オウンドメディアによるインバウンドマーケティングを検討している企業担当者の方は、「果たして自分の企業でもうまくオウンドメディアを活用していけるのか」と悩んでいるのではないでしょうか?
オウンドメディアを活用していくには、きちんと特徴を学んだ上で運営目的を設定する必要があります。
今回は、本メディアLISKULでの実例も含めて、オウンドメディアをうまく運営し、目的にあった結果を出している企業の事例とその成功の理由をまとめました。ぜひ、メディア運営に役立ててください。
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オウンドメディアとは、結局どういうものか?
オウンドメディアは「企業が運営するWebメディア」のことを指します。しかし、狭い意味での
オウンドメディアとは「企業が運営する、メディア事業ではない情報発信サイト」を指す場合が多いです。例えば、企業のコーポレートサイトや企業が運営するブログやSNSは、文脈によっては含まれる場合もあります。
例)
広い意味:本サイト「LISKUL」も運営会社ソウルドアウトのコーポレートサイトもオウンドメディア
狭い意味:ソウルドアウトのオウンドメディアは、ノウハウWebメディア「LISKUL」です。
オウンドメディアの特徴とは?アーンドメディア、ペイドメディアと比較して
企業がマーケティングに活用できるWebメディアは、オウンドメディア以外にも大きく2つあります。
①
アーンドメディア(第三者が運営するメディア。口コミサイトや個々人のSNSなども含む)
②
ペイドメディア(お金を払って情報を掲載するメディア。ネット広告なども含む)
です。
アーンドメディア、ペイドメディア、オウンドメディアを合わせて、「トリプルメディア」と呼ばれることもあります。
◎オウンドメディア活用のメリット
①自社で発信内容をコントロールできる
口コミなどを書かれるアーンドとの一番の違いは、自社で発信内容をコントロールできる点です。ただし自社の主張だけをしていて、ターゲットを考えないと作っても読まれない可能性もあります。
また、その企業だけがもっているノウハウや他社と差別化できる情報を出すこともできます。
②立ち上げてしまえば、情報の発信には広告費を払う必要がない
自社が運営・管理するメディアのため、ページを立ち上げてしまえば広告費などは発生しません。
ただ、サーバ管理費や人件費などの費用はかかります。
③Cookieや会員登録などの情報が取得、活用ができる
載せる場所自体が自社オウンドメディアを通して、会員登録をしてもらったり、Cookieと呼ばれる情報を得られたりします。これは顧客データを活用するWebマーケティング施策において非常に有利です。
△オウンドメディア活用のデメリット
①コンテンツ制作のプロではない企業が、メディアをうまく運営するのは難しい
既存のWebメディアの多くは、メディア運営をメインの事業にしている企業などのコンテンツ制作のプロが制作・運営しています。
しかしオウンドメディア運営企業は、コンテンツ制作のプロとは限りません。そのため、狙いたいターゲットとの相性のいいコンテンツの制作やうまくコミュニケーションをとるのは至難のわざです。そのため、オウンドメディア運営支援をする企業もたくさんあります。
参考:
アクセス数を10倍にする! コンテンツマーケティングで成果を出すポイント | 【レポート】サーチエクスペリエンスコンファレンス2016 | Web担当者Forum
②定期的な情報発信が必要なため、オウンドメディア運営には人的・金銭的負担がかかる
ペイドメディアのような出稿のための広告費はかかりませんが、記事などのコンテンツ制作には人的・金銭的負担がかかります。
作りたいメディアの規模にもよりますが、LISKULでは専任担当者2人体制で運営しています。2年間、オウンドメディア運営の現場にいる身としては、社内での記事制作を含むオウンドメディアの運用は片手間でやるのは難しい、と思います。外注することももちろん可能ですが、その時は目的・目標の設定など、成功するオウンドメディアをつくるには、ある程度の人数やコストを割く覚悟が必要です。
そもそも、オウンドメディアの成功とは?企業が目指す目的によってオウンドメディアもゴールが違う!
