オフィスに出社することなく、自宅やカフェなど「remote(リモート):遠く・離れた場所」で仕事をする「リモートワーク」。
各メディアで新たな働き方の一つとして「リモートワーク」が取り上げられるなど、その注目度は年々、高まっています。
人事戦略のひとつとして、リモートワークを導入したいと考えている担当者の方も多いのではないでしょうか。しかし、理想的な働き方のようにみえるリモートワークですが、「働きやすいイメージ」にとらわれ安易に導入すると、思わぬ失敗を招きかねません。
本記事ではリモートワークについて、特徴や事例についてご紹介します。リモートワーク導入について適切に検討できるよう、この記事をお役立てください。
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※本記事はトークノート株式会社提供によるスポンサード・コンテンツです。
「遠隔で働く」リモートワークとは
リモートワークとは、「会社に出勤して仕事をする」という、これまで当たり前と思われていた働き方を見直し、働く場所や時間にとらわれない自由度の高い働き方です。
社内チャットツール、Web会議システムなどのツールの発達もあり、これまでオフィスでしかできなかった業務を、遠隔でできるようになりました。
しかし、リモートワークと一口に言っても、会社との雇用形態はどうなっているのか、出勤はどれだけあるのかといった点で、4つの種類に分けられます。
それぞれの特徴を押さえることで、どういった形で導入するか、またはしないのかといった選択の参考にしてください。
正規雇用・オフィスでも働く「ハイブリッド・リモートワーク」
正規雇用、いわゆる正社員対象のリモートワークで、基本的に遠隔で働きながら、時折出社するスタイルです。普段は在宅で仕事をして、ミーティングの時だけ出社するなどの方法があります。
「毎週月曜日は全体ミーティングで出社」など双方が運用しやすいルールを別途決めておけば、リモートワークで不安視されるコミュニケーション不足を、適度に補うことができます。
正規雇用・完全遠隔の「フルタイム・リモートワーク」
こちらも正規雇用、いわゆる正社員対象のリモートワークで、出社せず、全ての業務を遠隔で行います。
ミーティングなどもスカイプなどのチャットアプリを利用して参加するなど、出社の必要がありません。オフィスに行くことがないので、有能な人材の離職を防ぐ、有効な手段のひとつです。
家庭の事情などでの転居や、海外への移住などにも対応することができます。
外部契約・完全遠隔の「リモート・アウトソース」
正規雇用者ではない人材が、出社することなく全ての業務を遠隔で行うものです。
通常、業務委託契約を結び、ミーティングや打ち合わせなどはチャットアプリなどで対応します。
正規雇用ではないため、業務ごとの必要量に応じた発注をすることができます。評価の基準や就業ルールなど別途定めておく場合もあります。
一時的に遠隔で働く「テンポラリー・リモートワーク」
テンポラリーとは、「一時の、臨時の」という意味で、一時的に業務を遠隔で行うものです。
自宅でのオンラインミーティングなども、これに含まれます。例えば子供の病気の際に自宅で看病しながら業務を行いたい、など、突発的な状況にも対応できるのがメリットです。
リモートワークのメリット
通勤の負担を軽減
自宅や、自宅近くのカフェなどで仕事をすることで、通勤の負担から解放されます。
時間だけでなく、体力や精神力も奪われるラッシュ時の通勤は、生産性を低下させる大きな要因となっています。
リモートワークは、通勤に費やしていた時間を、睡眠や家族との時間などに使うことができ、結果的に業務の生産性向上にも繋がります。
また交通費がかからないため、経費の削減効果もあります。
優秀な人材の確保
育児や介護など、時間的な制約の発生、家族の転勤などによる通勤圏外への転居でも、リモートワークを選択できれば、離職を防ぐことができます。
企業にとって、経験値の高い人材や、優秀な人材の離職は大きな損失になります。さらに、新規採用の際も、リモートワークの環境が整っていれば、居住地にとらわれず広く募集することができます。
働く側にとっても、ライフスタイルの変化に関わらず、自分のキャリアを継続できるのは大きなメリットです。
業務に集中できる
リモートワークでは随時、業務の進捗状況や実績を報告することが重要です。過程が見えていないため、はっきりとした成果を示すことが必要になり、その緊張感により集中力が高まります。
また、同僚との雑談や、不必要な飲み会などで、作業が途切れる、時間を奪われるなどの心配もありません。
リモートワークのデメリット
