データアナリティクスとは、顧客情報や購買履歴などのデータから事業改善や売上増加に役立つ情報を発見するために行う分析のことです。
データアナリティクスを行うことで、数値化された定量データの中から、今まで気づけていなかった消費者ニーズなどのビジネスヒントを発見したり、数値をもとに素早い意思決定を行うことができます。
しかし、データを分析するにしても、どのようなデータをどのように分析すればよいのかわからない方も多いと思います。
そのような方のために、日常的にデータアナリティクスを行っているマーケティング担当の筆者が、
データアナリティクスの基礎、初心者でもできる手法、Excelに任せてしまう裏ワザを紹介します。
今日から始められる簡単なものを集めたので積極的に挑戦してみましょう。
ヤフーの行動ビッグデータを分析できるデスクリサーチツール「DS.INSIGHT」の詳細資料をダウンロード
[toc]
※本記事はヤフー株式会社提供によるスポンサード・コンテンツです。
データアナリティクスとは購買履歴などのデータから売上増加のヒントを得る分析のこと
データアナリティクスとは、事業改善、売上増加、商品開発、CSアップ、などにつながるビジネス上のヒントを企業が保有する、顧客情報、取引履歴、購買データなどから発見するための分析のことを指します。
例えば、
- 商品Aの購入者を対象に、機能に関する満足度調査を行う
- すると防水機能に満足している人は売上が高いことが分かった
- ならば防水機能を広告で押し出してみよう
といった形で情報をビジネスへと活用します。
データアナリティクスで販売傾向を発見して売上が20%増加した事例/ヤクルト
飲料メーカーのヤクルトでは、各従業員がスプレッドシートにデータを保存していました。そのため、どのような要因が売上に影響を及ぼすのかを把握できていませんでした。
そこで、ヤクルトは分析ツールを導入しデータを可視化・分析します。すると、15本パックを購入する客層と7本パックを購入する客層が異なることを発見し、20%の売上増加に成功しました。
このようにデータアナリティクスは、大事に寝かせてしまっているデータを活用することで、販売傾向を発見したり、売上増加に役立てることができます。
参考:
ヤクルトの売り上げを大幅に伸ばしたデータアナリティクスの秘密|ITmedia エンタープライズ
データアナリティクスはAIの発展により無視できない存在になった
AIをはじめとしたやテクノロジーや機械学習の発展に伴い、手作業では解析が困難だったビッグデータから新たな発見や開発を行った成功事例も登場しています。
データアナリティクスが身近になるということは、「データを活用できるかどうか」が今後企業にとっての生命線となりえるので「よくわからないから今度でいいや」というわけにはいかなくなりました。
参考:
5400万件の急ブレーキをマッピング 見えない危険を可視化する、ホンダのビッグデータ活用術|logmiBiz
データアナリティクスは、AIがなくてもできるので実践してみましょう
確かにAIは発展し、関連する成功事例もよく目にするようになりました。しかし、AIはあくまでも膨大なデータの処理を手助けしてくれるものであり、AIがなくてはデータを活用できないわけではありません。
だからと言ってプロにお願いする予算もなければ、自分で分析をする自身もないという方も多いのではないでしょうか。
そんな方のために、初心者でも活用できる簡単な計算法や、エクセルなどの身近なツールを利用した分析を2つご紹介します。
初心者でも今日からできる2つの分析手法
あなたは、「分析はプロじゃないと手におえない」というイメージを持っていませんか?