それでは、オウンドメディアが成功にするにはどうすればいいのでしょうか?そもそも一言でオウンドメディアの成功といっても、企業によってその運営の目的はさまざまです。
メディア、情報の提供を通じてまず何を目指すのか?を明確にしましょう。とはいえ、オウンドメディアは企業のメディア。目的は企業の利益に最終的にはつながっています。
オウンドメディア運営の7つの主な目的
この2年間で見てきたオウンドメディアの主な目的を整理しました。多くのオウンドメディアの運営目的は下記のいずれか、または複数に当てはまります。
①商品や企業の認知度向上
②新規の顧客やリード獲得
③商品のオンラインからの購入者増加
④既存顧客のエンゲージメント向上
⑤人の採用/社内向けブランディング
⑥企業がつくりたい世界観を広める
⑦オウンドメディア自身でのマネタイズ
目的が複数ある場合は、どれを優先するのか?の優先順位を
複数ある場合は、優先順位づけが重要です。また、メディアが拡大する中で目的が複数に増えていく場合もあります。
例えば、本メディア「LISKUL」の当初のマーケティングの目的は、新規の顧客やリード獲得でした。
しかし運用をするうちに、拡散力や集客力が上がったため、スポンサードコンテンツという記事広告のご提供をして、他の皆様のWebマーケティングをお手伝いしつつ、メディア単体でもマネタイズをしています。
しかしマネタイズはある程度の規模になったからこそ始められるもので、最初からマネタイズを目的にするならばオウンドメディアではなく、”メディア事業“を始めるべきだと思います。
参考:
成功事例で学ぶ!トリプルメディアの特徴と連携戦略のポイント|株式会社イノーバ
目的別!成果を出しているオウンドメディア事例8選
上記であげた目的別に、うまく運営をしているオウンドメディアをまとめ、解説します。複数の目的をもって運営しているメディアがほとんどですが、客観的に見て主な目的としているであろうものを記載しました。
①サイボウズ式(商品や企業の認知度向上、企業がつくりたい世界観を広める)
https://cybozushiki.cybozu.co.jp/
サイボウズ式は、サイボウズが運営する「新しい価値を生み出すチーム」のための、コラボレーションとITの情報サイト。多くの人が共感するテーマのコラムやインタビューをコンテンツの中心に置き、うまく運営されているオウンドメディアとしてよく紹介されています。
【目的】
・商品、サービスの認知度向上
・企業がつくりたい世界観を広める
【施策】
・すぐに商品を買ってもらうのではなく、読者と企業の関係性を作ることを重視したコンテンツを作成
・認知を取りにいくために、特にSNS上のコメントを見て記事がユーザーに役立っているかを確認
【結果】
・サイトを見て面接に来る学生がいるほど企業としての認知を高めるのに貢献
参考:
【前編】サイボウズ式に学ぶ、「製品のPRにはつなげない」オウンドメディア運営術 | SELECK
②LISKUL(新規の顧客やリード獲得)
http://liskul.com/
ソウルドアウト株式会社が運営するWebマーケティングノウハウメディア「LISIKUL」。リスティング広告運用会社が持っているノウハウをあえて公開し、お問い合わせにつなげています。
【目的】
・新規の顧客や問い合わせの獲得
・メディアでのマネタイズ
【施策】
・顧客である中小企業向けのWebマーケティングノウハウ記事を3年以上、300記事以上発信
・特に「リスティング広告」のようなキーワードのSEO上位表示を実現
・同じ層の顧客に情報発信をしたい企業向けに広告メニューを設定
【結果】
・月間の問い合わせ数が3件から200件に増え、重要な問い合わせの源に
http://stretchpole-blog.com/
【目的】
・商品(ストレッチポール)の販売
【施策】
・自社の商品に関係が深く、検索ボリュームが大きい「体幹トレーニング」、「腰痛ストレッチ」といったビックワードで上位表示を獲得するような上質な記事を作成
・記事を読んで商品に興味を持っていただいたユーザーを別ドメインのECサイトへ誘導
【結果】
・公開から4ヶ月で20万PV、約1年後には100万PVを達成
・オウンドメディア経由の月間販売数は、800件超え
参考:
月間140万PV・月間販売800件超!自社メディアで圧倒的な成果を出すECサイトのコンテンツマーケティング|バズ部
http://clubd.co.jp/wp/post-category/fashionbook
「オシャレの教科書」は、福井県あわら市でメンズファッションのECサイトを運営する株式会社ドラフトのオウンドメディアです。初心者でもわかるような服の着こなしポイントを解説した記事や動画を用意することで、おしゃれが苦手な男性にも役立つコンテンツを発信しています。
【目的】
・商品(メンズファッション)の販売
【施策】
・ECサイトの中に、「おしゃれの教科書」という・定期的に来訪してもらう仕掛けとして、週替わりでのコンテンツなども社員が執筆している
・他にも、YouTubeを利用した動画でのファッション解説やLINEを使ったファッションアドバイスなど、メディアを起点にさまざまなユーザー満足度を上げる施策を実施
【結果】
・「メンズファッション」という検索ボリュームが非常に大きいキーワードでSEO1位に表示されることも
・月間400万PV以上になっている
参考:
メンズファッション通販 Dcollection (商品の販売)
参考:
まず“相手の立場で考えること”。月間400万PVの福井県のアパレルECサイト「Dcollection」が大切にすることとは?
