LINE公式アカウントを運用するうえで、よくあるお悩みが「ユーザーにブロックされてしまう」というものです。せっかくコストをかけて運用し、友だち(アクティブユーザー)を集めても、ブロックされてしまうとメッセージが届けられず、ユーザーがコンテンツから離れていく可能性もあります。
なかには、「なぜユーザーにブロックされてしまったか、心当たりがない」「どこを工夫すれば良いのかわからない」という方もいるのではないでしょうか。手探り状態でいると、運用が後手に回ってしまうことも少なくありません。
ユーザーは、新聞やテレビ、インターネットで「求めていない情報」が流れてくると、遮断をすることがあります。LINE公式アカウントでも同様に、「自分が欲しくない情報」や「自分向きでないコンテンツ配信」を遮断するために、ユーザーはブロック機能を使用します。
そのため、LINE公式アカウントを運用する際には、ユーザー(顧客)のニーズを読むことが非常に重要です。そのユーザーがどのうような情報やコンテンツを求めているのか、いつそれらの情報を求めているのかを徹底的に分析し、適切な頻度の配信をしていくことが成功への一歩となります。
この記事では、ブロックされないために気をつけるべき4つのポイントや、実際に運用方法に工夫を施し、ブロック率を大幅に下げた企業の成功事例5選などをまとめて紹介しています。今後のLINE公式アカウント運用の参考として、または現行の運用の見直しに最適です。
ブロックされないための4つのポイント
最初に、ユーザーに飽きられない(=ブロックされない)ためには、色々な仕掛けや工夫が必要です。ブロックされないためのポイントは4つあります。- 初回メッセージを工夫する
- メッセージの読みやすさを重視する
- サービス・商材とマッチするユーザーにセグメントする
- クーポンなど「お得な情報」を定期的に発信する
ポイント1. 初回メッセージでアカウントの方向性を示し、初回ブロックを未然に防ぐ
LINE公式アカウントを友だち登録したユーザーが最初に見るのが、「初回メッセージ」です。この初回メッセージで、アカウントの方向性やどのくらい通知がくるかを最初にユーザーに告知し、LINEならではのコンテンツを提供することにより、ブロックを未然に防ぐ効果があります。 LINEの平均開封率は60%と言われています。特に初回のメッセージは、ユーザーがLINE公式アカウントをフォローして最初に届くメッセージなので、なおさらユーザーの目に入りやすいと言えます。逆に2回目、3回目…と間髪入れずに多く続いてしまうメッセージは、あまり読まれない傾向があります。引用:LINE公式アカウント|友だち追加後のブロックを防ぐ初回メッセージのコツ|LINE for Business初回メッセージの内容ひとつで、その後ユーザーがブロックするか否かの明暗が分かれ、ひいては企業とユーザーがその後の関係を構築する(=新規顧客を取り入れる)ための鍵となり得ます。 そのため、次に紹介する初回の配信内容の注意点を踏まえて、ユーザーにそのアカウントの方向性を具体的に示しましょう。 参考:5分で分かるLINE公式アカウントの使い方。必ず使いたい3つの機能とは?
初回の配信内容に含めるべき要素
初回メッセージを作成・配信する際には、会社や店舗の自己紹介を含め、今後の配信内容とプッシュ通知をオフする方法の解説を盛り込むことが重要です。この3点について、下記でそれぞれ解説します。- 会社や店舗の紹介 まずは、どのような企業・店舗が運営しているLINE公式アカウントなのか。しっかりと自己紹介をします。
- 今後届く情報を明確にする 次に、どのような情報が届くのかを最初にきちんと明示しておきましょう。同時に、投稿頻度も最初にユーザーに伝え、どのくらい通知が来るのかを把握してもらうことも大切です。 このとき、配信する側(企業側)は配信の頻度に気をつけるようにしましょう。通知頻度が多いと、ユーザーに毎回「通知を受け取る」「確認する」という手間が発生します。メッセージの内容が有益だとしても、一度「手間が多い」と感じてしまうと、ブロックにつながりやすくなります。
- プッシュ通知をOFFにする方法を教える 意外と思われるかもしれませんが、ユーザーが配信の頻度が高いと感じたときに、プッシュ通知をOFFにするための方法を、初回メッセージで案内することも大切です。先に「通知オフ」をしてもらうよう促せば、メッセージを継続してユーザーに届けられます。プッシュ通知はされないものの、結果的にユーザーのブロックを防ぐことにつながるためです。 なぜ前述したように、ユーザーが「メッセージが多い」と感じた場合、ブロックされてしまう可能性が非常に高くなります。そのため、初回メッセージで通知OFFについて明示しするようにしましょう。
引用:LINEメッセージ配信のコツ|開封率を高める工夫や企業事例|LINE for Business
効果的なメッセージの傾向
