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行動観察で分かる! ユーザー行動の「なぜ」

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行動観察で分かる! ユーザー行動の「なぜ」

皆さんは「行動観察」という言葉をご存知でしょうか?
近年ビジネスにおいて、「ビッグデータ」という言葉が世間を賑わせていますが、それと並んで注目されている分析手法です。
行動観察の結果、「売上が大きくアップする」等の事例も増えています。

本記事では、なぜこの「行動観察」という手法に注目が集まっているかを、事例や考え方とともに紹介いたします。

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※本記事は株式会社ポップインサイト提供によるスポンサード・コンテンツです。 ※本記事は2014年9月3日に公開された記事をLISKUL編集部にて再編集したものです。

行動観察とは

行動観察は「定性分析(質的分析)」と呼ばれる手法のひとつです。
簡単に定義すると「現実的な状況における、ユーザー・顧客の行動観察・ヒアリングを通じて、行動パターンやその裏にある心理を把握する手法」と言えます。

マーケティングの泰斗であるフィリップ・コトラーは「マーケティングで必要なデータは、ビヘイビア(行動)とアティテュード(態度・気持ち)の2つがあり、どちらも重要。前者はビッグデータ等の定量データでよく理解できるが、後者はデータからは分からない」と述べています。
このアティテュードを細部まで把握するための手法が、行動観察です。

Webサイト上での「行動観察」がユーザテスト

ちなみに、「ユーザテスト」や「ユーザビリティテスト」という手法は、この行動観察をWebサイト上でおこなうものです。 Web上であれば気軽に実施できるため、近年急速に広まっています。 参考:1分で始められるリモートユーザテスト「ユーザテストExpress」 では、この行動観察により、どのようなことが分かるのか?いくつかの事例とともに、見てみましょう。

ユーザー行動観察のビジネス成果事例

事例1:紀伊國屋書店で新書の売上を2.5倍に!

「ビジネスマンのための行動観察入門」等で有名な松波氏のコンサルティング事例です。
新書売上が低迷する中、いかに店舗改装するかというお題で、行動観察による改善プロジェクトがスタートします。

紀伊國屋書店での行動観察により、
・平積の書籍が低い位置にあり、わざわざ身を屈めて見ている
・新書は背表紙が薄いため、タイトルが読みにくい
・購入する人は、購入前に試し読みする傾向がある
等の気付きを得ました。

これらの気付きを踏まえた上で、
・新書が立ち読みできる背丈サイズのスタンドテーブルを置く
という改善施策を実施します。

この結果、
・売上に占める新書の占有率が、3.9%から4.2%に上昇
・書籍によっては売上が2.5倍に
等の改善成果を実現されたそうです。

参考:
ガイアの夜明け
プランニング倶楽部

事例2:自動車代理店(筆者事例)

筆者が行った、自動車保険の代理店サイト改善での行動観察事例です。

Webサイトの場合「現場(多くの場合は自宅)」への訪問は難しいため、インタビューとして来社してもらうことが一般的です。
併せて、行動しながら考えていることを呟いてもらう「思考発話」というスタイルを取ります。

実際に自動車保険を検討している方の、Webサイトでの行動・発話から、
・更新期日までに間に合うか不安
・「代理店 = 保険会社」と誤解している
・割引があるが、どのくらい安くなるか想像しづらい
・「割引 = サービス内容劣化」という誤解がある
などの心理を把握することができました。

これらの気付きを踏まえた上でWebサイトを改善することで、
・集客方法は一切変えず、Web経由問合せ数が10倍
という大きな成果を実現することができました。

参考:Web担当者Forum

これら2つの事例から、「なぜ行動観察が大事か?」という点を考えたいと思います

なぜ行動観察が成果に繋がるのか?

定量分析との違い

行動観察を実施し、思考発話(独り言)やヒアリングを行うことで、ひとり一人の文脈を踏まえながら「なぜここで戸惑うのか?」「何に困っているのか?」が手に取るように分かります。

紀伊國屋の事例では「平積み書籍の前で身を屈める」という行動と「低くて見にくい」という心理、保険代理店サイトでは「保険加入までの時間を探す行動」という行動と「更新に間に合うか不安」という心理が分かるのです。

このような、一見単純に見える行動・心理を、定量データから読み解くことは、実は至難の技です。
紀伊國屋であれば「新書が売れない」というデータ、代理店サイトであれば「直帰率が高い」「申込がない」というデータは分かったとしても、そこから上記の行動・心理と結びつけることは困難です。

