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ワークライフバランスが企業に与えるメリットと、最初に始めるべき4つの施策

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ワークライフバランス
多くの企業でワークライフバランスを考えた労働環境の構築の動きがみられます。 しかし、なぜ企業がワークライフバランス実現に向けて取り組むべきか、その理由がわかっていない方もいるのではないでしょうか。 ワークライフバランスのために企業の制度・体制を変えていくことで、従業員の離職防止につながることがわかっています。 経営者や人事部長など、人材の流出に頭を抱えている方は、本腰を入れて自社のワークライフバランスと向き合ってみましょう。 ワークライフバランスが企業にもたらすメリットを事例とともに解説します。合わせて実現に向けて取り組むべき施策、注意点についても紹介しています。 この記事を読むことで、企業にとってどれだけワークライフバランスが重要なのかがわかるでしょう。また、ワークライフバランスの実現に向けた第一歩が踏み出せます! [toc]

ワークライフバランスの見直しで離職率を10%⇒4.8%にした事例

冒頭でもお話しした通り、ワークライフバランスは離職率の改善につながることがわかっています。実際にワークライフバランスを通して離職率を半減させた「福井県済生会病院」の事例を見ていきましょう。 病院のような女性が多い職場では、出産や育児など生活環境の変化によって離職につながるケースが多く、同病院でも同様の悩みを抱えていました。相次ぐ離職を防ぐためには、女性が働きやすい環境づくりが急務だと判断し、ワークライフバランスの実現に向けて取り組み始めます。 福井県済生会病院がワークライフバランスの見直しのために実施した施策は以下の通りです。
  • 短時間勤務制度、夜勤免除制度、夜勤専従制度など、子育てしながらでも勤務できる制度を導入
  • 日勤の時間区分は従来3交代制だったものを6つに細分化、夜勤も従来3交代制だったものを8つに細分化し、自分の働きやすい時間帯で勤務できるようにした
  • 他の看護師がサポートをするなどして引き継ぎをスムーズにすることに注意を払い、残業を減らす
これらの施策によって、制度導入時の平成19年には10%を超えていた離職率を、4年間で半分以下の4.8%まで低減させています。 また同病院ではもともと看護師のキャリア形成にも注力していましたが、資格の勉強に時間がとれるようになったことでキャリアアップに向けて動き出す看護師が増えました。結果として、看護の質自体の向上にもつながっています。 参考:多様な勤務制度による資格取得、大学院進学の増加 福井県済生会病院 | 特集-ワーク・ライフ・バランス | 政府広報オンライン

企業がワークライフバランスを考えることで得られる3つのメリット

企業がワークライフバランスを実現し、従業員にとって働きやすい環境を提供することで、以下のようなメリットが得られます。 1.人材の流出防止・獲得につながる 2.従業員が病気になるリスクをおさえられる 3.人材採用や人件費、医療費などのコストの削減につながる 1つずつ詳しく見ていきましょう。

1.人材の流出防止・獲得につながる

先に挙げた事例からもわかる通り、ワークライフバランスの最大のメリットは「人材の流出防止」です。 従業員の生活に合わせた柔軟な働き方ができるようになれば、介護や育児などによる従業員の離職が防げるようになります。また、働きやすい環境を提供できれば従業員の満足度の向上にも期待でき、定着率がアップします。 実際に近年では労働者側もワークライフバランスを重視しており、人材の獲得にも影響を与えることがわかっています。 エン転職で行われた「次のお仕事を検討する際にワークライフバランスを考慮しますか」という満足度調査では約9割のユーザーは「考慮する」と答えています。 参考;「ワークライフバランス」満足度調査 昨年に比べ、満足度が9ポイント上昇。満足度がもっとも高い雇用形態、第1位は「契約社員」、最下位は「フリーランス」。 | エン・ジャパン(en-japan)

2.従業員が病気になるリスクをおさえられる

従業員の健康管理が可能になり、病気を未然に防ぐことができることもワークライフバランスのメリットとして挙げられます。 長時間労働が常態化すると心身の病気を引き起こしやすくなり、従業員の長期離脱・離職につながることもあります。 最悪のケースだと、うつ病による自殺や過労死などの可能性があり、この場合は遺族からの訴訟リスクなども十分に考えられます。 ワークライフバランスで健康的に企業を経営することで、上記に挙げたようなリスクを回避することが可能です。