http://www.bbqgo.jp/
BBQ GO!は、日本ハムが運営する国内最大級のバーベキュー情報サイトです。BBQ場やレストランなどのBBQスポットの情報を発信しています。
【目的】
・商品、サービスの認知度向上(商品が選ばれる仕組みづくり)
・既存顧客のエンゲージメント向上
【施策】
・他のレシピサイトなどを分析し、自社の強みを活かしつつ勝てるテーマであった「BBQ」をテーマに運営開始
・スーパーなど店頭の売り場での活用、バーベキュー場とのコラボプロモーション、バーベキュー向け新商品開発への活用、バーベキューのグルメイベントとのコラボレーションなども行う
【結果】
・訪問者数は800万人を突破
参考:
わずか1年半で800万訪問! オウンドメディアの「あるある」を解決した「BBQ GO!」3つの成功の秘訣 | Web担当者Forum
http://mercan.mercari.com/
【目的】
・人の採用/社内向けブランディング(採用ブランディングの形成や入社後の定着と早期活躍)
【施策】
・急速に社員数が増え、規模が拡大する中で社内にどういう人がいるのか?など会社の今を発信
・記事コンテンツだけではなくPodcastなども行っている
【結果】
・社員が、友人などにメルカリを紹介する際にURLを送るだけで伝わる、などの使い方をされている
・また採用の前などでも記事を読んでもらうことで、より具体的にイメージが伝わる
参考:
採用オウンドメディアはやるべき?メルカリのコンテンツプラットフォーム「mercan(メルカン)」運営の裏側 | UNLEASH
http://www.e-aidem.com/ch/jimocoro/
どこでも地元メディア「ジモコロ」は、地元の求人に強い株式会社アイデムとゆるく面白いWebコンテンツをつくる株式会社バーグハンバーグバーグが運営するWebサイト。実際に足を運んで一次情報を取材しながらコンテンツを制作し、地方の魅力的な「場所」や「仕事」「小ネタ」などを記事で発信しています。
【目的】
・企業の「つくりたい世界観」や「イメージ」を広める
【施策】
・月に12~18本程度、実際に足を運んで取材をした記事を更新
【結果】
・バイトおよび正社員に求人応募するユーザーの約10%が「ジモコロ」来訪者に
参考:
求人応募者の10%がジモコロ読者に 「大事なのはコンテンツ」と語るアイデムの戦略と成果|はてなビジネスブログ
地元のオウンドメディア「ジモコロ」を一年間運営した結果|イーアイデムの地元メディア「ジモコロ」
⑧北欧、暮らしの道具店(商品の販売、企業の「つくりたい世界観」や「イメージ」を広める、メディアを使ったマネタイズ)
https://hokuohkurashi.com/
2007年に、北欧のスタイルに魅せられたことをきっかけに始められたという株式会社クラシコムの運営するネットショップ「北欧、暮らしの道具店」。北欧発のプロダクトを中心に、日本を含むさまざまな国の暮らしの道具を記事で紹介しながら販売しています。
【目的】
・商品の販売
・企業の「つくりたい世界観」や「イメージ」を広める
・メディアを使ったマネタイズ
【施策】
・社内をメインに記事を制作。同じ世界観をさまざまなSNSでも発信。
・BRAND NOTEという広告メニューを提供し、「北欧、暮らしの道具店」の世界観の中で他の商品を紹介。
【結果】
・月間PV:約1300万超
・月間UU:約130万超
・Facebookページいいね!数:41万超
・instagramフォロワー数:50万超
参考:
【募集終了】2017年春のクラシコム人材採用プロセスが始まります!|北欧、暮らしの道具店
まとめ:成功しているオウンドメディアの共通項とは?
日々の運営の中でも、目的の変化やこれから何をしていくか?は常に企業の目指すところと合わせて試行錯誤しています。いろいろなメディアを見てみましたが、成功しているWebメディアには下記のような共通点があるように思いました。
①事前に入念に研究して、自社の強みや目的を定めて現実的に「勝てる」テーマを選んでいる。
②運営の中心に、メディアの“哲学”や“筋の通った考え方”がある。
③最初から費用が掛かることを理解し、しっかりと運営体制に投資をしている。
本WebメディアLISKULも、運営開始から丸3年を超えています。
うまくやれば、当初の目的を超えることもできるオウンドメディア。これからもLISKULがコンテンツマーケティング、オウンドメディアにご興味がある方をはじめ、Webマーケティングに興味がある方がビジネス成果を出すヒントになればうれしいです。
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