この理由を語るには、あるデータサイエンティストの方の指摘が非常に分かりやすいです。

ビッグデータと聞くと、みんな「データ分析で、何か新しい発見が見つかる」と思うが、大きな間違いだ。
ビッグデータの本来の価値は、例えば「優秀な営業マンはどうアポを取っているか」といった「過去の成功パターンの抽出・裏付け」であり、無数の組み合わせの中から「未来の打ち手」を考えることは機械の仕事ではない。

他の定性分析(インタビュー等)との違い

他の定性分析との違いを考える上では、以下2つの前提が重要です。

・人は自分の要望・ニーズを全て言語化・顕在化できているわけではない。潜在心理の把握も重要
・人の記憶は曖昧である。現場だけの心理、忘れられた心理も重要

いわゆる定性分析では、インタビュー・グループディスカッション・記述式アンケートの3つが一般的です。
これらは共通して、すべて本人の言葉・記憶を頼りに「本人が言葉にできる心理」「記憶に残った心理」を把握する手法であるため、上述の2つの「潜在心理」「現場心理」は分かりません。

例えば「最近行ったデパートや百貨店について、困ったことを教えてください」と聞かれたとします。
デパートや百貨店がよほど好きでない限り、そもそも「何も困っていない」と回答してしまうでしょう。
また回答できたとしても「ある店員の対応が非常に悪かった」「欲しい商品を探せなかった」等の重大なトピックだけに留まるはずです。

しかし、デパートや百貨店やいるときであれば、
・エレベータで階層毎の店舗が見にくい
・エスカレータで昇り降りの区別がつきにくい
・トイレの場所が分からない
・子供が走り回っていて不愉快・怖い
など、困ったことは実は無数に発見できるのです。

このような、潜在的または現場でしか感じない心理を容易に把握できることが行動観察の特長です。

Webマーケティングでも行動観察は極めて有効

行動観察が注目されているのは、店舗改善やマスマーケティングでの事例が多いですが、事例2で紹介した通りWebマーケティングにおいても極めて有効な手法です。

以下、Webマーケティングにおいて、行動観察を実施する際のポイントを簡単に説明します。

ポイント1:リアルな状況設定

パソコンやスマホは自宅・職場で使われることが多いため、行Webマーケティングでは店舗での行動観察と異なり「実際の現場」ではなく、会議室や喫茶店などで椅子を並べた状態で行います。
そのため、ユーザーに対して、あたかも「自宅にいる」「あるサイトを使う直前である」という状況を現実味をもって頭の中にセットしてもらう必要があります。これを「状況設定」といいます。

このとき、よくあるNG例は、いきなり画面を出して「このサイトを自由に使ってみて」というものです。
ユーザーからすれば、「目的もなくサイトを使うことなんてないけど・・・」「何をすればいいのか、よく分からない…」と戸惑ってしまい、有益な結果は得られません。

重要なのは、ユーザーの状況やこれまでの経験を聞いた上で、その人にとって現実的な状況を設定し、使ってもらうことです。

例えば、乗換案内アプリであれば「最近、乗換案内アプリをどんなときに使ったか?」を聞いた上で、「そのときの状況だとして使ってみて」と状況設定します。
このようにすることで、実際の行動を見ることができ、それが有益な気付きに繋がるのです。

ポイント2:思考発話

行動観察の発見点を最大化するために、使ってもらっているときに「何を考えているか」を独り言のようにブツブツ喋ってもらうことが効果的です。これを「思考発話」と言います。

実際に利用シーンを観察すると分かりますが、黙ってサイト利用・アプリ利用を行っている様子を見ているだけでは「何をしてるかよく分からない」という状況になります。

思考発話をしながら使ってもらうことで「何を探してるのか」「あるページを見て、何を思ったか」等が分かり、気付きにつながりやすくなります。

ポイント3:根掘り葉掘りの質問

行動観察が終わった後は、自分が納得いくまで、その行動をした理由を「なぜ」と質問しましょう。

実際の行動を終えた上で「なぜここを押したか」「なぜこのページを見ていたのか」を繰り返し行うことにより、ユーザー自身も気づいていなかった心理や気持ちを明らかにすることができます。

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まとめ

いかがでしたでしょうか?行動観察は、Webマーケティングにおいても、とても有効な手法です。 ぜひ活用して、Webマーケティングの成果をさらに上げていきましょう。

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※本記事は株式会社ポップインサイト提供によるスポンサード・コンテンツです。


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