中小企業や地方企業がWebを活用して集客力・売上を上げたいのであれば、検索エンジン上で上位表示を狙うSEO対策は、欠かせません。この記事をご覧になっている中小企業経営者やWeb担当者の皆様がお求めの情報は「サイトの訪問数を増やすor売り上げを向上させる方法」だと思います。
しかし、2012年以降、日本のGoogleの検索エンジンスパム対策が本格化し、小手先のSEOは通用しないどころかペナルティの対象になりました。その中で、「悪徳なSEO業者に騙された」という話や、ペナルティを受けて表示すらされなくなってしまった、という話もよく耳にします。また、ペナルティを恐れるあまり「全く何も対策をしていない」という中小企業も増えています。
では、Webについての経験の少ない企業が、悪徳業者に騙されずに効果を出すにはどうしたら良いのでしょうか。
SEOとは手間と時間、そして場合によってはリスクも伴います。しかし、SEOがWeb上の集客を最大化するうえで、重要かつ必要な施策であることは間違いないため、今回はその危険性なども含めて説明いたします。
SEOとは=「サーチエンジン最適化」の施策
SEOとは、Search Engine Optimization(サーチエンジン最適化)の略称です。
サーチエンジン上の特定のウェブサイトの検索結果を上位表示するために、サイト内の情報や構造をユーザーにとって利用しやすい形に最適化する施策です。
主なSEO対策方法
主な対策方法としては下記の4つが代表的です。
コンテンツの作成
当たり前のことですが、サイトには目的があり、そのサイトを訪れるユーザが求めるコンテンツを作ることが非常に大事です。サイトの目的と整合性の高い情報の発信を心がけましょう。
たとえば、本サイトLISKULでは「リスティング広告をはじめとした、Webマーケティングについてのノウハウを提供」することが目的のサイトなので、ユーザは「リスティング」や「Webマーケティング」の情報を求めています。そのため、本記事「SEO」のようにサイトの目的・ユーザニーズに即したコンテンツを作成・提供しています。コンテンツの作成は、中小企業でも手間と時間をかけることで効果を出すことができるSEOの手法です。現に本サイトでも手間と時間をかけることで、月45万PVほどを獲得しています。
【2014年9月のデータ】
ただし、本サイトも立ち上げから現在の読者数に至るまでに、かなりの時間と労力を費やしました。立ち上げ時期は、社内の有志9名を中心に、それぞれが担当業務を持ちながら、空き時間を見つけて執筆していました。
毎営業日更新していたので、一人あたりの執筆量は概ね2週間に1記事のペースです。私も記事を書いていたのですが、記事を書いても検索上位に上がってくるわけでもなく、自分の書いた記事が良かったのかどうかもわからず、本当につらい時期でした。
しかし上記の執筆をめげずに続けたことで現在のPV数に達しているわけです。
この経験も踏まえ、コンテンツの作成は「手間と時間をかけることで効果を出すことができる手法」であるとご認識ください。
参考:コンテンツマーケティング開始10ヶ月で100万UUを実現した手順を公開LISKUL|
サイト構造(htmlコード)のチューニング
本には必ず、タイトルや目次、見出しが付与されています。
Webページでは、クローラーというロボットが、巡回して順位づけしています。そのクローラーにとって、Webページが本のように分かりやすく伝わりやすい「見出し」がきちんとついた構成であることは、ありがたいことなのです。
例えば、6行目に「LISKUL」という本サイトのタイトルが記載されています。
UIの最適化
ナビゲーションや検索ボックスの設置など、ユーザにとっての使いやすさを向上させることでサイトの評価も向上します。最近ではスマホ最適化を行っているサイトは、スマホ上での検索結果順位が優遇されるなどのアップデートが行われることも。ユーザにとって利用しやすいサイト作りを心がけましょう。
リンクを集める
基本的には良いコンテンツを作ることで外部リンクは自然に集まり、評価も高まります。ただがむしゃらに数を集めれば良いというものでもなく、「数×質」を意識しながら対象サイトにリンクを集めることが重要です。
もし、あなたが部活で野球をしているとして、「野球を始めたばかりの友人」と「イチロー」であったら、イチローから評価された方が、信頼性は高くなります。検索エンジンでも一緒です。