コミュニケーションが取りにくい
リモートワーク導入の際、反対意見として一番多く出るのが「コミュニケーションが取りにくいのでは」ということです。
- 顔を合わせて会議した方が、活発な意見を交換できる。
- アイディアを出し合うためには、集まった方がよい。
- ちょっとした相談ができず、方向性を修正するチャンスを失う。
こうした問題は、Web会議システムやチャットツールを整備することである程度フォローできます。
「Talknote」に代表される社内SNSを活用することで、社内コミュニケーションを活性化している企業も増えています。
参考:
いい会社をつくる社内SNS | Talknote
しかし、業務によっては、週1回集まり、お互いの進捗状況を報告する時間を作るなど、柔軟な対応が必要になります。
環境整備が大変
リモートワークを導入するためには、十分な準備が必要です。
まずは業務の種類や内容を可視化する「業務の棚卸し」をします。その結果にもとづき、業務フローの見直しや、これまで紙で対応していたものをデータ化する
ペーパーレスへの移行をしていきます。
もちろんリモートワークのために不可欠なチャットツールなどの整備もかかせません。
導入前に環境を整えることは、重要かつ割愛できないためハードルが高く感じます。ですが、1つずつ解決することで、結果的に業務のスリム化に繋がり、全体の生産性が高まる側面もあります。
勤怠管理が難しい
出社した場合は、出社時間・退社時間を記録することで、労働時間を容易に把握できます。
しかし、リモートワークでは、労働時間が見えにくいため、勤怠管理が難しくなります。勤怠・労務管理ツールの導入を事前に整備をすることで、「十分に働いているのか」「逆に働きすぎてないか」までチェックできるようになります。
リモートワーク導入前に解消したい懸念点
ここまでリモートワークのメリット・デメリットについてみてきました。次は、実際に導入を進める前に、最低限、問題がないか確認したいポイントについて解説します。
セキュリティ対策は万全か
リモートワークでは、どこからでも社内の情報にアクセスする必要があるため、情報漏洩などセキュリティ面での懸念が出てきます。
研修などで、基本的なセキュリティ知識を身につけていないと、PCを紛失する・機密性の高い情報が漏洩するなどのトラブルが発生する可能性があります。
また、社外で利用する電子機器に、基本的なセキュリティソフトがインストールされていることも確認しましょう。
コミュニケーションが取れるか
リモートワークでは、同じオフィスで、顔を合わせて働く機会は大幅に減ります。ここで生じるコミュニケーション不足によって、社内の業務が円滑に進まなくなる恐れがあります。
そのため、ビデオ会議や、ビデオチャットサービスなど、遠隔で働きながらもコミュニケーションが取りやすい環境の整備が重要です。
適切な勤怠管理はできるか
リモートワークでは、勤務時間の管理だけではなく「サボっていないか」といった、数字に表れない管理者側の心配も支障をきたします。
オンラインで打刻できる勤怠管理システムや、バーチャルオフィスツールなどの利用が有効です。
「席で仕事をしているのか」お互いに状況を確認できるようにする、定時に連絡をして状況を報告するなどのルールづくりで解決できます。
リモートワークの成功事例
実際にリモートワークを導入した企業の中から、2社の成功事例をご紹介します。
株式会社キャスター
株式会社キャスターは、オンラインアシスタントサービス「CasterBiz(キャスタービズ)」を主軸事業としているIT企業です。2014年9月に創業し、従業員数は170名以上です。
導入背景
株式会社キャスターは、創業当初から、フルリモートワーク制度を導入して運営しています。
オンラインアシスタントサービスは、Web上からクライアントのビジネスをサポートします。そのため、働く場所によらず、業務を進めやすいという点があり、導入に至りました。
導入方法
出勤するのと同じように、チャットを開いて仕事の状況をそうご確認できる環境を整備しました。チャットのみによるやり取りでも、対面以上にコミュニケーション量が増える文化を醸成しています。
成果
結果として、従業員170人のうち、オフィスに常時いるのは3~5名という体制を構築できました。営業や経理といったリモートワークの対象になりにくい職種にも対応して、あらゆる職種でリモートワークを実現しています。
それによって、リモートワークでしか働くことのできない事情を持った、優秀な人材の採用を促進できました。オンラインアシスタントサービスという特性から、東京以外でも人材を確保することが大きな強みとなっています。
参考:
リモートワーク開始、導入、廃止の企業3社に聞く「リモートワーク制度導入の可能性と実現方法」 | IBASHO はたらくことを楽しむ オフィス情報メディア
エス・エー・エス株式会社
エス・エー・エス株式会社は、クラウドサービスを主軸に展開している情報通信業です。
導入背景
女性社員の採用が増えていて、産休や育休取得の希望も増えることが予想されました。また、非常時に事業がストップしてしまう恐れもあります。
その解決する方法としてリモートワークの導入が検討され、制度を細かく調整しました。
導入方法
勤続1年以上などの定められた条件を満たし、会社が承認した者をリモートワークの対象としました。
一部社員がVPN接続によるモバイルアクセスをおこなっていましたが、テレワークを実現する環境として新たに仮想デスクトップ環境を構築しました。打ち合わせも、コミュニケーションツールを利用し、カメラを使って顔を見ながら資料を共有できるようにしました。
成果
業務内容を整理し、システム環境面の整備も進んだことで、リモートワークでも、資料作成や問い合わせ対応、システム開発、会議といった業務を滞りなく実施しています。
チャットでのコミュニケーションは、電話よりも時間を取られることなく、作業しながらできるので、効率よく業務を進められました。また、集中して業務をすることができて、創造力が高まったというフィードバックが社内から多くあがりました。
参考:
総務省 導入事例検索|テレワーク情報サイト
リモートワークの失敗事例
意思決定が遅れ事業の成長が鈍化した
リモートワークの導入により、業務の意思決定が遅れた失敗事例です。
チャットやビデオ会議のツールを整備し運営を始めたものの、コミュニケーションを活発にとるのが難しく、考えていることがうまく伝わりません。
実際に会って話すときに意思決定をしようと判断を先延ばしにし、意思決定のスピードが大幅に遅くなりました。結果、事業も伸びず、従業員の満足度が下がったことで、リモートワークの廃止に至っています。
参考:
リモートワーク開始、導入、廃止の企業3社に聞く「リモートワーク制度導入の可能性と実現方法」 | IBASHO はたらくことを楽しむ オフィス情報メディア
環境が整わないうちに導入してしまった
準備が整っていない状態でリモートワークを導入して、機能しなかった事例です。
資料共有・進捗管理・勤怠管理をすべて、紙ベースで行う運用が続いていたため、遠隔で働く際に、必要な情報を共有できない事態に陥りました。
結果として、オフィス内メンバーとリモートワークのメンバー間で情報格差が大きいと不満があがり、廃止に至っています。
参考:
リモートワークの4つの失敗パターンと対処法 | Social Change!
以上のように、失敗事例についても述べましたが、リモートワークにおけるメリットを感じている企業の割合は高いです。
総務省が平成27年に行った調査によると、リモートワークを導入している企業において、「非常に効果があった」「ある程度は効果があった」と答えたのは、あわせて82.5%にもなっています。きちんと準備して導入することで、大きな効果が見込めることは間違いないでしょう。
参考:
総務省|平成28年版 情報通信白書|PDF版
まとめ
上記で述べたように、リモートワークを導入した企業のうち、多くがその効果を実感しています。
「理想的な働き方」とも言われ、多くのメリットがあるリモートワークですが、準備と理解を深めなければ逆効果にもなりかねません。
ぜひこの記事を参考に特徴を理解し、リモートワークの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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本記事ではリモートワークについて解説してきました。
リモートワークの課題の1つは、これまで時間と場所を共有することで、円滑に取れていたコミュニケーションが滞ってしまうことです。
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参考にしたサイト
リモートワークの意味とは?メリットや注意点、事例を一挙紹介 | BizHint(ビズヒント)- 事業の課題にヒントを届けるビジネスメディア
リモートワーク開始、導入、廃止の企業3社に聞く「リモートワーク制度導入の可能性と実現方法」 | IBASHO はたらくことを楽しむ オフィス情報メディア
総務省 導入事例検索|テレワーク情報サイト
リモートワークの4つの失敗パターンと対処法 | Social Change!
総務省|平成28年版 情報通信白書|PDF版