LINE公式アカウントでは、初回メッセージに必須の要素3つを盛り込んだうえで、「リピーター」のユーザーに向けたメッセージ内容を考えることが重要です。リピーターとは、自社のサービスや店舗のファンのことで、この層に向けたメッセージは効果的な初回メッセージとなる傾向があります。 LINE公式アカウントの運用を続けていくと、リピーターが増加し、新規顧客取得につながります。しかし、ほかのSNSやメールマガジンと同じ情報を提供していると、ユーザーに飽きられてしまいブロックされるリスクが高まります。 なぜなら、LINEに登録しているユーザーは、すでにTwitterやInstagramといったのSNSやメールマガジンなどに登録し、LINE公式アカウントとあわせて情報収集をしている可能性があります。 LINE公式アカウントによる情報配信の対象者は、基本的にリピーターが多いため、「ここでしか手に入らない情報」をユーザーに配信することを常に心がけましょう。 参考:LINEメッセージ配信のコツ|開封率を高める工夫や企業事例|LINE for Businessポイント2. メッセージは読みやすさを重視して作成する
次に重要なポイントは、メッセージの読みやすさです。LINE公式アカウントに限らず、LINEメッセージはパソコンよりもスマートフォンで見られる割合が高いです。そのため、スマートフォンで見て読みやすいメッセージの構成にしましょう。 メッセージのテキストを作成するときは、以下の点に注意してください。- 改行や絵文字を使って、区切る。(長すぎず、短すぎない文章を心がける)
- 用途に合わせてメッセージを使い分ける(通常メッセージ、リッチメッセージ等)
読みやすいテキストと読みづらいテキスト
ここでは、メッセージのテキストで読みやすいものとそうでないものの違いを解説します。先に、読みづらいテキストの特徴を見てみましょう。引用:LINE公式アカウント|友だち追加後のブロックを防ぐ初回メッセージのコツ上の図の2つのテキストには、読みづらい点が3つあります。
- ほぼテキストのみで、見た目が寂しくユーザーの印象に残りにくい
- テキストの内容があっさりしすぎている
- 次回からの投稿内容を告知しているが、具体的な内容はわからず、期待感を抱きにくい
引用:メッセージ配信のコツ|開封率を高める工夫や企業事例先ほどのメッセージと比べると、適度に改行が入り、スタンプや絵文字が使われています。 また、文章も短く簡潔にまとまっているため、スマートフォンをスクロールする手間がなく、さっと読むことができます。 このように、LINE公式アカウントの初回メッセージでは、伝えたい内容を絞り、できるだけ文字数は少なく、友だち申請してくれたユーザーに好印象を与える工夫をしましょう。 参考:LINE公式アカウントのあいさつメッセージ|設定方法と事例を紹介|LINEマーケティング攻略ガイド
リッチメッセージを大いに活用する
メッセージを送信する際は「リッチメッセージ」も活用しましょう。リッチメッセージとは、通常のメッセージ配信とは違い画像やテキスト情報を1つにまとめて配信できる機能です。最大6分割することができ、1つのエリアに対して画像を1つ、URLを1つ設定できます。引用:LINE@で使える「リッチメッセージ」で効果的に集客しよう|ferret画像を効果的に使用することで、ユーザーの視覚にわかりやすく訴えられます。そのため、通常のテキストメッセージよりも高い誘導効果が期待できるでしょう。 リッチメッセージの詳しい使い方は、下記の記事を参考にしてみてください。 LINE公式アカウントのメッセージ配信の使い方と集客効果を高める2つのポイント 参考:LINE公式アカウントのメッセージ配信の使い方と集客効果を高める2つのポイント
ポイント3. サービス・商材とマッチするユーザーにセグメント配信をする
ユーザーがLINE公式アカウントをブロックしてしまう理由のひとつに、「自分に関係のない情報や興味のない情報ばかり配信される」というものがあります。そのため、ユーザーに合った情報を、セグメント配信を使用して送りましょう。 セグメント配信は、ユーザーを「属性」というカテゴリーで分類し、その分類ごとにメッセージを配信できる機能です。LINE公式アカウントには「属性」が5つ用意されています。- 性別(例:男性、女性)
- 年齢(例:14歳以下、30〜34歳など)
- OS(例:iOS、Androidなど)
- エリア(例:都道府県単位)
- 友だち期間(例:6日未満、365日以上など)
ポイント4. 友だち登録直後から、クーポンなど「お得な情報」を定期的に発信する
最後のポイントは、LINE公式アカウントでクーポンをはじめとした「お得な情報」を配信することです。配信するのは友だち登録直後で、これは企業や商品に対して最も関心が高まっているタイミングです。この大きなチャンスにユーザーへアピールできれば、その後ユーザーに継続して関心を持ってもらえます。 例えば、初回メッセージ配信の際に「初回限定クーポン」や旬な情報を入れ、ユーザーにLINEならではのお得感を与えることが重要です。引用:【LINE】生活がより便利になる「LINE公式アカウント」の使い方|APP BANKただし、ユーザーの興味関心・トレンドは常に移り変わっていきます。また、ユーザーに「次回使うかもしれない」という気持ちを抱かせると、アクティブユーザーになりやすい傾向が強くあります。 LINE公式アカウントの場合は、友だち登録直後のほか、定期的なクーポンやお得情報の配信によって、プロモーションチャンスを逃さないようにしましょう。 参考:【2021年版】LINE公式アカウント「クーポン」機能とは?作成方法や活用術をまるごと解説
