータの変動からその変動の原因を探る際、複数の事象の「相関関係」を探るのではなく、「因果関係」を見出すことが重要です。
一見相関性があるデータも擬似相関である可能性があるので、目的と仮説をもって検証を行い、因果関係を見出しましょう。

出典:ZDNetJapan|達人が教える、わかりやすいデータ分析の考え方

まとめ

本記事ではビッグデータの活用方法をご紹介させていただきました。ビッグデータは、様々な業界で売上増、コスト削減、業務効率化などの目的のために活用されています。

使い方次第で絶大な効果を発揮するビッグデータですが、数字ばかり見ていると一見相関性があるように見える擬似相関などに騙されてしまう可能性があるので、分析には注意が必要です。
活用の際には目的や仮説を持ち、擬似相関に騙されることなく因果関係を見極め、成果につながる施策につなげましょう。


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