実際に、素人では扱えないような複雑な分析は多数存在します。しかし、素人が全ての分析をあきらめなければいけないわけではありません。
全くの分析初心者にもできる、王道の分析手法を2つご紹介するので実践してみましょう。
1.データの相関ルールを見つける「アソシエーション分析」
「Aの行動をした人はBの行動もしやすい」という関係を導き出す手法の有名な例として、
「紙おむつを買う人はビールも買うことが多いので並べて陳列したら売り上げが上がった」というものがあります。
このような相関を下記3つの計算式で導き出すことができます。
①支持度
全データから商品AとBが同時に購入されたデータの割合。
割合が高いほどビジネスインパクトが大きい。
支持度=商品AとBが同時購入されたデータ数/全データ数
②確信度
商品Aを購入した人がBも購入したケース割合
割合が高いほど2商品の関連性が強い
確信度=商品AとBが同時購入されたデータ数/商品Aが購入されたデータ数
③リフト値
①②の関連性の高さを裏付けるための値
目安は1以上
リフト値=②の確信度/Bが購入されたデータ数
※これらの数値が高いほど強い相関関係にあると言えます。
参考:
第2回:アソシエーション分析 「使ってみたくなる統計」シリーズ|Big Data Magazine
絶対に関係ないであろう要素の分析は後回しにしましょう
例えばパンの購入に影響を与えているものを探す際に、「単三電池」まで調査対象を広げてしまうと、卵やチーズなどだけでなく、単三電池を含む購入履歴を膨大なデータの中から抽出し、その相関性を調べなくてはなりません。当然、対象を広げた分だけ処理する時間も増加します。
理想的にはそれらを分析することで新たな発見が見つかるかもしれませんが、実際のビジネスシーンではそうもいかないので自信をもって関係ないと言えるものは後回しにしましょう。
※参考:
アソシエーション分析|ITmediaエンタープライズ
同時購入される商品を見つけたら「ついで買い」を促進しましょう
関連性の高い商品(同時購入されやすい商品)を見つけたら、棚割や陳列の指標にしたり、顧客に関連した能動的なクーポイン発行するなどして「ついで買い」を促しましょう。
※参考:
アソシエーション分析とは|Analytics
2.ひとつの結果にどのデータが一番影響を及ぼしているかを見つける「重回帰分析」
重回帰分析は、「ひとつの成果」に対して「複数の要因」がある場合に、その相関と影響の度合いが測れる分析です。
例えば、「商品Aがよく売れた」原因と考えられる複数の要素「価格を下げた」「新機能を付けた」「ネット広告を配信した」から本当に影響のあるものを見つけ、どれくらい度合いで影響しているかを測定することができます。
参考:
読めば納得。重回帰分析で失敗しがちな事例10|マーケティングと重回帰分析−その3|Cross Marketing
難しいことはさておきエクセルで求める方法
突然ですが、重回帰分析を数学的な式で説明すると下記の計算式になります。
Y=b₁X₁+b₂X₂+・・・・b₀
「ふむふむ。なるほどね。」と思ったあなたは今すぐこの記事を閉じて、筆者の代わりに記事の執筆を始めましょう。
「分析のイメージ通り小難しそうなのが出て来た」と感じたあなたには裏ワザを紹介します。
エクセルを開き下記の方法を行えば、勝手に計算してくれます。
1.結果のデータと、影響度を見たい要因のデータのみを抽出する
※あからさまに関係のないデータが多いと分析の精度が下がるため削除しましょう。
2.「データ分析」ツールを表示する
ファイル→オプション→アドイン→設定→分析ツールにチェック→OK
3.「データ分析」で「回帰分析」を行う
データ分析をクリック→結果の列をラベルごと範囲選択→要因の列をラベル事範囲選択→ラベルにチェックを入れてOKを選択
4.「補正R2」と「係数」を確認する
補正R2:1に近いほど信頼できる。 0.9以上あると理想ですが、まずは0.8以上を目指しましょう。
係数:この数値が大きい要素ほど、結果に大きく影響しているとなります。
上記の例では「商品の売上にはネット広告の影響が大きく関係している」と分析できます。
※偶然にもネット広告代理店に勤める筆者がネット広告のステマを行っているわけではございません。
「ついで買い」を促すなら最近登場している人工知能サービスに頼るのもアリ