「質の高いリンク」とは
・関連性の高いコンテンツ
などが上げられます。
またSEO業者から人工的なリンク購入することでリンクを集めるという方法もあります。これは、サーチエンジンが推奨していないグレーな方法であり、最悪「順位が下がる」「検索結果にサイトが出てこなくなる」などのペナルティを受ける危険性もあります。
しかし、実際に効果はある施策ですので、「コンテンツを作る」等の王道的な施策に時間やコストを割く余裕がないようであれば、利用自体はありだと考えています。
※利用の際には注意が必要です。こちらに関しては、後述いたします。
SEOとリスティング広告の違い
SEOはリスティング広告と比較して下記の表のような特長を持っています。
表示位置によるクリック率や信頼度の違いは以下の通りです。
SEOとリスティング広告の違いを端的にまとめると、以下のようになります。
SEO:
成果が出るまでに時間がかかり、順位のコントロールも難しいが、
クリック率や信頼度が高い集客施策リスティング広告:
検索結果上位に比べると集客力に劣るが、予算や期間などを自由に設定でき、
成果が出るまでに必要な時間も短い集客施策
またよくある誤解として、「SEOとは費用を掛けずにサイトを上位表示するための施策」であると思われがちですが、SEOは魔法のように課題を解決してくれるものではありません。
SEOは無料ではありますが、人的リソースの投下や時間を必要とするため費用対効果が必ずしもリスティングより優れているというわけではありませんのでご注意ください。
地方企業・中小企業が勝つためのSEOの2つのポイント
前述の4つの主なSEO対策は全て行うべきなのですが、人件費などのコストが必要だったり、成果が出るまでに時間がかかるなど、中小企業にとっては着手しづらいというのが現実です。短期的に成果を求めるなら、予算や期間をコントロールしやすいリスティング広告をお勧めいたします。
しかし、SEOのインパクトは大きく、長期的なビジネス視点でのSEOの存在は必要不可欠であるため、比較的に中小企業が着手しやすく短期的に成果が出やすい方法を下記にまとめました。
1. まずはビジネスに直結したテールワードを選ぶ
「地方の小さなサービスではSEOを上位表示させるのは難しいのではないか??」
違います。例えば、飲食店や小売店のサービス業などメインターゲットがその地域に属する場合、上位表示させる最大のポイントが「サービス名+地域」の組み合わせ検索です。
このような組み合わせ検索をテールワードとよびます。ワードを組み合わせないビッグワードと比べて月間検索数は落ちてしまいますが、より顕在的なユーザに対してアタックすることが出来るうえ、上位表示させる競合も少なくなります。
ここで注意をしなければいけないポイントは、「闇雲に」ワードを組み合わせてはならないということです。例えば、「リスクル SEO お茶の水」というテールワードを選択しても誰が読んでくれるのか曖昧ですよね。
重要なのは「提供するサービスに直結する関連性の高いワードを選定し、そのワードで見る人(検索する人)がいること」です。
参考:SEO上位表示!地方で勝つ為に必要な検索キーワードの選び方|LPOランディングページ最適化ブログ|福井のSEO・PPC・ホームページ制作支援専門家
2.選定したキーワードでサイト内部を対策
できることならば「主な対策方法」で紹介した4つの対策すべてを行うことがベストですが、コンテンツの作成には時間がかかりますし、サイト構造を大きく見直すとなると莫大な費用がかかることもあります。
まずは、簡単なチューニングを行います。
Titleやh1などの情報を選定したキーワードと整合性の高い状態に変更しましょう。
例えば、お茶の水で和食を提供しているリスクル食堂のサイトに「和食 お茶の水」でSEO対策を行いたい場合、Titleを「リスクル食堂」から「お茶の水の本格和食 | リスクル食堂」と変更することで、対策したいキーワードへの関連性が向上します。
(しつこいですが、提供しているサービスや情報(コンテンツ)と関連性の低いワードで対策しても検索結果順位は向上しません。)
あるべき情報が無ければ情報をサイトに追加する
とあるキーワードで対策を行いたいと考えた時に、本来は提供しているサービス・情報なのにもかかわらずサイト上にコンテンツがないという場合には、まずはコンテンツを作りましょう。