ポイントをおさえてブロックを防いだ、5つの企業事例
ブロックされないための4つの重要なポイントをおさえたことで、実際にユーザーのブロックを防いだ企業のLINE公式アカウントが複数存在します。ここで紹介する5つの事例には、共通するポイントが3つあります。- メッセージや画像で親しみやすい印象を与える
- 常に友だちを楽しませる工夫を行う
- 友だちそれぞれの興味関心を見逃さない
事例1. ブロック防止のために重要な、初回登録メッセージを配信 【おとなサントリー】
洋酒、ビール、清涼飲料水などの製造・販売を行う「サントリー」が運営するLINE公式アカウント「おとなサントリー」では、初回メッセージを上手に利用してユーザーの初回ブロックを防ぎました。 お酒を取り扱うメーカーの公式アカウントということで、20歳以上のユーザーを対象にしています。 そのため、おしゃれなイラストを使い、世界観を感じさせつつ、メッセージの配信頻度をユーザーに伝え「ブロックをしないように」と添えています。 また「乾杯」と入力することで「ウェルカムドリンク」とともに歓迎メッセージが返信されるという遊び心満載のギミックが含まれています。引用:LINE公式アカウント|友だち追加後のブロックを防ぐ初回メッセージのコツ|LINE for Business
事例2. 読みやすさを重視したリッチメッセージを活用 プリマハム
ハム・ソーセージ・加工食品などを扱う「プリマハム」のLINE公式アカウントは、読みやすさの工夫が随所に表れています。 「あらびき星人ソップリン」という自社のキャラクター口調のかわいらしいテキストで、コミカルに自己紹介をしています。また、「地球を征服しにきた」というキャラクターの設定に合わせたリッチメッセージでキャンペーンを予告したり、ちょっとしたマンガを配信したり、ユーザーの「もっと見たい」という興味関心をひく工夫を行っています。引用:LINE公式アカウント|友だち追加後のブロックを防ぐ初回メッセージのコツ|LINE for Business参考:LINE公式アカウントの運用の流れと、成果アップにつなげるための12のポイント
事例3. ユーザーひとりひとりにあった情報に結び付けられるようリッチメッセージを工夫 バイトル
アルバイトの求人情報を取り扱う「バイトル」の公式LINEアカウントは、LINEのトーク画面から、好みの職種や条件を入れてバイトが探せる機能も搭載されているため、ユーザーに合った情報以外出さないという試みをしています。 また、リッチメッセージにも工夫が施されています。アルバイト情報の遷移先を「早朝」と「夜間」に分けて、矢印によってそれぞれ案内を出していますが、画像上部が絶妙に途切れているため、ついスクロールして上も見たくなるような仕掛けが随所に含まれています。引用:これでブロック防止!企業のLINEアカウントのリッチメッセージ&自動返信活用事例6選|Social Media Lab
事例4. クーポンをインセンティブにアンケートへ誘導 ViS
女性向けファッションブランド「ViS(ビス)」のLINE公式アカウントでは、クーポンをインセンティブにアンケートへ誘導し、登録したユーザーの属性情報を取得できるようにしています。 さらに、クリエイティブに「1分アンケート」と掲載することで、ユーザーのアンケート回答への心理的ハードルをさげたうえでアンケート回答率を高め、どのようなユーザーが友だち登録したのかを把握しています。 また、2018年にはヨッシースタンプ®(@yosistamp)が手がけた「うさぎ100%」とコラボし、LINEスタンプの配布も行い、他SNSをよく見る20〜30代のユーザーにもアピールをしています。引用:LINE公式アカウント|友だち追加後のブロックを防ぐ初回メッセージのコツ|LINE for Business
事例5. 会話や企画に自社商品の紹介をうまく織り交ぜながらクーポン情報も配信 ローソン
大手コンビニエンスストア「ローソン」のLINE公式アカウントでは、自動返信機能を使って非常にユニークな企画をしています。 元々採用されていた「しりとり」や「カウントダウンゲーム」などのお楽しみ機能に加え、会話をすればするほど「ローソン力」が上がり、自分の商品棚がどんどん充実していくというイベントをLINE内で行いました。商品棚を充実させることで、「運が良ければ」クーポンが配信されることもあるようです。 ほかにも、ローソンのキャラクター「ローソンクルー あきこちゃん」と会話できる機能でユーザーとコミュニケーションを図り、お楽しみ要素満載でユーザーにとっての魅力を高めていると同時に、会話や企画に自社商品の紹介をうまく織り交ぜてPRしている良い事例です。引用:これでブロック防止!企業のLINEアカウントのリッチメッセージ&自動返信活用事例6選|Social Media Lab