昨年よりジワジワと注目を浴びだした「Web接客」というマーケティング用語をご存知でしょうか?既にツール会社各社がオリジナルなWeb接客ツールをリリースし、多くのECサイトがこのツールを導入し購入率を改善しています。
恐らく今後はこのWeb接客ツールの導入によりWebサイトにおける個々のユーザーへの最適化合戦が始まります。本記事ではそもそも「Web接客」とは何かから各ツールの違いを徹底的に分析し、自社サイトに導入するならどのツールが最適かを丁寧に解説致します。この動きに遅れないよう概念理解や今市場にどのようなツールがあるのかを知っておきましょう。
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図のようにWeb接客ツールを用いると、同じサイトを見ているユーザーでも、個々のユーザーに合わせて異なるページを表示できます。リアルタイムで来訪パターンや会員情報を用いてユーザーを分析し、サイト上でも一人ひとりに合った接客をすることでCVに繋がります。サイトを離脱後に、メールなどでプッシュ通知をしユーザーとコミュニケーションをとることができます。
引用:平成 26 年度我が国経済社会の情報化・サービス化に 係る基盤整備 (電子商取引に関する市場調査)|経済産業省
EC市場は成長していますが、その分競合も増加しています。なので、新規ユーザーの獲得が難しい状況です。そこで各企業はWeb接客ツールを導入することで、ユーザーをサイト上でおもてなしをし自社サイトを選んでもらおうとしています。
具体的には来訪者の行動を分析し、各ユーザーセグメントごとにオススメ商品やキャンペーンのご案内を自動化し、最終的なCVRを向上することが目的です。
引用:統計からみた我が国の高齢者(65 歳以上)|総務省
高齢者は若い人と比較して自由にサイトを閲覧・回遊・購入することがまだまだ難しい状況です。そこでWeb接客ツールを用いることで高齢者をスムーズにサイト内を案内するできるため、導入が増えています。
引用:【速報】KARTE TALKリリース!サイトの外でも個客最適化を実現|ECのミカタ
「Web接客」とはWebサイトでも個々のユーザーごとに接客をおこなうということ
Web接客(別名:リアルタイム接客)とは、一言で言うと「Webサイトでもリアル店舗と同様に個々のユーザーごとにおもてなしの接客をおこなうこと」です。 リアル店舗では必ずお客様がご来店されたら「いらっしゃいませ」というご案内ではじまり、未会員の人には「今会員になっていただくと今回のお買い物から10%割引になりますよ」であったり、何か商品を探していると「何かお探しですか?よろしければご案内いたします」といった接客対応がされているはずです。 リアル店舗ではこのようにお客様によってそれぞれコミュニケーションが最適化されていますが、これをそのままWebサイト上でも実施していこうというものが” Web接客”という概念です。今「Web接客」が注目されている3つのポイント
1.BtoCのEC市場規模が急成長し競争が激化している
経済産業省が2015年5月に2014年の日本のEC市場などに関する市場調査を発表しています。この調査によると、BtoC-EC 市場規模は前年比 14.6%と急成長していることがわかります。2.高齢者のECサイト利用率も5倍に向上した
平成 27 年9月 20 日に総務省が発表した「統計からみた我が国の高齢者(65 歳以上)」調査によれば高齢者世帯のネットショッピングの利用は12 年間で5倍に増加したと報告されています。3.IT技術の進歩により細かいユーザー情報の取得・分析が可能となった
今来店しているお客さん全員の属性や購買モチベーションが全く同じということはありえません。もしもリアル店舗で30人のお客さんがいたとしても全員に対して同時に接客対応することは不可能でしょう。しかし今のITの技術を使えばサイト上で30人を性別・年齢・来訪回数・購入有無・会員/非会員・滞在時間の取得・可視化がリアルタイムで可能です。このWebならではの特徴を活かすことで最終的な新規ユーザーの獲得やCVRの向上が期待されているのです。2つのメリット:CVRの向上と離脱率の低下
1.ユーザーに最適な接客を行うことでCVR30%向上
皆さんの中には「接客ツールを導入することで本当に成果が改善されるの?」と疑問を持たれる方もいらっしゃると思います。サイトへの訪問者をリアルタイムに可視化し、会員登録や購買に繋げるためのWeb接客「KARTE」を提供しているプレイド社が公開したデータによればWeb接客ツールを用いることで「ユーザーのサイトへのロイヤリティーに関わらず、CVRが平均30%高い」という結果が出ています。つまり個々のユーザーに最適な接客を行うと成果が改善されるということを証明していると言えます。2.離脱率が40%低下
代表的なWeb接客ツールの1つである「Flipdesk」の実績の一つとして離脱率が約40%減少したデータがあるそうです。例えばユーザーがブラウザを閉じようとした際にポップアップを表示することや「購入を迷っているユーザーのみにクーポンを配布できることも可能です。このようにWeb接客ツールは離脱率の低下にも貢献できると期待されています。 引用:ECサイトのコンバージョン率アップの切り札となるのか - Web接客サービスの究極の「おもてなし」|ECCLab「ポップアップタイプ」と「チャットタイプ」2つのWeb接客ツール
ユーザーをリアルタイムでセグメントし、ユーザーごとに最適な接客をする「ポップアップタイプ」
Web接客ツールの種類には「ポップアップタイプ」「チャットタイプ」の2種類が存在します。まず「ポップアップタイプ」とは、ユーザーの属性・購入履歴・閲覧履歴・利用デバイス・SNS情報・滞在時間・IPアドレスなどをリアルタイムで可視化・セグメントし、それらユーザーごとに最適な接客(ポップアップ)を実現するツールです。※ポップアップ例
例えば未会員ユーザーには会員登録のご案内・滞在時間3分以上のユーザーにはクーポン配布等、複数のユーザーに対して複数の接客を行うことでCVRを改善します。ユーザーの質問に素早く対応する「チャットタイプ」
一方「チャットタイプ」はサイトの右下にチャットを実装し、今来訪しているユーザーに対して接客(対話)を実現するツールです。Webサイトはリアル店舗とは異なり、分からないことがあっても店員さんが存在しないためそのまま離脱してしまう可能性があります。まさにこの課題を解決するのがチャットでユーザーの質問に対して素早く対応することで離脱を防ぎ、CVRを改善します。※チャット例
引用:Chamo