多少の時間や労力が必要となろうとも、コンテンツなくしてはサーチエンジンから評価されることも、他のSEO対策が効果を発揮することもないので、不足している情報は速やかに作成・追加しましょう。
例えば、お茶の水で和食を提供しているリスクル食堂のサイトに「魚料理 お茶の水」というキーワードでSEO対策しようと考えた際に、「サイト上には店の名前と住所と営業時間だけ」という状況では、何をやっても効果が薄い状態です。まずは魚料理の専門店であることや、メニュー、旬のおすすめなどの関連コンテンツを作ってから他の対策を行いましょう。
SEO業者から人工リンクを購入する
SEOの基本はユーザのニーズに則ったコンテンツを作成し、クローラーに読み取られやすい形で提供することで評価を高めることです。
これは、Google等のサーチエンジンが「ユーザが特定の情報やサービスを求めて、特定のワードで検索した際に、関連性や需要の高いサイトを上位に表示すること」を目的にアルゴリズムを組み立てているためであり、企業にとってもサーチエンジンにとっても両社WIN-WINの関係と言えます。しかしグレーな抜け穴として昔からSEO業者や人工リンクは存在し、他のSEO対策と比べて比較的手軽に速やかに成果を出せることも事実です。
これはコンテンツ作成のようなサーチエンジンが推奨する評価の高め方ではなく、本来のサイト評価以上の評価を集めるための施策であり、ペナルティの対象となる可能性があるため利用には注意が必要です。
そこで、人工リンクを利用する際のポイントをまとめてみました。
悪徳業者が口をつぐむ、契約前に確認すべき3つの項目
危険性を含んだ「人工リンク」ですが、未だに有効な施策であり、自社でも導入したいと思われている方は多いかと思います。
そこで、導入の際に心にとどめておいて欲しいことが「もし被害にあった場合のリスクヘッジ」と「SEOの知識の質問ではなく実務の質問をすること」の2つです。
では具体的にどのような実務の質問をすればよいのか??
悪徳なSEO業者かどうか見極める質問3つをまとめましたので参考にしてください。
1.お願いしたらリンクはサイトから外してくれるか。
また、そのことが契約書に盛り込まれているか。2.ただただ顧客のサイトがグーグルからペナルティを受けたことが無いと言っていないか。
また、もしペナルティがあった場合、元の状態まで保証してくれるか。3.いつ頃順位が上がるのか教えてくれるか。
上がらなかった場合、あきらめて契約終了すべき期間が長くないか。
以上の点を確認することで、悪徳なSEO業者を回避できる可能性があがります。
また、下記の記事に悪徳業者に騙されたケースの記事が紹介されていますので、事前に目を通しておくとよいかもしれません。
参考:SEO業者に35万円払ったが、最悪な結果となったのでブログをはじめました | オリジナルTシャツを1枚から格安制作|神戸Tシャツ製作所
参考:悪徳SEO業者はこうしてつぶれた | SEOとその周辺
参考:効果ゼロ、違約金を無心…悪徳SEO業者を告発する | ビジネスジャーナル
SEO対策でおすすめのツール
色々な対策方法やキーワード選定のコツを紹介いたしましたが、その際に便利なツールもまとめてご紹介いたします。
■GRC:メジャーな検索順位チェックツールです。
■BROADENTRY:ブラウザ上で簡単に検索順位をチェックできます。
■Ahrefs:被リンク数などを確認できます。
■Screaming Frog:サイト内のページごとのTitleなどの情報を一覧で確認できます。
まとめ
本文にも記載しましたがSEOは集客強化においてインパクトのある施策ですが、人的コストや中長期的な期間を必要とするため、短期的に成果を出したいとお考えの方には、コストや期間がよりコントローラブルなリスティング広告の方が、向いているケースが多いというのが実感です。
また、リスティング広告に関して詳しく知りたい方は、本サイトで過去に紹介した記事をご覧いただければと思います。
参考:
・リスティング広告とは|今更聞けないリスティング広告の基礎
・リスティング広告成功の法則とは?なぜ8割の企業が失敗するのか?
上記コストや期間を踏まえ、「中長期的な戦略を見据えてSEO対策を始めたい!」「でもコンテンツを作成する時間がない!」「人工リンクを試したいが、ペナルティや悪徳業者に騙されることが怖い」とお考えの方は、ぜひともこれを機に、まずは手を付けやすい箇所や優先度の高い箇所から対策してみましょう。