ここまで読み進んだ方で、「もっと手軽な裏ワザはないのか」と感じているあなたに朗報です。100%ではないものの、安価に、スピーディに上記の分析を省略する方法もあります。
例えば、ネット通販であればレコメンドエンジン系のサービスを検討しましょう。
レコメンドエンジンとはネット通販で何かを購入した際に、「この商品もよく同時購入されています」というオススメ(レコメンド)を行うシステムのことです。オススメされる商品は、レコメンドエンジンの機械学習によって勝手に最適化されます。
最近ではこのようなサービスを月額数千円~数万円程度で利用することもできるので、顧客に商品の同時購入を促したい方は検討してみるのも一手です。
利用者数・購入者数に応じた従量課金でそれ以上の費用がかかることもあるので、興味がある方はまず見積もりを取ってみましょう。
参考:
『もっと素敵なものに、いつも出会えるようにする』パーソナライズド・メール戦略 – 株式会社ピーチ・ジョン|SILVER EGG TECHNOLOGY
もっとデータアナリティクスを極めたいあなたにオススメの実践的スキル・知識
データアナリティクスを極めたい方は、下記の知識やスキルが必要です。
- ITの知識・スキル
- データベースの知識・スキル
- 統計学の知識・スキル
また上記の3つも、コンサル業なのかエンジニア業なのかでも変わります。
コンサル業では、データ分析以外にも問題解決策のためにマーケティングに対して深く理解していくことが重要です。
エンジニア業の場合は、コンサル型よりも高度な分析をするため、統計やビッグデータの分散処理などの知識が重要です。
データアナリティクス習得に役立つ資格
データアナリティクス習得に役立つ資格としては、次の資格があります。
|
概要 |
取得するメリット |
オラクルマスター |
OracleDatabase操作技術力を証明する資格 |
データベース管理ソフトウェアの国内シェアを大きく占めており、データアナリストとして業務に生かせる。 |
OSS‐DB技術者認定資格 |
オープンソースデータベース操作技術を証明する資格 |
データアナリストの需要が高まるなかで、高度かつ専門的で難しい技術なので、企業としても人材として欲しがる。 |
統計検定 |
統計に関した知識、活用力を評価する資格 |
統計学の知識や統計学を使った問題可決能力をもっていると証明でき、分析のために統計学必須だから有利。 |
データアナリティクスにおいて、必ずしも上記3つの資格が必要というわけではありませんが、やはり取得しておくと有利なので、そういった業務をしているなら役に立つでしょう。
独学するのにおすすめの本
データアナリティクスを学び、実践していくうえでは、仕事をしながら資格勉強するのは大変ではあります。
そこでおすすめしたのが、「アクセンチュアのプロフェッショナルが教えるデータ・アナリティクス実践講座」という一冊です。
2016年発行のため最新情報ではありませんが、アソシエーション分析やクラスタ分析などのデータアナリティクスの基本を学ぶことができます。
データを収集したり、分析をして問題解決をしたい人、データ分析の基礎を学びたい人におすすめです。
参考:
アクセンチュアのプロフェッショナルが教えるデータ・アナリティクス実践講座|翔泳社
データアナリティクスに挑戦して役立つヒントを発見しましょう
データアナリティクスは、購買データなどの膨大な情報からビジネスの売上増加やCS向上などのヒントとなる情報を見出すための分析です。
AIの登場などにより、データ活用の重要性は今後も増していくことが予想されるので、これを機にエクセルやツールを用いてできる範囲から挑戦してみましょう。
ヤフー独自のビッグデータを確認可能!「DS.INSIGHT」の資料ダウンロード(PR)
ヤフーでは検索やメディア・ECなど多岐に渡る事業を通じて蓄積してきたビッグデータをAI技術で分析し、自社のサービス改善に活用してきました。
このヤフー独自のビッグデータを開放し、企業や自治体のあらゆる事業活動をサポートするのがデスクリサーチツール「DS.INSIGHT」です。
生活者の興味関心、エリア特性や人流を可視化して新規事業やマーケティングに活用することができるので、興味のある方はぜひ資料をダウンロードしてみてください。
ヤフーの行動ビッグデータを分析できるデスクリサーチツール「DS.INSIGHT」の詳細資料をダウンロード
※本記事はヤフー株式会社提供によるスポンサード・コンテンツです。