人材採用や人件費、医療費などのコストの削減につながる

ワークライフバランスの実現によって、人材活用にかるコスト面での負担を軽減できるというメリットがあります。 離職率が下がれば人員拡充の頻度は減るので、採用にかかるコストや中途採用者の研修費用が削減可能です。 また、ワークライフバランスは病気の予防にもつながるので、従業員の医療費もおさえられます。さらに長時間労働がおさえられればオフィスの稼働時間も短くなるので、光熱費を削減できます。 働きやすい環境を作ったことで得られる副産物ともいえるでしょう。

ワークライフバランスを実現するための具体的な4つの施策

実際にワークライフバランスを実現させるためには福利厚生を見直すことから始めるのが一般的です。福利厚生を見直す際は、ワークライフバランスに直結する部分を優先的に改善していくと良いでしょう。

1.育児休暇制度の導入

ワークライフバランスを考える上でまず検討したい項目の一つとして、育児休暇制度の導入が挙げられます。 最近では多くの企業で育児休暇制度が導入されていますが、男性の育児休暇に関してはそこまで普及が進んでいないのが現状です。女性だけではなく、男性でも気軽に育児休暇がとれるような風土づくりも含めて行っていきましょう。

2.多様性のある働き方を提供する

ワークライフバランスを実現するために、あらゆる事情を想定した上で、新たな働き方を提供しましょう。従業員それぞれが働きやすい環境を目指すためには、複数の選択肢から働き方が選べるよう整備する必要があります。 従業員の希望する勤務時間を選択させたり、勤務時間を減らす代わりに勤務日数を増やしたりと、選択肢を増やす方法を考えましょう。 新たな働き方の一例としては「短時間勤務制度」「フレックスタイム制」「テレワーク」などが挙げられます。

3.人事評価制度の見直しを行う

人事評価制度の見直しはワークライフバランスの実現に重要な取り組みです。短時間でも良い仕事をしている従業員を評価する制度を設けるなど、評価の基準を見直す必要があります。 長時間労働や残業などが評価されている企業では、短時間勤務や育児休暇を利用した従業員の評価が厳しくなることがあります。 働き方に多様性を持たせても、従業員がその選択肢をとるのに躊躇してしまう状態では意味がありません。このような状態を避けるためにも、評価制度の見直しが不可欠です。

4.労働時間に制限を設ける

過労などが問題視されている現代社会において、労働時間の削減はワークライフバランスを実現させるための最大の課題です。長時間の労働が常態化している企業は、すぐに見直しを図りましょう。 ノー残業デーの導入や、休日出勤の禁止、残業の事前申請制などが例として挙げられます。 しかし単に長時間の労働に規制をかけるだけでは本質的な改善にはつながりにくいので注意が必要です。業務が終わらないからと業務の持ち帰りなどが横行するケースも珍しくありません。業務フロー自体の見直しや、先に挙げた働き方の多様化なども並行して進めていきましょう。

ワークライフバランスの注意点

ワークライフバランスのために施策を打ち出す際には、「効果が表れるまで時間がかかる」「いっぺんに施策を導入しない」という2つの注意点があることを覚えておきましょう。 この注意点をおさえておかないと効果が出ないからと施策を打ち切ったり、管理側のモチベーションが失われる可能性があります。以下で詳しく解説していきます。

1.効果が出るまで時間がかかる

ワークライフバランスのために新制度の導入や新たな働き方の提案をしたからといって、すぐに効果がでるわけではありません。 自社に根付いた風土などを見直し改善していくためには、時間が必要です。自社の問題点の洗い出しや従業員の意識調査などをしたうえで、戦略的に施策を進めていくことが大切です。

施策は一度に導入しない

これまでワークライフバランスの取り組みについてさまざまな方法を紹介しましたが、多くの制度を一気に導入しても、従業員から理解が得られない可能性があります。 まずは企業の現状をしっかりと把握して、導入すべき制度を見極めることが大事です。見極めが難しいなら、社内でアンケートを取るなどして意見を収集するのもよいでしょう。多くの従業員が納得できる制度を導入することで、良い環境をつくることができます。

まとめ:ワークライフバランスの配慮で優秀な従業員を定着させよう

企業がワークライフバランスに取り組むメリットや、取り組むための施策について解説しました。 ワークライフバランスの実現は、人材流出や従業員の病気の予防など、離職の防止につながるので、どの企業も積極的に施策を打ち出していくべきでしょう。 施策は特に影響が表れやすい育児休暇制度や働き方の多様化、労働時間の調整などからはじめていきましょう。ただし、すぐに効果が出るようなものではないことをあらかじめ覚えておきましょう。

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