潜在ニーズはマーケティングではよく耳にする言葉です。しかし、似たような概念も多く、実は潜在ニーズという言葉の意味を正しく理解できていないという方も多いのではないでしょうか。
潜在ニーズは顧客が抱える「本質的なニーズ」のことで、潜在ニーズを把握できれば、ヒット商品を生み出したり、営業成績を伸ばしたりといった効果にも期待できます。
今回は潜在ニーズとはどのような概念で、なぜビジネスにおいて重要視されているのかを解説していきます。あわせて顧客の潜在ニーズを把握するための方法やコツについても解説しています。
ヤフーの行動ビッグデータを分析できるデスクリサーチツール「DS.INSIGHT」の詳細資料をダウンロード
[toc]
※本記事はヤフー株式会社提供によるスポンサード・コンテンツです。
潜在ニーズとは、顧客自身も気づいていない欲求のこと
潜在ニーズとは言葉の通り、顧客自身でも自覚していない、潜在的なニーズ(欲求)のことを指します。
顧客が持つニーズには、目には見えない「潜在ニーズ」と、本人の自覚があり表現している欲求である「顕在ニーズ」があります。潜在ニーズはこの顕在ニーズとの違いを合わせて覚えておきましょう。
潜在ニーズ |
顕在ニーズ |
顕在ニーズ |
欲求の自覚 |
自覚していない |
自覚している |
問題の解決への積極性 |
問題に気づいていない
解決しようとしていない |
解決しようとしている |
その後の展開 |
顕在ニーズへ変化する |
具体的な欲求(ウォンツ)へ変化する |
潜在ニーズと顕在ニーズの違いについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
参考:
自社の売上アップのために理解したいニーズとウォンツの意味や違い
潜在ニーズをうまく活用して新規顧客の開拓や売れそうな商品の開発ができる
潜在ニーズを知ることができれば、新規商品の開発のヒントを手に入れたり、当たりをつけて新規顧客を開拓することができるようになります。
「ぐっすり眠りたい」という顕在ニーズを満たすために枕の購入を検討している顧客を想定して考えていきましょう。
顕在ニーズの裏に隠れている潜在ニーズはさまざまです。例えば「疲れをとりたい」という人もいれば、「眠ることでストレスを発散したい」という人もいます。
このような潜在ニーズを満たす商品は、決して枕だけではありません。疲れを取りたいのであればマッサージ機器や入浴時のバスグッズなども良いでしょう。ストレス発散が目的であれば、ゲームなどの娯楽や体を動かすフィットネスジムなどのソリューションもあります。
顕在ニーズだけに着目すると「寝具」メーカーのターゲットでしかなかった顧客ですが、潜在ニーズに着目することでフィットネスジムの顧客になりうる可能性が出てきます。もちろん潜在ニーズをつかんで、先回りして商品を開発するのも有効です。
つまり潜在ニーズをつかめれば、自社の利益を高めるためにどんなユーザーをターゲットにすべきか、どんな商品を作るべきかなど、ビジネスの可能性が広がります。
潜在ニーズを掘り起こす調査方法
潜在ニーズは本人が自覚していないので「あなたの潜在ニーズは何ですか」と言っても教えてはくれません。調査によって明らかにする必要があります。
代表的な調査方法は以下の2つです。
調査方法 |
メリット |
デメリット |
インタビュー |
直接顧客の意見を聞くことができるので、情報の信頼度が高い |
潜在ニーズを引き出すためのテクニックが必要 |
行動観察 |
特定のターゲットの心理(インサイト)について深く知ることが出来る。 |
具体的な成果が表れないこともある |
インタビュー
顧客の潜在ニーズを把握するうえで、最も手っ取り早い方法です。BtoCであれば商品を購入した・商品に関心があるユーザー、BtoBであればサービスなどを導入してくれた企業の担当者にインタビューしましょう。
顧客と直接言葉を交わすことができるので、情報の信頼度が高いです。特に今感じている課題などを聞けるので、潜在ニーズもつかみやすいでしょう。
ただし、インタビューから潜在ニーズを引き出すためには一定のテクニックが必要です。顧客の課題を深掘りしていくことで、ようやく潜在ニーズにたどり着けます。
行動観察
行動観察とは消費者が行う「無意識」の行動をつぶさに観察・洞察することで、潜在ニーズを見出す手法です。
複数人の消費者を観察し、そこからユーザーの心理を読み解くというもので、アンケートやインタビューなど言語化が難しい欲求の把握などに適しています。
ただし必ずしも顧客のインサイトが把握できるわけではなく、行動観察したけれども意味のある情報が得られなかったというケースもあるので注意が必要です。
潜在ニーズを見つけるためには顧客の意見を鵜呑みにしないこと
潜在ニーズは顧客との対話から見つけるのが最も手軽な方法ですが、顧客から吸い上げた意見をそのまま鵜呑みにするだけでは潜在ニーズにたどりつけません。顧客自身が自覚していない潜在的なニーズを発見するためには質問をする際にも工夫がいります。
潜在ニーズを引き出す最も手軽な方法としては、「Why」を繰り返していくことが挙げられます。単純に「なぜ?」を繰り返すことで、課題を深掘りしていきます。
先ほどの「枕」の例を用いて解説してきます。枕が欲しいという顧客に「なぜ」を繰り返していきましょう。
Q. なぜ枕が欲しいんですか?
A. ぐっすり眠りたいからです。
Q. なぜぐっすり眠りたいんですか?
A. リフレッシュするからです
Q. なぜリフレッシュしたいんですか?
A. リフレッシュすることで、次の日の仕事が捗ります
このように、「枕が欲しい」というユーザーの声に「why」を繰り返し行うことで、「日々の業務効率を上げたい」という潜在ニーズが見えてきます。
「なぜ?」を繰り返すだけだと不快に感じる方がいるかもしれないので注意しましょう。上手に言葉を言い換えて質問を投げかけてください。
まとめ
潜在ニーズの意味や、潜在ニーズから得られること、そして潜在ニーズの引き出し方についてまとめてきました。
潜在ニーズは言葉の通り、顧客自身でも気づいていないニーズを指します。顧客の潜在ニーズを引き出せれば、新たな顧客層にアプローチできるようになりますし、潜在ニーズを意識した商品開発が可能です。
潜在ニーズを引き出す調査方法としては、インタビューなどの顧客との対話や、顧客の行動観察などが挙げられます。特に対話は潜在ニーズを把握するうえで一番手軽で効果が高い手法です。ただし、単調な質問では顧客の心理に触れることはできないので、質問の仕方などは工夫しましょう。
ヤフー独自のビッグデータを確認可能!「DS.INSIGHT」の資料ダウンロード(PR)
ヤフーでは検索やメディア・ECなど多岐に渡る事業を通じて蓄積してきたビッグデータをAI技術で分析し、自社のサービス改善に活用してきました。
このヤフー独自のビッグデータを開放し、企業や自治体のあらゆる事業活動をサポートするのがデスクリサーチツール「DS.INSIGHT」です。
生活者の興味関心、エリア特性や人流を可視化して新規事業やマーケティングに活用することができるので、興味のある方はぜひ資料をダウンロードしてみてください。
ヤフーの行動ビッグデータを分析できるデスクリサーチツール「DS.INSIGHT」の詳細資料をダウンロード
※本記事はヤフー株式会社提供によるスポンサード・コンテンツです。